『基礎学の国語からみる、読解選択問題の解法とは!?(1)』
大学入試共通テストまで、あと138日!
公立高校入試まで、190日!
公立高校入試まで、あと190日となりました。
夏期講習にて、受験生には中3の学習内容が
全て終わった生徒も出てき始めています。
現時点から、第一回〜第三回基礎学の過去問演習に入り、
すでに徳島県の公立高校入試の過去問にまで手を伸ばしました。
非常に力がついて来たことは間違い無いのですが、
地頭が非常に良いことが返って諸刃の刃となることがあります。
それは、「自分が分かっていることは相手も分かっているだろう」
という他者意識の乏しさとなって牙をむきます。
例えば、平成30年度の第二回基礎学力テストの第二問の論説文。
設問5番の問題などが非常にいい例となるでしょう。
以下が問題文となります。
【A】の段落によって、筆者が伝えようとしていることはどういうことか。最も適切なものをア〜エの中から選び、記号で答えなさい。
ア:優れた文学作品の本質をうつしとった翻訳ならば、原文の持つ豊かさや価値は失われないということ。
イ:優れた文学作品は、美化された翻訳によって豊かになり、世界中に通用する文学になるということ。
ウ:優れた文学作品は、翻訳されて世界中に読まれてこそ、その豊かさや真価が発揮されるということ。
エ:優れた文学作品を翻訳すれば、優れた翻訳学者や作家がその作品の価値を認めてくれること。
この問題の厄介なところは、出題者にすら筆者の伝えたいことは
「正解かどうか分からない」ということです(笑)
よく大学入試の問題である光景なのですが、
筆者の伝えたいことを書けという問題の模範解答が
その書籍の作者から「違います」と指摘が入ることがあります。
じぁ、どうすれば解答に辿り着けるのか?
それは、
『意見と事実、抽象語と具体語を分ける』
ことから辿り着けるのです。
上記の選択肢をもう一度見てみましょう。
その上で、策問者の意見と抽象語にチェックを入れてみます。
ア:優れた文学作品の本質をうつしとった翻訳ならば、原文の持つ豊かさや価値は失われないということ。
イ:優れた文学作品は、美化された翻訳によって豊かになり、世界中に通用する文学になるということ。
ウ:優れた文学作品は、翻訳されて世界中に読まれてこそ、その豊かさや真価が発揮されるということ。
エ:優れた文学作品を翻訳すれば、優れた翻訳学者や作家がその作品の価値を認めてくれること。
では、次はチェックを入れた部分を除いた文章に変換してみます。
ア:文学作品をうつしとった翻訳ならば、原文の価値は失われないということ。
イ:文学作品は、翻訳によって、世界中に通用する文学になるということ。
ウ:文学作品は、翻訳されて世界中に読まれて、その真価が発揮されるということ。
エ:文学作品を翻訳すれば、翻訳学者や作家がその作品の価値を認めてくれること。
さてさて、いかがでしょうか?
本文を読まずとも、解答らしき選択肢が浮かび上がって来たように感じますね。
明日は、これ系の問題の解法の真髄をご説明しようと思います。