本日は、地学の分析です。
前回の生物は簡単でした。
地学はどうでしょうかね?
早速見ていくことにしましょう!
大問3【中1地学】:火成岩のつくりとでき方
中途半端な知識では、のっけから正解できないタイプの問題でした。
ですが、決して難しいというわけではなく、あくまで「基礎基本」です。
教科書内容に忠実に知識を高めている生徒にとっては、楽勝だったでしょうか。
火成岩について、次の[モデル実験]を行い、火成岩のつくりとでき方について考察した。次の問いに答えなさい。 [モデル実験] ① 図1のように60℃の湯100gにミョウバンをとかした濃い水溶液を2つのペトリ皿A, Bに分けて、両方とも50℃の湯につけたままゆっくりと冷やした。 ② ペトリ皿Aは途中で氷水に移し、ペトリ皿Bはそのままにして、ペトリ皿A,Bのようすを観察した。 |
(1)[モデル実験]の結晶のようすを実際の火成岩のつくりと比べると、ペトリ皿A、Bはそれぞれ図2のア〜ウのどれにあたるか。
示された図2は、
「ア:堆積岩」「イ:等粒状組織」「ウ:斑状組織」
が示されていました。
図で示されたものが、
意味として理解して上記のような言葉に変換できない生徒は
予想以上に多いことを理解できている策問者ですね。
この形式の問題となると、途端にできなくなる生徒はわんさかいます。
ペトリ皿Aのほうは、急激に冷やしています。
よって、斑状組織となって鉱物が生成されます。
Bは、その逆の等粒状組織となります。
よって答えは、「A:ウ」「B:イ」ですね。
いい問題です。
(2)[モデル実験]をもとに、火成岩のつくりについて説明した次の文が正しいものになるように、( ① )、( ② )に適する語を書け。
[モデル実験]では冷え方のちがいによる結晶のでき方を調べている。その結果、比較的大きな結晶ばかりが見られるのは、火成岩の( ① )組織のモデルである。また、大きな結晶が細かい粒に囲まれているのは( ② )組織のモデルと考えることができる。
(1)の問題が、「理解できて解けている」のなら簡単ですね。
しかし、言葉の表現にだまされないように!
答えは、「①:等粒状(組織)」「②:斑状(組織)」です。
(3)図3のように少量の火山灰を蒸発皿に入れ、水を入れた後、指で押し洗いを行い、水を取り替える作業を何度か繰り返し行った。よく乾燥させて、火山灰からX〜Zの3種類の鉱物を取り出した。
X:無色か白色で、不規則に割れる鉱物。
Y:白色かうす桃色で、決まった方向に割れる鉱物。
Z:決まった方向にうすくはがれる黒色の鉱物。① Xの鉱物は何だと考えられるか。
② この火山灰と同じマグマからできたと考えられる火成岩のうち、[モデル実験]のペトリ皿Aにあてはまるつくりの岩石の名前を書け。
③ ②の岩石は、マグマがどのような場所でどのように冷えて固まったと考えられるか、書け。
①の問題は、直前の授業で生徒に伝えていた内容がドンピシャで当たりました。
『つばさ』の生徒たちはよくできたのではないかと期待しています(笑)
「X」と「Y」は、無色鉱物のうちの「石英」と「長石」となります。
そして、不規則に割れる性質は「石英」です。
ちなみに、「Y」は「長石」で、「Z」は「黒雲母」ですね。
②では、Aは急激に冷えて固まってできた鉱物ですから、
火成岩のうちの「火山岩」であることがわかります。
そのうち、
白っぽい:「流紋岩」<「安山岩」<「玄武岩」:黒っぽい
ようになっています。
石英・長石・黒雲母といえば、
もちろん答えは「流紋岩」ですね。
これもなかなかいい問題です。
そして最後の③ですが、
これは今までの解説でも何度も書かれています。
どのような場所:「火山の地表付近」
どのように:「急激に冷えて固まった」
となりますね。
生物のように、単純に一問一答という感じの問い方ではない
知識確認問題でした。
良問といえるでしょうね。
大問7【中2地学】:天気図の変化
連続した3日間の天気図A、B、Cを示した、天気の変化を問う問題です。
比較的長めの記述問題が、ここでようやく登場という印象です。
難しい問題が1問ありました。
では、見ていきましょう!
(1)図1の天気図は日付順に並んでいない。図1のA〜Cを、日付が早い順に並べよ。
(2)(1)のように答えのはなぜか。「低気圧や前線は…から。」の…にあてはまる内容を書いて、文を完成させなさい。
(1)の解説が、そのまま(2)の答えとなるので、一色単に解説します。
(2)の解答指示の通りに説明すると、
「低気圧や前線は」大陸の偏西風の影響を受けて、
西から東へと移動していきます。
A〜Cに示されている天気図の中の前線を伴う低気圧が、
西から東に動いている順番に並び替えればいいだけなので、
答えは、「B→C→A」となりますね。
(2)の答えは、途中で書いた、
「低気圧や前線は大陸の偏西風の影響を受けて、
西から東へと移動していくから。」
でOKですね。
お得な問題でした。
(3)図1のA中に示したX点の3日間の天気の変化を表した文として、最も適切なものをア〜エから1つ選び、記号で書きなさい。
ア:3日間ともおだやかに晴れた日が続いた。
イ:前線の移動に伴い、くもりから雨となったが、3日目は晴れた。
ウ:3日間ともに雨の多い、ぐずついた天気となった。
エ:初日は晴れていたが前線の影響でくもりがちになり、3日目は雨となった。
これはなかなか手強い問題でした。
難しいというよりも、
天気図を見てこのような天気の変化を考える問題に
慣れていないというのが正直なところでしょう。
(1)の順番の天気図から、前線付近の天気用図記号を見て判断し
上記の記号の中から該当するものを選ぶ問題です。
よって、(1)を間違っていればそもそも正解できませんし、
勘で(1)が正解できても、ここでの正答は難しかったでしょう。
答えは、「イ」ですね。
なかなかの良問だったと思います。
(4)図1のCの日の地点ア〜エで、最も風が強いと考えられる点を選び、そう判断した理由を「等圧線」という語を用いてかけ。
こはベタな問題です。
むしろ、「等圧線」という指定語句がなくても良かったのではないかと感じます。
答えは、「ウ:等圧線の感覚が一番狭くなっているから」ですね。
(5)標高が0mの地点で図2のように、ガラスコップにゴム膜をかぶせ、ゴム膜がピンと張った状態になるようにふちを輪ゴムでとめた。このコップを標高2000mの場所に移動したとすると、ゴム膜の状態はどのようになると考えられるか、解答用紙の図に書け。
原理を問う問題ですね。
地表の気圧は1気圧。
標高2000mでは、気圧は下がる訳です。
よって、コップの内の気圧のほうが外気より高いので、
外気を押しのける訳ですね。
よって、膨らみます。
よって、答えは「図:膜が膨らんでいるような図示」となります。
地学講評:まずまずの難易度!?
生物と打って変わって、
原理を問う理解型の知識系問題が多い印象でした。
簡単には解けないものもありましたが、
やはり「基礎基本≠簡単なもの」という認識があり
「基礎基本=最も重要なところ」
という認識で学習ができている生徒にとっては
逆に簡単な問題とも言えるでしょう。
単純な一問一答系の問題で理科を対策していると
完全に足元をすくわれてしまったかもしれませんね。
加えて、過去問や対策教材だけで
教科書内容を疎かにしているタイプも
点数を取りこぼしてしまった可能性もあります。
教科書を照らし合わせて、
教科書の知識だけでなく背景とその原理原則を
理解しながら熟読するという基礎学対策も
重要になってくるのかもしれませんね。
ちゃん♪ちゃん♫
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