ホーム > つばさ式読解メソッドとは?

「計算だけはスラスラ解けるのが不思議なくらいなのに、算数の文章問題になると、書いてある数字を足したり引いたり、かけたり割ったりしてるだけ」。

「語彙力がないのは薄々感じているけれど、実際どれだけないのかも、測れない」。

徳島の教室で、保護者の方から20年以上聞き続けてきた言葉です。

つばさ式読解メソッドとは、文章を「なんとなく眺める」状態から「一語一語を正確に視認する」状態へ引き上げることを出発点に、語彙・音読・手を動かす読解の3つを毎回の指導でくり返す、徳島国語英語専門塾つばさの読解指導法です。センスは、いりません。

ただ、メソッドの紹介文というものは、いまや AI でいくらでも「それっぽく」書けてしまいます。だからこのページは、ふつうの紹介の形をやめて、つばさが教室で「何をしないと決めているか」の順で書きます。しないことの理由にこそ、その塾の本体が出るからです。

しないこと1|「論理の型」から、教えない

世の読解メソッドの多くは、論理から入ります。言いかえ・対比・因果の型(ふくしま式)、接続語や具体例を目印に筆者の主張をつかむ読み方(出口式・論理エンジン)。どちらも本物で、優れた方法です。

それでも、つばさはそこから教えません。理由は、答案ではなく、生徒の目の動きを20年見てきたからです。

じゅくちょー

読解に課題がある生徒は、目で見た文章を正確に認識できていません。見慣れない言葉を「黒塗り」の状態のまま、読み飛ばしているのです。

本人は「読んだ」と思っています。けれど、知らない言葉・あやふやな漢字が、黒く塗りつぶされたまま目を素通りしている。文章の3割が黒塗りの子に論理の型を教えるのは、字が見えていない子に速読を教えるのと同じです。

読解の研究には「読解力=解読する力 × 言葉を理解する力」という有名な整理があります(Simple View of Reading:Gough & Tunmer, 1986)。かけ算なので、片方がゼロに近ければ、もう片方をどれだけ鍛えても答えは大きくなりません。論理の型はかけ算の右側。つばさ式は、多くのメソッドが「できている前提」で素通りする左側——見て認識する力——から鍛えます。

しないこと2|学年どおりの教材から、始めない

つばさでは、高校進学後の生徒でも、小学3年生向けの教材『小学3年生からはじめたい語彙力アップ1300』から語彙チェックを行います。

プライドを傷つけそうな判断に見えるかもしれません。それでもやるのは、言葉をまず3つに分けたいからです。「知っている」「知っていると思い込んでいた」「知らない」。伸びない子の読解を止めているのは、真ん中——思い込み——です。これが黒塗りの正体で、本人にも保護者にも見えません。学年どおりの教材では、この層が検査をすり抜けます。

あぶり出した言葉は、三語短文にします。6つの語から3つを全部使って、30字以内の一文を作る。知っているだけの言葉は、文にしようとすると使えません。使えて初めて、黒塗りは「読める言葉」に変わります。塾に来たら必ず取り組む、必須課題です。

しないこと3|「たくさん読みなさい」と、言わない

量を読ませても、黒塗りは消えません。黒塗りのまま速く眺める練習になるだけです。

代わりにやるのが昇段式音読です。『昇段式漢字トレーニング』の学年配当漢字だけで作られた例文72文を、タイムを計って音読します。1回目105秒、2回目95秒、3回目85秒のタイムクリア制。3回クリアしたら、漢字書きの満点チェックテストへ進みます。

数字で区切るのには理由があります。声に出して詰まる場所が、そのまま黒塗りの場所だからです。目で見た言葉を、脳で認識し、口でアウトプットして具体化する——この回路を秒単位で速くしていくと、黙読のときにも一語一語が「見える」ようになります。つばさ式がねらう文章の高速認識化です。音読の流暢さが読解の理解度と強く結びつくことは、読みの研究でもくり返し確認されています。

しないこと4|頭の中だけで、解かせない

正確に見えるようになったら、いわゆる「読解」です。ここでつばさが教える姿勢は、一つだけです。

「目で読むな。手で読め。」
センスはいらん。いるのは、手の動かし方だけ。

本文より先に設問を読み、何を聞かれているかを□でかこむ。字数や答え方の条件に線を引く。手がかりに印をつけ、答えを書いたら指でたどって確かめる。

人は、頭の中にいくつもの情報を同時に置き続けるのが得意ではありません(作業記憶の限界:Miller, 1956/Cowan, 2001)。手で読むとは、覚えておく仕事を紙に任せて、考える力を答えづくりに残す工夫です。気合いではなく、脳の仕組みに合わせた読み方です。

しないこと5|丸つけを、子どもに任せない

つばさでは、全答案を講師が採点します。手間の話ではなく、これも読解指導の一部だからです。「わかったつもり」は、本人の丸つけを必ずすり抜けます。

そして答えが合っていても、そこで終えません。口頭試問——「なぜそうなったの?」——で、理由を自分の言葉で言えるまでを一問と数えます。自分の理解を自分で監視する力(モニタリング)は、認知心理学の読解方略研究でも中核に置かれる力です。国語30分必修の時間で、これを毎回まわします。

整理すると──他のメソッドと、順序が違う

メソッド主に鍛える段階前提にしていること
ふくしま式論理の型(言いかえ・対比・因果)語彙と文字認識はできている
出口式・論理エンジン文章の構造(主張・接続語・具体例)語彙と文字認識はできている
読解方略(心理学)読み方の作戦と自己モニタリング解読は自動化されている
つばさ式「見て認識する」段階から(語彙×音読×手で読む)前提にしない。ここから鍛える

つばさ式は、ふくしま式や出口式を否定しません。順序の話をしています。黒塗りが残ったまま論理の型を教えても、かけ算の答えは大きくならない。先に「見る力」を作り、その上で論理へ。読解が苦手な子から上位校を目指す子まで、同じ教室で伸びていくのはこの順序のためです。

おうちで今日ためせる3つ

1つめ。音読を1分だけ聴いてください。詰まった言葉・読み飛ばした言葉が、お子さんの「黒塗り」です。指摘せず、「この言葉、どういう意味だと思う?」と聞くだけで十分です。

2つめ。問題を解くときは、本文より先に設問を読ませてください。「何を聞かれているか」を□でかこむ。これだけで答案は変わり始めます。

3つめ。覚えたての言葉で、短い一文を作らせてみてください。作れたら、その言葉はもう黒塗りではありません。

よくあるご質問

Q. 国語のセンスがない子でも、読解は伸びますか?

A. つばさ式が鍛えるのは、センスではなく「見て認識する力」と「手の動かし方」です。どちらも練習で身につく技術です。伸びない場合はまず、語彙・視認・設問の読み取り・答え方のどこで止まっているかを特定します。

Q. ふくしま式や出口式の問題集を家でやっています。むだになりますか?

A. むだになりません。どちらも優れた教材です。ただ、取り組んでいるのに伸びない場合は、その手前の「見る力」——語彙と文字認識——で止まっている可能性があります。つばさ式は競合ではなく、それらの教材が効き始めるための土台づくりです。

Q. 家庭では、何から始めればいいですか?

A. 上の「おうちで今日ためせる3つ」から1つだけで大丈夫です。土台になる語彙の育て方は「小学生の語彙力は『教える』より『考えさせる』で伸びる」で詳しくお伝えしています。

Q. 診断だけ受けて、入塾しなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。無料の語彙力・読解力診断では、お子さんがどの段階で止まっているかを一緒に確かめ、ご家庭でできることをその場でお伝えします。診断だけで終えていただいてかまいません。

読解力は、センスではありません。「見て認識する力」の練習量です。
20年、徳島の教室でそれを見てきた者として、名前を出して、そう言い切ります。
──阿部 翼

阿部 翼(あべ つばさ)/徳島国語英語専門塾つばさ 塾長。指導歴20年超・認定心理士・3児の父。著書『自学力の育て方』(KADOKAWA・共著)ほか。Google口コミ★4.8。

まずは、お子さんの「黒塗り」を一緒に見つけることから

読解の指導は、どこで止まっているかの特定から始まります。語彙か。視認か。設問の読み取りか。答え方か。

つばさの無料「語彙力診断・読解力診断(カウンセリング)」で、お子さんの「いま」を一緒に確かめます。

たろー

自分の“いま”がわかったら、次に何をしたらええかも見えそうやな。