熟語の構成問題では、
大分すると五つのパターンになります。
この問題は決して難しくありません。
そこにある漢字を見たままの意味を
判断するだけなのですが、苦手な生徒がいます。
なぜなのでしょうか?
5つのパターンとは!?
まずは、5つのパターンをまとめておきましょう。
- 意味が似た漢字を組み合わせたもの
- 意味が対になる漢字を組み合わせたもの
- 上の漢字が下の漢字を修飾したもの
- 上の漢字が主語、下の漢字が述語の関係にあるもの
- 下の漢字が上の漢字の目的や対象を表すもの
という、5つのパターンになります。
他にもあと数種がありますが、
それらの出題はあまり目にしたことがありません。
例えば、
- 「身体」「詳細」「創造」「豊富」「陰影」
- 「売買」「公私」「損得」「開閉」「増減」
- 「新年」「再会」「急病」「独立」「予想」
- 「頭痛」「地震」「人造」「日没」「国立」
- 「作文」「着陸」「帰国」「読書」「借金」
このような熟語が、それぞれのパターンに該当します。
熟語の造りを見れば判断できそうなものですよね?
子どもたちの意味を考えないことの深刻さ!?
『つばさ』を開業するだいぶ前のことですが、
「先生、寒冷の意味を教えてください!」
と言われたことがあります。
「ん?それは、熟語の構成を知りたいってこと?」
「いえ、意味です。」
「え?聞かんでもええでぇ、漢字のままやん?」
「どういうことですか?」
「“寒い”と“冷たい”の意味は分かる?」
「それぐらい分かります、バカにしないでください!」
「。。。」
何かのコントのように感じてしまいますが、
これぐらい意味不明なほど
「意味を考えない思考習慣」に
毒されてしまっている生徒もいるのです。
見れば分かる、読めば分かる!?
「意味を考えない思考習慣」に毒されてしまうと、
全てを無意味な暗記で学習してしまうことになります。
見たままの言葉を暗記し、
読んだままの言葉を暗記します。
意味は知りません。
書けますし、読めます。
ですが、意味は知りません。
これでどうやって学習成果を上げるのでしょうか?
このような状態であるにもかかわらず、
必死で無意味な暗記に努力を重ね、
「伸びないんです…」と嘆いて
自分がバカなのではないかと
自信を失ってしまう生徒たち。
本当に深刻な状況が子どもたちの現状です。
語彙力アップは、熟語の意味理解から!?
さまざまな国語指導者たちの書籍や記事を読み漁ってきました。
その中でも語彙力アップに関して一定の見解として
「熟語の構成の意味を考えること」
が挙げられています。
大人たちも、全ての日本語の意味を知っているわけではないでしょう。
漢字の作りや意味を考えて、「こういう意味だろう」で
対応している語彙もあるはずです。
もちろん、語彙力アップの要素としては
意味だけでなく「類義語」や「対義語」も
合わせて知識としてまとめておくことも必要です。
普段の生活からできること。
少しの工夫で、高められる語彙力。
なにもテキストにかじりついて
ガリガリ問題を解くことだけが
国語力や語彙力を高めるわけではありません。
出会った熟語の意味を考え、
簡単な会話を家庭内ですること。
塵も積もれば山となりますから!
ちゃん♪ちゃん♫
学校