本日から、4回に渡り
R4年度第二回基礎学力テストの
理科の問題分析を始めていきます。
初回の分析は「生物」分野から。
平均点から考えると、「普通」レベル。
どのような問題で点数を落としてしまったのか。
見ていくことにしましょう!
大問1【中1生物】:顕微鏡を使った、植物と動物の細胞の観察
「お!」と感じるのが(1)の問題くらいでしょうかね。
とてもベタな知識確認問題でした。
記述問題はなく、得意な生徒にとっては数分で解き終わるレベルです。
(1)対物レンズを低倍率と高倍率のそれぞれで観察したとき、図1のような状態でピントがあった。低倍率で観察したのはア、イどちらか。
図1では、プレパラートに対物レンズが離れた「ア」と
近くにある「イ」が示されていました。
低倍率の対物レンズは、全体を広く観察するため
観察したい物体から遠ざけてピントを合わせます。
低倍率だからより近くに近づけると考えてしまった生徒もいるでしょうか?
残念ながら答えは、「ア」となります。
(2)顕微鏡の視野の中で、図2の●の位置に見えている細胞を、視野の中央に移動させたいとき、図2のア〜クのどの方向に動かせば良いか。
図2の●は、北東の位置にあります。
よって、北東から真ん中に持ってこようとすると
本来であれば、南西方向に動かせば良いことになります。
しかし、顕微鏡では見え方が上下左右が逆になります。
このことから、同じ方向である北東方向に動かす必要があります。
よって答えは、「イ」となりますね。
(3)細胞を150倍で観察するとき、対物レンズの倍率が10倍であれば、接眼レンズは何倍の倍率のものを使用すればいいか。
これもなかなかに簡単な問題です。
「観察する倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率」
となっています。
よって答えは、「15倍」ですね。
(4)(3)状態から対物レンズを40倍のものに取り替えると、①視野の明るさ、②見える範囲はそれぞれどうなるか。
(3)で15倍とわかっていなければできない問題です。
40倍になるということは、より倍率が上がるということです。
より近距離で物体を見るようになると考えれば分かりやすいですね。
自分の手を離した状態で見た場合と、
目のすぐ前まで持ってきた場合と同じと考えれば答えはわかりますね。
よって答えは、「①:暗くなる ②:狭くなる」でOKです。
(5)細胞を顕微鏡で観察するときに細胞を見やすくするためにある染色液を使う。細胞を赤紫色に染める染色液の名前を答えよ。
赤紫色というところがポイントでしょうか。
青紫ならヨウ素溶液という場合も考えられますから。
細胞の観察に用いられる染色固定剤としては、
- 酢酸オルセイン溶液(紫・赤色・赤紫色)
- 酢酸カーミン溶液(赤・紫色:赤色)
- 酢酸ダーリア溶液(紫・青色:青紫色)
が挙げられます。
酢酸の効果で、細胞が固定されるという働きがあることも問われることがあります。
ということで、答えは「酢酸オルセイン・カーミン溶液」となりますね。
「液」ではなく「溶液」と書くこともポイントの一つですよ!
(6)(5)で細胞の最もよく染まる部分を図3のA〜Eから1つ選び、その名称を答えよ。
これも簡単です。
もちろん、細胞の「核」が一番染まる部分です。
よって答えは、「A:核」となりますね。
大問5【中3生物】:生物のふえ方(会話形式)
ここでも、「お!」と感じるのが(1)の問題くらいでしょうかね。
というより、それを用語として出すの?といった知識確認問題でした。
この問題でも記述問題はなく、一瞬で解き終わる問題かもしれませんね。
(1)下線部①(親のジャガイモの体の一部からでた芽が育って新しい個体になる)のように、植物のおいて体の一部から新しい個体をつくるふえ方を特に何というか。また、そのようなふえ方をする生物を次のア〜エからすべて選べ。
ア:セイロンベンケイ
イ:アメーバ
ウ:オランダイチゴ
エ:ミカヅキモ
まず下線部①の生殖方法としては、
「栄養生殖」が答えとなります。
芋類が有名で、里芋の「むかご」も頻出でした。
しかしながら、選択肢から選ぶ問題は、
新教科書になってからP.5, P.7に写真資料で記載されている
非常に地味めなワードです。
消去法で選ぶことはできますが、厳しい問題でした。
答えは、「ア, ウ」となります。
(2)( ② )には同じ語が入る。最も適する語を書け。
“種子は花が咲いて、その中にできる卵細胞と精細胞が( ② )する必要がある〜”
“田んぼで見つけた卵は、すでに( ② )していたので〜”
特段、解説するようなものもでもありませんね。
答えは、「受精」です。
(3)下のA〜Fはカエルの卵Aが細胞分裂していくようすを示している。A〜Fを、Aをスタートとして成長していく順に並べよ。
これもなかなかにベタな問題です。
細胞の数が増えていっている順に並べ、
形が変化していく段階をラストにすればOKです。
よって答えは、「A→D→F→C→B→E」ですね。
(4)Aが細胞分裂を3回繰り返すと、何個の細胞ができるか。
細胞分裂は、指数倍していきます。
1回であれば、21=2個。
2回であれば、22=4個。
3回であれば、23=8個。
よって、答えは「8個」ですね。
(5)下線部③のように、Aが細胞分裂を始めてから、自分で食物をとることのできる個体に前までの状態を何というか。
これも一問一答系の用語知識を問う問題でした。
答えは、「胚」です。
ちなみに、この「胚」の状態の期間のことを「発生」といいます。
もう少しだけでも、捻って欲しかったですね。
生物講評:簡単すぎない!?
セイロンベンケイなどの聞き慣れない用語はでてきたものの、
全体的に生物は簡単すぎのような気がします。
もちろん、他の分野が難しく調整している感もありますが、
それにしても生物分野は簡単でした。
次回は地学分野の解説を行います。
俗にいう2分野です。
知識重視の問題かもしれませんが、
ここでもしっかりと点数はとっておいて欲しいですね。
ちゃん♪ちゃん♫
いろんな質問にもここでお答えするよ!下のLINEからご質問どーぞ!
校
じゅくちょーの共著としての書籍第二弾、
『11人の敏腕塾長がこっそり教える 地方名門国公立大学 合格バイブル〜親子で読むと勉強にすぐ結果が出る!〜』
が発刊されました!
徳島という地方の受験生たちが、情報弱者として受験に対して後手に回らないためのお役立ち本間違いなし!
ぜひ、お近くの書店やAmazonにてご購入し、お手にとってお読みいただければ幸いです!(2022.8.20時点:勉強法のカテゴリーで現在17位!)
そして、第一弾となるKADOKAWAから出版された、
『自学力の育て方』も絶賛発売中です!