基礎学力テスト

令和2年度:第二回基礎学力テスト英語の問題分析(3)

 

さぁ、本日で英語の問題分析&解説も終了です。

残り2つの長文大問6と大問7です。

英作文の課題がある大問6。

ラストの長文は少し面白い問題もありました。

では、みていきましょう!

 

じゅくちょー
じゅくちょー
どーも、塾講師歴18年、38歳3児のパパで認定心理士、上位公立高校受験・国公立大学受験専門塾、じゅくちょー阿部です。

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大問6:プレゼン原稿(186語)

 

昨年のスピーチ原稿は204語。

少しだけ短くなっています。

ですが問題傾向はほぼほぼ同じで、

条件英作文が大問5ではなく大問6に入ってきました。

カナダから来たALTのリサ先生の生徒向けのプレゼン原稿です。

(1)は、適文補充箇所を指摘する問題

「Learning English will help you then.」
(そのときに、英語を習得していることがあなたの助けとなるでしょう。)

選択箇所は4箇所。

その前後の文から推測は可能です。

ですが、200語以内の短い文は、ミスの可能性が大きくなる部分読みは避けておいた方が無難です。

さっと、全文に目を通した上で、続く問題にも対処した方が良いでしょう。

一段落目は、英語を学ぶ意味に関する導入部分。

二段落目は、自分の体験談。

三段落目は、英語の学ぶことで得られるプラス面。

四段落目は、まとめ:英語学習を楽しんでね。

答えは、三段落目の後半部分となる「ウ」ですね。

 

(2)は、スピーチのタイトルとして相応しいものを選ぶ問題。

ア: The Reason for Learning English
  「英語を学ぶための理由」
イ: My Experiences in France and Japan
  「フランスと日本での私の経験」
ウ: The Most Popular Languages
  「最も人気の言語」
エ: Going Abroad in the Future
  「将来、海外へ行くこと」

全文に目を通していれば、「ウ」と「エ」ではないことは明らかでしょう。

では、「ア」と「イ」の見極め方です。

英文には歴然とした作法があります。

初めと最後に主張とその結論を持ってくるということです。

途中には体験談は含まれていますが、それは自分の主張に説得力を持たせるため。

もちろん、答えは「ア」となりますね。

 

(3)は、条件英作文。

「授業後にリサ先生の英文に対する感想や質問を書くことになった。①〜③の内容をそれぞれ英文1文で書け。」

①英語を学ぶことは自分には難しい
②英語の勉強の仕方が知りたい

③リサ先生は日本語をどのように勉強したのですか

は、第二回基礎学恒例の「it構文」を使った英作文です。

“It is hard(difficult) for me to study(learn) English.”

これで十分ですね。

は、「疑問詞+ to不定詞」の決まり文句。

“I want to know how to study English.”

簡単ですね。

は、ここは「状況判断」が求められる問題。

“How did you study Japanese?”

ここで、「リサ先生は〜」とあることでミスが多発しました。

この文章を読む相手がリサ先生ですから、主語は “you” となります。

決して難しくはありません。

ですが、その会話の状況を判断せずに機械的に解いてしまう生徒を嘲笑うかのような良問ですね。

最後の問題に関しては、引っかかった生徒が多かったです。

主語の判断はいつも言っているのですが、文章上の主語は判断できても、文脈上の主語の判断はまだまだ練習が必要なのでしょうね!

 

大問7:「印象に残っている本」:新聞への寄稿文(420語)

 

昨年度は418語でした。

最後は本格的な長さの長文です。

内容はなかなかエモーショナルなもので、昨今の長文では一番好きな感じです(笑)

自分の国籍というものがどこにあるのかという不安を、

自身の歩みの中で解消していくというもの。

このエモい文章に感動してくれる英語力があれば嬉しいですね!

(1)は、いつも通りの、英問英答から始まっています。

(a) “Were Sakura’s father and mother from America?”

「さくらの父母はアメリカ出身ですか。」と問われています。

5行目に、“Her father and mother were from Tokushima.”と記載。

答えは、“No, they weren’t.” となります。

 

(b) “What language did Sakura use at school?”

「さくらは学校では何語を使っていますか。」

二段落目の冒頭部に明確に書いてあります。

そして、疑問文の中に答えがほぼほぼ入っているわけです。

“Sakura” を “She” に換え、”use” を “used” にする

“She used English (at school).”

となり、中1中2の英文法で答えられる簡単な問題でした。

 

(2)は、内容正誤選択問題。

以下の文章のように思った理由として相応しいものを選ぶものです。

“She didn’t feel she was Japanese because ~.”

「彼女は自分が日本人であると感じてはいなかった。」

その理由は、下線部直前の10行目の文章から読み解けます。

ア: she wasn’t born in Japan like her father and mother.
イ: she couldn’t express her feelings in Japanese.
ウ: she had to work when she was a junior high school student.
エ: she didn’t know cherry blossoms and she learned a lot from newspapers.

答えは、「イ:日本語で自分の気持ちを表現できないから」となりますね。

 

(3)は、適文補充問題。

下線部について、あなたがさくらさんならどのような質問をするか、あなたからさくらさんのお母さんへの質問として、5語以上の英文1文で書け。

“Then Sakura asked her mother more about cherry blossoms.”
「さくらさんはお母さんに、もっと桜について尋ねました。」

ポイントとなるのは、本文中に書かれていることを尋ねてしまってはアウトということ。

前文に目を通しておくと、

  • 日本語で「さくら」ということ
  • 日本人は「桜」が大好きだということ

意図的だとは思いますが、これくらいしかお母さんは説明していません。

ということは、お母さんに尋ねる「桜についての情報」としては、アレが残っていますよね?

“Which season can sakura be seen in Japan?
「いつの季節に桜は日本では見られるの?」

これで完璧ですね!

もう少し簡単な文で書くならば、

“When do Japanese people see sakura?”
「いつ日本の人々は桜を見るの?」

と、中1レベルの疑問文でも十分ですね。

 

(4)は、感想文完成問題。

さくらさんの英語新聞を読んだクラスメイトが、特に印象にの買った部分の要点をまとめた英文の一部の( a ), ( b ) に適する語を、本文中から抜き出し、ぞれぞれ1語ずつで書け。

長さは、74語とここにきてなかなかの長さのものが出てきます。

“I Am Sakura” was written by Sakura Ota.  She wrote many poems in her book.  She was born in America but she felt Japan was her home country, too.  She often asked herself a question, “Am I Japanese or Americans?”  She found the answer when she was ( a ) years old.  Her answer was “I am Sakura.”  She found that she didn’t have to worry about her nationality.  She was happy to have two ( b ) countries.

4段落の23〜25行目に彼女の疑問への答えが見つかります。

“When she was forty-seven years old, she finally went to Japan.  It was spring.  She saw cherry blossoms in Tokushima and found the answer to her question.”

( a ) の答えは、“forty-seven” となります。

 

( b ) の答えの箇所は、長文下部にある著者の言葉の中に見つかります。

“I am very happy because I have two home countries.”

ということで、( b ) の答えは、“home” ですね。

 

(5)はラスト、内容正誤問題。

正しいものを2つ選ぶ問題です。

去年の第二回のここの問題は、全て”Yuko”から始まる特徴的な選択肢でした。

今回も、全て”Sakura”から始まる選択肢です。

ですが、かなりひねった設問を用意したな、という印象で『良問』だと思います。

ア: Sakura used Japanese when she talked to her friend at school.
イ: Sakura could speak and write Japanese well because she learned it from her father.
ウ: Sakura read Japanese newspapers to study Japanese after her work every day.
エ: Sakura wrote her book in Japanese and English when she was sixteen years old.
オ: Sakura could write beautiful poems because she lived in both Japan and America.
カ: Sakura visited Tokushima to see .cherry blossoms before writing her book, “I Am Sakura.”

「ア」は、日本語は学校では使っていない。  

「イ」は、日本語の読み書きはできるが、決してうまくはないし理由が違う。

「ウ」は、4段落の2行目にしっかりと書いています。

「エ」は、彼女が本を書いたのは49歳のとき。

「オ」は、答えっぽいけど、日本には住んでいない。書かれているのは、両国を愛しているということ。非常に良いだまし設問ですね!

「カ」は、(4)の( a ) を解くときに見た内容ですね。ですが、日本に来たけど徳島までは来ていないと思った人もいて、「オ」を選んでしまった子もいたようです。 

答えは、「ウ」「カ」ですね!

 

総括:難しくはない、所々に良問があるという印象

 

全体的に考えれば、やはり「簡単」だと言えると思います。

ですが、策問者の意図として「ちゃんと文章を隅々まで読めよ」というものが伝わってきます。

新学力時代のキーワードである「読解」に相応しい問題だと思います。

 

逆に、上位校を目指す生徒にとっては

80点を下回ると危険水域だと感じるレベルの問題です。

時間が足りないのであれば、なぜそうなったのか?

3回に渡る分析&解説を見て、何が原因だったのか?

自分の課題を見つけた上で、第三回に向けて対策を講じていきましょう!

 

がむしゃらさは大切ですが、意味のない努力にならないように

しっかりと分析をした上で、ど必死で対策していきましょうね(笑)

ちゃん♪ちゃん♫

 

 

じゅくちょー
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それでは、今日はこのあたりで。失礼しま〜す!

2019年度『つばさ』の授業日程は、ここからご確認できます。

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