中学受験について

“Sensory integration” って何だろう?

 

“Sensory integration” とは、「感覚統合」という意味です。

「感覚統合」という言葉をご存知の教育者は、本当に限られます。

「子どもたちが、なぜある特定の学問が習得しづらいのか?」

この命題に学問的に理由を探っていくと、たどり着く領域です。

木村順さんの著書、育てにくい子にはわけがある―感覚統合が教えてくれたもの 」はオススメの本です。

 

じゅくちょー
じゅくちょー

どーも、塾講師歴17年、37歳3児のパパで認定心理士、じゅくちょー阿部です。

 

人間は、「感覚」が発達してから高次の学習へと至る!

 

以下の図をご覧ください。

人間は生まれた直後は、刺激(情報)を受け取る「感覚器官」は未発達です。

目は、明るさ程度しか感じることができません。

奥行きや形、モノとモノと境目なども、刺激を繰り返し受け取ることで「感覚器官」が学習し「違い」を理解できるようになります。

 

耳はお腹の中にいるときから「知覚」はできます。

ですが、生後6ヶ月ほどまでは、「聴き分け」はできません。

胎教が科学的に良いとされるのは、刺激を与え続けることで聴覚へ感覚の発達を促進することが考えられているからです。

もちろん、赤ちゃんによって差があって当然ではありますが。

 

そして、普通にしていてもよほどのことがない限り、赤ちゃんは「視覚・聴覚」の刺激を大きく環境から受けます。

そのことで、「視覚・聴覚」の発達は一般的には問題なく発達していきますが、基礎感覚とされる「前庭覚・固有覚・触覚」は、育ち方によって大きな違いをもたらします。

 

基礎感覚を鍛えることが、学習能力の向上に大きく左右する!

真ん中のLevel1の感覚は、基礎感覚が育ってから発達していきます。

Level2や3に進むほど、頭の「中」で処理する高次のものへ移っていきます。

眼振運動に関しては、すぐに確かめられますのでやってみてください。

くるくる回る椅子に座ってもらい、頭を前方に30度ほど傾けます。

20秒で10回転くらいのスピードで回してあげましょう。

 

回し終わったときにピタッと止め、すぐさまお子さんの目の動きを観察してください。

目が左右にわずかに振動しているはずです。

10秒以上揺れていたら正常範囲内かな?と思ってください(あくまで簡単な説明上の目安です。)

全然でない、すぐ眼振が無くなる子は、こういった回転の遊びをスピードをあげどんどん取り入れていきましょう。

私の家では、子ども用のトランポリンをリビングに置いてあり、事あるごとに子どもに遊ばせています。

10回転の前に『やめてー気持ち悪いー』という子には、少し頭を動かしたり目を動かしたりする遊びを取り入れてあげましょう。

 

頭の中には半規管という傾きを測る器官が3つあります。

なので一般的には三半規管と呼ばれ、これで3次元世界を認識してるわけです。

ちなみに、この三半規管の発達がなければ、頭の中で想像し立体的なものを知覚し想像することが難しいとされています。

 

回転によって半規管内に入っている内リンパ液をぐるぐる回してピタッと止めます。

すると慣性の法則で止まっているのに内リンパが回り続けるので、つられて目がくるくるまわります。

これを回転の後の眼の振動なので回転後眼振といいます。

 

ただ姿勢が悪くいつもくねくねしている子や運動が苦手な子などの一部には、物理的には内リンパはまわっているはずなのに目がきょろきょろしない子がいます。

これは、前庭覚が未発達なため、自身が止まっている状態であっても身体をくねくね動かし、感覚器官刺激を与え続けなければ、感覚的な平衡が保てないからだと考えられています。

姿勢がただ単純に悪いと子どもを責めるのではなく、その姿勢の悪さにも理由があるということを知っているだけで、子どもへのアプローチは変わってきますよね。

 

塾行う教育は、基本的には最終の産物を鍛えること!

 

塾や学校という教育機関では、感覚が統合された後に発揮できる高次の能力を高めます。

ですが、その前段階の感覚の発達に課題を抱えてしまっている子どもたちが多くいることも事実です。

その原因としては、身体を動かす『遊び』の量的な減少だと考えられています。

 

いかにテクノロジーが進み、学習効果が高い機器を使ったとしても、脳の感覚的な刺激という側面で切り取り分析すれば、いかに微々たる刺激しか脳に与えていないことが分かります。

ロボットに机から落ちた消しゴムを拾わせるプログラムを想像してみてください。

いくつのプログラムとしての指令が必要でしょうか?

まず、落ちたということをロボットが認知するためのプログラムだけでも想像を絶するものでしょう。

そこから、落ちたというわずかな音から、落ちた方向や距離を予測し計算。

首を曲げ辺りを見渡し、発見し、倒れないようにバランスをとりながら身体を傾け、手を伸ばし膝を曲げ、指を近づけ、どれだけ近づいたかの距離感覚を把握し、どれほどの力加減で摘まみ上げるかの指の加減をする。。。

手の能力一つにしても、握る・放す・掴む・つまむ・たたく・入れる・出すなどの遊びの量は減少しています。

微細運動能力・手と指先の能力は、脳全体の手が占める感覚範囲から考えても、無視はできません。

鉛筆の持ち方や筆圧の加減に課題がおありのお子さんと、何らかの関連があると感じませんか?

 

これで分かりましたね?

スマホやPC、ゲーム機や便利な機械などが悪いのではありません。

それらを経て高次の学習能力を得るためには、その前提となる感覚の統合がなければ、考えることはおろか、想像するという脳内での抽象的な処理も論理的な思考も育ちにくいのです。

刺激の量が少なくなればなるほど単調な環境となり、脳は適応を始めます。

そうすると、低刺激に適応した脳は極力多くの刺激を避ける傾向になります。

これが、「無気力」の始まりであることにどれだけの人が気づいているでしょうか?

 

子どもが小学校に上がるまでは、極力自然の中でめいいっぱい遊ばせることが重要です。

辺りを見渡してみてください。

人間が作ったものの中でしか、生きてはいませんか?

それは同時に人間の頭の中でしか、生きていないことになります。

人間が作っていないものの中で、少なくとも30分〜60分は遊ぶ。

そうするだけで、とんでもない量の刺激が感覚に与えられます。

 

もちろん、感覚統合が果たされた後には、本格的な高次の学習が必要ですけどね(笑)

ちゃん♪ちゃん♫

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それでは、今日はこのあたりで。失礼しま〜す!

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