さて、本日で3回目。
今回は『化学』の分析&解説を行います。
第二回基礎学では、順当に中1化学と
中3化学が出題されました。
第三回では、中2化学と中3化学の可能性は高いですかね。
では、いってみましょう!
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大問3<中1化学>:溶解度
難易度は標準くらいです。
表の意味から溶解度との関係性を見出すことができれば、
さほど難しい問題ではなかったでしょう。
ここでも、「ただの暗記」では対抗できない問題形式となっています。
(1)は、用語に関する知識問題。
「溶媒に物質を溶かしたとき、その物質が限界まで溶けている状態を何というか。」
はい、瞬殺で「飽和」ですね!
ここで注意すべきことは、湿度との違いです。
飽和水蒸気量に対する水蒸気の量が飽和に達していた場合は、「湿度100%」ということはありえます。
ですが、溶解度に対して飽和状態であっても、中学分野においては「質量パーセント濃度100%」になりません。
問われていることの前提が違うことを理解しておきましょう!
(2)は、溶解度に関する問題。
「60℃のとき、飽和状態にある水溶液は表1のどの物質を溶かしたときか。物質名を答えよ。」
0℃ | 10℃ | 20℃ | 30℃ | 40℃ | 50℃ | 60℃ | |
ミョウバン | × | × | × | × | × | × | ○ |
塩化ナトリウム | × | × | × | × | × | × | × |
硝酸カリウム | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
「飽和」の「飽」という漢字は「飽きる」という漢字です。
もう飽き飽きしてこれ以上お腹に入らない状態と考えてみると分かり易いですしょうか?
もうこれ以上入りません、水の中には溶けません=「飽和」状態。
ということは、60℃でも「×」がついている状態ということになります。
答えは、「塩化ナトリウム」となりますね。
(3)は、表から物質の特徴をグラフで推測する問題。
「実験に用いた3種類の物質を表したグラフはa~dのうちどれか。」
(2)の表とグラフを照らし合わせます。
硝酸カリウムは30℃〜40℃の間で、50gが完全に溶け切っています。
よってグラフは、「b」となります。
ミョウバンは、50℃〜60℃の間で、50gが完全に溶け切っています。
よってグラフは、「c」となります。
塩化ナトリウムは、表を見ずともグラフの形で分かりますね。
答えは、「d」となりますね。
(4)は、用語知識に関する問題。
「実験で用いた溶液を冷やすと、いくつかの溶液内で溶けていた溶質を規則正しい形の個体として取り出すことができた。この方法を何というか。」
これは簡単、「再結晶」ですね。
驚くことに、「蒸留」と「再結晶」を間違う生徒がいたりします。
その用語とその他の用語の違いを説明できて初めて、用語知識が身についたというのですよ!
(5)は、再結晶に関する問題。
「再結晶に適さない物質とその理由をそれぞれ書け。」
これは定番の問題ですね。
答えは、「塩化ナトリウム:温度が変化しても溶解度がほとんど変化しないため」で大丈夫でしょう!
やはり化学は、『知識の活用』の側面が大きくなってきましたね。
難しすぎないいい塩梅の問題だと思います。
ですが、ただの単純暗記で理科を乗り切ろうという安易な考え方の生徒は、
見事に跳ね除けられたかもしれませんね。
大問6<中3化学>:化学電池
2種類の金属板を使った、電池の実験です。
大問6に引き続き、会話形式の実験内容となっています。
会話から必要な情報を読み取り、答えていく問題ですね。
(1)は、化学変化の原理に関する問題。
「モーターが回っているとき、銅板にはどのような変化が見られたか。」
ア:銅板に赤色の物質が付着した。(銅原子)
イ:銅板がとけて小さくなった。(イオン化)
ウ:銅板から水に溶けにくい気体が発生した。(水素)
エ:銅板から特有のにおいがする気体が発生した。(塩素)
化学電池の原理が分かっていなければ、若干難しい問題です。
うすい塩酸のなかに2種類の金属をひたすと、どちらかはイオンとなり溶け出します。
銅と亜鉛の場合は、イオン化傾向の大きい亜鉛がZn2+として溶け出します。
このとき、亜鉛イオンは2つの電子を電極に残し、その電子がもう一方の銅の電極の方へ移動することで、「電流が流れている」と仮定するのが化学電池の原理。
そして、銅の電極に溜まった電子は、水素イオンH+に電子を渡します。
すると、水素イオンは水素原子Hとなり、その他の水素原子と結びつきます。
結果的に、銅の電極の周りには水素分子H2が発生するというわけですね。
ということで、答えは「ウ」となります。
(2)は、回路図のつなぎ方の問題。
「電子オルゴールから音が鳴ったときの導線のつなぎ方は、亜鉛板と銅板で何極となるか答えよ。」
+には+をつなぎ、ーにはーをつなげばいいだけです。
ということで、「亜鉛板:マイナス極」で「銅板:プラス極」となりますね。
(3)は、化学電池の原理に関する問題です。
「亜鉛板・銅板の大きさやうすい塩酸の濃度を変え実験を行ったとき、電子オルゴールの音が大きくなるのはどれか。全て選べ。」
ア:亜鉛板・銅板を、より大きなものに変えた。
イ:亜鉛板・銅板を、より小さなものに変えた。
ウ:うすい塩酸の濃度を、より濃いものに変えた。
エ:うすい塩酸の濃度を、よりうすいものに変えた。
これは、黄色の下線部の意味を考えれば分かります。
音が大きくなるということは、電気エネルギーが増えたということ。
ということは、電気エネルギーが増える選択をすれば言いわけですね。
答えは、「ア」と「ウ」ですね。
(4)は、電解質水溶液に関する知識問題です。
「うすい塩酸の代わりに用いても、電流を取り出すことができるもはどれか。全て選べ。」
ア:塩化ナトリウム水溶液(電解質水溶液)
イ:蒸留水(純粋な水)(非電解質)
ウ:砂糖水(非電解質水溶液)
エ:グレープフルーツジュース(電解質水溶液)
オ:エタノール(非電解質水溶液)
この問題は、非電解質(水溶液)の知識を問う問題です。
非電解質は中学範囲では、蒸留水と砂糖水とエタノールの3つ。
それ以外は、電解質水溶液となると覚えておくことが大事です!
ということで、答えは「ア」「エ」ですね。
この大問7も、大問6に引き続き良問だったと思います。
難易度的には「標準」ですが、原理原則を問ういい問題でした。
皆さんはどうでしたか?
第三回の基礎学の「化学」予想!?
おそらく、中3化学と中2化学の出題とはなると思います。
中3内容では中和系の問題の可能性は大きいかもしれません。
中2内容では、第一回で出題された分野以外のものを対策しておくべきでしょう。
明日は残りの「物理」の解説です。
今回の物理はどちらもなかなかいい問題でした。
解説も長くなりそうです。
ああ、やること山積みです。。。
ちゃん♪ちゃん♫
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