基礎学力テスト

令和2年度:第二回基礎学力テスト理科の問題分析(4)

 

さて、本日最後となる4回目は『物理』を。

第二回基礎学では、

中2の発熱と中1の浮力が出題されました。

第三回では、100%中3の運動の分野が出題されます。

残すは、中1光と中2の磁界。

どちらも難しい分野ですので、対策の手は抜からぬように!

では、いってみましょう!

 

じゅくちょー
じゅくちょー
どーも、塾講師歴18年、38歳3児のパパで認定心理士、上位公立高校受験・国公立大学受験専門塾、じゅくちょー阿部です。

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大問4<中2物理>:発熱

 

難易度は標準くらいではありますが、

原理原則を考えずに「苦手意識が強い」生徒さんにとっては

めちゃくちゃ難しいと感じたかもしれませんね。

与えられた問題文を読む時点で得られる情報を

まとめておくだけで楽々で解けてしまう問題でした。

 

まずは、問題文を記しておくことにしましょう。

3種類の電熱線X, Y, Zを用いて次の①〜④の方法で[実験]を行った。電熱線Xは[6.0V-18W]、電熱線Yは[6.0V-9W]、電熱線Zは[6.0V-6W]の表示があった。…

まずは、黄色の下線部を見た瞬間に、これらに関する設問がなかったとしてもやっておくべき「下準備」というものがあります。

[6.0V-18W]の意味は、「6.0[V]×X[A]=18[W]」だよという意味です。

ということは、電熱線Xには3.0[A]流れることとなります。

 

ですが、ここで止まると二流のままです。

電熱線X抵抗R[x]も同時に求めておきましょう。

R[x]=6.0[V]÷3.0[A]となり、2.0[Ω]となります。

その他の電熱線Y, Zも同じように求めておきましょう。

R[y]=6.0[V]÷1.5[A]となり、4.0[Ω]

R[z]=6.0[V]÷1.0[A]となり、6.0[Ω]

これで、『仕込み』は完了しました!

 

(1)は、オームの法則を使った問題。

「電熱線Xに流れていた電流は何[A]か。」

はい、出ました(笑)

上記の『仕込み』の通りです。

答えは、「3.0[A]」ですね。

 

(2)は、オームの法則に関する問題。

「電熱線Yの電気抵抗は何[Ω]か。」

はい、またまた仕込みが生きてきましたね!

答えは、「4.0[A]」です。

 

(3)は、電力の公式を用いた熱量の計算問題。

「電熱線Zに10分間電流を流したときに発生する熱量は何[J]か」

前提として電力を求める公式は、「電圧[V]×電流[A]=電力[W]」です。

ですが、問題文に電熱線Z[6.0V-6W]と書いてあります。

ということは、熱量を求める公式に当てはめて考えるだけです。

熱量[J]=電力[W]×時間[秒]ですので

答えは、6[W]×600[秒]=3600[J]となります。

 

(4)は、温度上昇に関する問題。

「表1から水温の温度上昇について分かることを述べた次の文のうち、適切でないものをア〜エから1つ選べ。」

ア:電熱線の電力が大きいほどより早く水温を上昇させることができる(○)
イ:抵抗の大きい電熱線ほど水の温度上昇が小さい。(○)
ウ:電力が最も大きい電熱線は、10分間電流を流すと、15℃以上温度を上昇させることができる。(○)
エ:抵抗が最も大きい電熱線は、10分間電流を流すと、15℃以上温度を上昇させることができる。(×)

ここでも、問題文を読んだときにしておいた「仕込み」が生きますね!

抵抗が大きい小さいを、目で見て比べて温度上昇との表と照らし合わせることができます。

問題文を読んだそのときに、そこから分かる情報は素早く

『見える化』しておくことは、理科のみならず

全ての教科に通じる鉄板の法則です。

特に、国語での有用性は非常に大きくなりますね!

 

大問8<中1物理>:浮力

 

基礎学では、浮力の問題は

平成29年度第三回基礎学以来の出題となりました。

最後の問題は、なかなか思考力を必要とされる良問でしたね!

公式的なものでは全く解けない問題でしたので、

小6の「比」の概念がなければ解くことができない問題でした。

 

【前提】質量が異なり、体積・表面積が同じA, B, Cの物体を使った浮力の実験的

(1)は、バネばかりの値を読み取る問題

「物体A, B, Cのうち、最も質量が大きいものはどれか。」

本当に単純に、ばねばかりの値を読み取るだけの、べらぼうに簡単な問題。

A3.0[N]B2.2[N]C1.2[N]と表で与えられています。

答えは、もちろん「A」となりますね。

 

(2)は、浮力の原理を問う問題。

「物体を全部水中に沈めたとき、物体にはたらく水圧の様子を正しく表したものはどれか。」

図を選ぶ問題です。

水圧は、深くなればなるほど大きくなります。

物体には高さがありますから、浅い深いの差が生まれます。

浅いところにかかる小さな水圧と、深いところにかかる大きな水圧。

その差が「浮力」と呼ばれるものとなります。

ちなみに、浮力は体積によって比例して大きくなることも抑えておきましょう!

それを図示したものは、「ウ」ですね。

 

(3)も、浮力の原理を問う問題です。

①「物体Aを水の中に沈めていき、xの値が2.0[cm]になったとき、何[N]の浮力が物体Aにはたらくか。」

水面から物体の底面までの長さが、x[cm]で表されています。

グラフでは、xの値が2.0[cm]のときのばねばかりの値は、2.2[N]

もともと、A3.0[N]でしたから、その差は0.8[N]となります。

よって答えは、浮力の大きさは0.8[N]ですね。

 

②「物体Bを水の中に沈めていき、xの値が2.0[cm]になったとき、何[N]の浮力が物体Bにはたらくか。」

Bの方では、xの値が2.0[cm]のときのばねばかりの値は、1.4[N]

もともと、B2.2[N]でしたから、その差は0.8[N]となります。

よって答えは、こちらの浮力の大きさも0.8[N]ですね。

 

(4)は、浮力の原理原則に関する問題です。

「(3)や図3から分かることについて述べたものである。( )に当てはまる語を答えよ。」

浮力の大きさは物体の( )には関係しない。

上の方でも「ちなみに〜」で書いてあることですね。

(3)で計算した通り、質量だけ異なり体積が一定の物質の浮力の大きさは、一定となっています。

よって答えは、「質量」ですね。

 

(5)は、浮力の計算問題です。

「物体Aを沈めていき、全てが水の中に入ったとき、物体Aにはたらく浮力の大きさは何[N]になるか。」

全てが沈んだときのxの値は、5.0[cm]となります。

そのときのばねばかりの値は、1.0[N]

もともと物体A3.0[N]ですから、その差は2.0[N]となります。

よって答えは、「2.0[N]」ですね。

 

(6)は、浮力の原理原則に関する問題です。

「(5)から、さらに深く物体Aを沈めていくと、物体Aにはたらく浮力の大きさはどうなるか選べ。」

ア:浮力は深いほど大きくなる。
イ:浮力は深いほど小さくなる。
ウ:浮力は深さによらず等しい。

水圧は、深くなればなるほど大きくなります。

ですが、物体の深さの差は一定であり、上から受ける水圧が大きくなると同時に下から受ける水圧も大きくなります

その差は常に一定となりますから、

もちろん答えは、「ウ」となりますね。

 

(7)は、浮力を使った思考力計算問題です。

「物体Cは、水の中に入れると図4のように上の部分が水面から浮き出て静止した。水面から浮き出ている部分は何[cm]か。」

非常に良い問題です!

まずは、黄色の下線部の意味を考えましょう。

水面から浮き出て静止したということは、物質Cの質量に対してかかる重力と水から受ける水圧(浮力)が釣り合っていることになります。

 

(5)で、5.0[cm]沈むと、浮力は2.0[N]となると分かりました。

物体Cは、もともとの質量が1.2[N]です。

ということは、5.0[cm]:2.0[N]=X[cm]:1.2[N]という式が成り立ちますね。

計算すると、X3.0[cm]です。

 

ここで浮かれて、答えを3.0[cm]としないように!

3.0[cm]沈めると1.2[N]の浮力がかかるという意味ですから、

3.0[cm]の深さを持っている物体Cは、2.0[cm]浮き上がります。

よって答えは、「2.0[cm]」ですね。

 大問6、7、8はかなりの良問が揃っていたように思います。

ですが、決して難しいという訳ではありません。

小学校からの算数の概念形成ができていれば、

難なく解けてしまう簡単な問題もあります。

あなたはどうでしたか?

 

第三回の基礎学の「物理」予想!?

 

ここまで4回に渡って問題分析を行ってきました。

新時代の到来を感じる良問もありつつ、

非常に簡単な問題でも構成されていました。

 

バランスはとても良いと感じましたが、

上位勢にとっては簡単すぎる印象も。

城東などの上位校を目指す生徒たちにとっては

少々物足りず、差がつきづらいものだと。

 

さぁ、出題予想も頑張ってアップしまーす!

ちゃん♪ちゃん♫

 

 

じゅくちょー
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それでは、今日はこのあたりで。失礼しま〜す!

2019年度『つばさ』の授業日程は、ここからご確認できます。

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