じゅくちょー

主語と述語は、テストのための文法用語ではありません。文の意味を支える、いちばん短い骨組みです。

「主語や目的語がない会話が多くて、何を言っているのかよくわからないことが多々ある」——徳島の教室で、保護者の方から実際によく伺う言葉です。会話でそうなら、文章ではなおさらです。

文章を正しく読み解く力の土台は、「主語・述語・目的語・修飾語」を見分けられることです。ここがあいまいなままだと、どれだけ漢字や語彙を覚えても、文の意味を正確につかめません。

この記事では、徳島で国語・読解を専門に指導する塾つばさが、4つの言葉の意味と「見つけ方」を、小学生にもわかる例文でやさしく解説します。あわせて、見分け方を知っているのにできない子が、どこでつまずいているのか——20年の教室で見てきた本当の原因もお伝えします。

まず結論:主語・述語・目的語・修飾語の役割一覧

文の成分答える問い例(太字が該当語)
主語誰が・何が妹がケーキを食べた
述語どうする・どんなだ・なんだ妹がケーキを食べた
目的語(※)何を・誰を妹がケーキを食べた
修飾語いつ・どこで・どんな・どのように・なぜ妹がおいしそうに食べた

※「目的語」は、実は日本語の学校文法では正式な分類ではありません(くわしくは後ほど解説します)。

主語とは?──「誰が・何が」にあたる言葉

主語は、述語に対して「誰が・何が」を表す文節です。見つけ方のコツは、先に述語を見つけてから「(何が)+述語?」と問い返すこと。たとえば「妹が ケーキを 食べた」なら、述語は「食べた」。「食べたのは誰?」→「妹が」が主語です。

注意点:主語を示す助詞は「が」だけではありません。「は・も・こそ・さえ・だけ」なども主語をつくります(例:「私 行く」)。また日本語は主語が省略されることが多く、語順が入れかわる倒置も起こります。

練習:次の文で、「支えてくれた」のは何でしょう?(『つばさ』作成の練習文)

帰り道、疲れて口数の減った弟の横で、夕焼けに染まる通学路だけが、明日も歩こうという気持ちを静かに支えてくれた。

述語は「支えてくれた」。「支えてくれたのは何が?」と問えば、答えは「通学路だけが」。「弟」「夕焼け」「気持ち」に目を引かれた人は、修飾語にだまされています。「だけが」のような形も主語をつくる——ここで差がつきます。

述語とは?──「どうする・どんなだ・なんだ」

述語は文の中心で、「どうする(動作)・どんなだ(様子)・なんだ(断定)・ある/いる(存在)」を表します。見つけ方は、多くの場合、文末にあること。まず文末を見て述語を確定し、そこから主語・目的語・修飾語を探すと、文の構造を整理しやすくなります。

目的語とは?──「何を・誰を」、そして日本語と英語の違い

「妹がケーキを食べた」の「ケーキを」のように、「何を・誰を」にあたる言葉を、一般に目的語と呼びます。

ただし、ここが国語の落とし穴です。日本語の学校文法では、文の成分は「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」の5つで、「目的語」という分類はありません。「〜を」「〜に」は、述語(用言)をくわしくする連用修飾語(対象を表す語)として扱います。「目的語(object)」は、もともと英文法の用語なのです。

検索では「主語 述語 目的語」と調べる人がとても多いため本記事でもこの言葉を使いますが、日本語として厳密には「対象を表す修飾語」だと知っておくと、英語学習にもつながり、理解が一段深まります。──この違いを区別できることこそ、国語の力です。

修飾語とは?──「いつ・どこで・どんな・なぜ」と「かかり受け」

修飾語は、他の言葉をくわしく説明する文節です。大きく2種類あります。

  • 連体修飾語…体言(名詞)を修飾(例:「赤い 花」)
  • 連用修飾語…用言(動詞・形容詞など)を修飾(例:「ゆっくり 歩く」)

国語で差がつくのは「かかり受け(係り受け)」──どの修飾語が、どの言葉にかかっているかを正しくつかめるかどうかです。たとえば「私は 笑いながら 逃げる 弟を 追いかけた。」では、笑っているのは「私」でしょうか、「弟」でしょうか?「笑いながら」がどこにかかるかで、文の意味が変わります。この“かかり先”を意識できる子は、複雑な一文も正確に読めます。

例文で、本当に「読めて」いるかを試す

言葉の役割がわかると、指示語や抽象的な言葉が「何を指すか」まで具体的につかめるようになります。次の文で試してみてください(『つばさ』作成の練習文)。

妹は、犬をこわがる。子犬でもだめだ。それなのに日曜日、公園で迷子の子犬を抱き上げて、飼い主を一時間さがし回った。母はその姿に、妹の中の何かが変わり始めているのを見た。

問1)「その姿」とは、誰の、どんな姿ですか? 問2)最後の文の主語「母は」に対する述語はどれですか?

答えは、問1が「(犬をこわがるはずの)妹が、迷子の子犬を抱き上げて飼い主をさがし回った姿」、問2が「見た」です。「変わり始めている」を述語に選んだ人は、かかり受けを取り違えています——それは「何かが」の述語です。主語・述語・修飾語の関係から抽象的な言葉の中身を特定する。これが読解の核心で、中学生でも正確に答えられないことがあります。

なぜ「主語・述語・目的語・修飾語」が分からないと国語ができないのか

国語が苦手な子の多くは、言葉の定義を「なんとなく・テキトー」で流す習慣がついています。「分かる」とは、突きつめれば「区別できる」こと。主語と修飾語を区別できなければ、「誰が・何を・どうした」を取り違え、文の意味そのものを誤読してしまいます。

当たり前すぎて見過ごされがちですが、ここが読解力・記述力・思考力すべての土台です。逆に言えば、ここを丁寧にやり直すだけで、国語の景色は大きく変わります。

見分け方を知っても、できるようにならない子へ

ここまでの見分け方は、教えればその場では正解できる子がほとんどです。それでも文章になると、また読めなくなる——20年の教室で見てきた本当の原因は、かかり受けの一歩手前にあります。

じゅくちょー

読解に課題がある生徒は、目で見た文章を正確に認識できていません。見慣れない言葉を「黒塗り」の状態のまま、読み飛ばしているのです。

文の中に「黒塗り」の言葉が残っている子は、主語をさがす以前に、文そのものが正確に見えていません。だから『つばさ』では、かかり受けの練習と同時に、語彙と音読で「見て認識する力」から鍛えます。この順序の全体像は「つばさ式読解メソッドとは?」で、土台になる語彙の育て方は「小学生の語彙力は『教える』より『考えさせる』で伸びる」でお伝えしています。

おうちで今日ためせる一つ:音読のとき、一文だけ止めて「今の文、誰が・どうした?」と聞いてみてください。すぐ答えられない文が、お子さんのつまずきの場所です。

主語・述語・目的語・修飾語に関するよくある質問

Q. 主語と述語の見分け方は?

A. 先に文末の述語を見つけ、「何が(誰が)+述語?」と問い返すと主語が見つかります。

Q. 目的語は日本語にもあるの?

A. 日本語の学校文法に「目的語」という成分はなく、「〜を・〜に」は対象を表す連用修飾語に分類されます。「目的語」は英文法の用語が一般に使われているものです。

Q. 修飾語と被修飾語の関係(かかり受け)とは?

A. 修飾語がどの言葉を説明しているか、その対応関係です。かかり先を取り違えると文の意味が変わります。

Q. 主語・述語がわからない子は、どうすればいい?

A. 一文ずつ「誰が・どうした・何を」を声に出して確認する練習が有効です。それでも直らない場合は、語彙や文字認識——「見る力」——でつまずいている可能性があります(つばさ式読解メソッド参照)。

阿部 翼(あべ つばさ)/徳島国語英語専門塾つばさ 塾長。指導歴20年超・認定心理士・3児の父。著書『自学力の育て方』(KADOKAWA・共著)ほか。Google口コミ★4.8。

徳島の小4〜小6の保護者の方へ

お子さんが主語・述語のどこで止まっているのか——語彙か、視認か、かかり受けか——を、『つばさ』の無料「語彙力診断・読解力診断(カウンセリング)」で一緒に確かめられます。診断だけで終えていただいてかまいません。ご家庭でできることも、その場でお伝えします。

全国の方へ:塾長・阿部の著書『自学力の育て方』(KADOKAWA・共著)では、家庭でできる「分かる力」の育て方を紹介しています。

徳島市で「読解力」を育てる国語専門塾つばさ

この記事を読んだ保護者の方へ

徳島国語英語専門塾つばさは、徳島市で小学生(小4~小6)から「読解力」を育て、基礎学力テスト・上位公立高校受験を経て、大学受験まで一貫指導する専門塾です。