2021年度 第二回基礎学「理科」の問題分析（１）

 

 

 

まずは本日より、

かなり大きな質的な問題傾向の変更があった理科から

問題分析を行なっていきます。

 

最初に、出題内容から確認していくことにしましょう。

会話文形式の問題が減り、

逆に実験から得られた情報を読み取り

そこから分かる新たな情報から答えを選ぶ

『思考力・考察力』を問う問題傾向へと

様変わりしていました！

 

個人的には非常に嬉しい変化ではありますが、

生徒たちからすると「ぎょっ」とするしかない問題でしょう。

いや、もしかすると

解いているときには「うんうん、分かる」と思いながらも

実際は全く違う解答を選んでいたとも予想されます。

 

思考停止型の暗記集中の学習をしているタイプの生徒さんは、

この問題の難しさも感じられないほどの変化であったかも知れません。

これは生徒だけの問題ではなく、

「指示・命令・確認」という声かけしかできない周囲の大人たちが

招いた学習方法の結果とも言えるはずです。

 

普段からの「対話」を通して、

「そこから何が分かるの？」

「なぜそうなるの？」

「根拠はどこにあるの？」

「その目的は何なの？」

というような対話が思考回路の『当たり前』となっていなければ

新時代の学力に対応することはできなくなったと断言できます。

子どもたちも変化を求められていますが、

大人たちや指導者たちこそ変化を求められているのです！

 

では、本日は生物分野から分析を始めることにしましょう！

 

博物館を見学した、ゆうかさんの記録。

〔生物の変遷と進化コーナー〕での内容となっています。

（１）魚類、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類の中で、最も古い地層から化石が見つかったと考えられるものは何類か。

このような問題はあまり目にしないですね。

進化の過程から考えると、魚類が最も序盤になるのは知っているはずです。

この知識と、最も古い地層からの化石というワードが結びつくかどうかとなっています。

答えは、「魚類」ですね。

（２）①次の文は、ゆうかさんが下線部aについてまとめたものである。（　A　）に当てはまる言葉は何か書きなさい。

　さまざまな脊椎動物の前あしや翼は、見かけの形やはたらきは異なるが、その基本的な作りは共通していた。これらは起源は同じものと考えられており（　A　）器官という。

これは簡単でした。

もちろん、答えは「相同」器官ですね。

（２）② ①の（　A　）の器官の組み合わせとして、最も適切なものを次のア〜エから一つ選べ。

ア　クジラのひれとカニのあし
イ　スズメの翼とチョウの羽
ウ　イモリのあしとイカのあし
エ　ヒトのうでとペンギンの翼

これは観点が重要なポイントです。

相同器官の話は、①の条件の中で「脊椎動物」と指定されています。

アは、クジラとカニ。（脊椎動物と無脊椎動物）
イは、スズメとチョウ。（脊椎動物と無脊椎動物）
ウは、イモリとイカ。（脊椎動物と無脊椎動物）
エは、ヒトとペンギン。（脊椎動物と脊椎動物）

ここに気づけるかどうかで、答えは別れたでしょう。

比べる箇所と箇所でなく、脊椎か無脊椎かで判断すれば簡単でした。

答えは、「エ」ですね。

（３）図１のように脊椎動物の前あしや翼のように見かけの形やはたらきに違いが生じたのはなぜか。「進化」という語を用いて、説明せよ。

これもなかなか難しい問題です。

「進化」という言葉には、実はセットで重要な言葉があります。

それは生息している「環境」です。

このように、何かしらの観点で考える際に

セットで付随する知識を土台として考えられるかどうかを

試しているような雰囲気ですね。

答えは、「それぞれの生息環境にふさわしい形に進化していったため。」ですね。

（４）① 下線部bについて、次の文は、この脊椎動物の特徴についてゆうかさんが調べたことをまとめたものである。（　A　）、（　Ｂ　）にあてはまる言葉を答えよ。

　羽毛や翼があるなど現在の（　Ａ　）類の特徴を持っている。一方、翼の中ほどには、3本の爪があり、口には歯があるなど現在の（　Ｂ　）類の特徴を持っている。

この問題は簡単でした。

羽毛と翼という特徴から、（　A　）は、「鳥（類）」ですね。

爪と歯の特徴から、（　Ｂ　）は、「は虫（類）」となります。

（４）② この脊椎動物の名称は何か。

これは、瞬殺です。

答えは、「始祖鳥」ですね。

 

ちょっと忙しく、時間もなかなか取れませんので、

今日はここまで！

ちゃん♪ちゃん♫

 

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