「うちの子、将来は医学部なんて……」と、半分冗談のように口にされる保護者の方がいらっしゃいます。そのとき、私たちは冗談にせず、こうお返しします。地元・徳島大学の医学部は、国立の医学科で日本一「共通テスト重視」の大学です——と。

結論から言うと、徳島大学医学部医学科(2026年度・前期)の配点は共通テスト900点:個別試験400点。総得点に占める共テの割合は約69%で、国立医学科では最も高い部類です。個別試験は数学200点・英語200点の2科目だけ。面接は点数化されず、合否判定の資料として扱われます。つまり、表の数字がそのまま「学力での勝負配分」です。

この記事では、全国の「共テ重視」医学科の一覧と読み解き方、そして——配点表からは見えない、徳島の教室で20年見てきた「届く子・届かない子」の分かれ目をお伝えします。

「共テ>個別」の国立医学科は14校ある(2026年度・前期)

共通テストの配点が個別試験を上回る国立の医学科を、共テ比率の高い順に並べます。

大学共テ個別共テ比率個別試験の内容
徳島大900400約69%数学200・英語200(面接は資料扱い)
佐賀大640300約68%英80・数80・理80・面接60
宮崎大1000600約63%英200・数200・理200
旭川医科大570350約62%英・数・面接
山口大950600約61%英200・数200・理200
秋田大600400約60%英100・数100・面接200
富山大1000700約59%英・数・理+面接
福井大1000700約59%英・数・理+面接
山形大950700約58%英・数・理+面接
鳥取大920700約57%英・数・理+面接
島根大930720約56%数300・英300・面接120
琉球大1000800約56%英・数・理+面接
弘前大1050900約54%英300・数300・面接300
群馬大475450約51%英・数・理+面接

ほぼ拮抗しているのが香川大(700:700=ちょうど50%)と鹿児島大(925:920)。公立まで広げると、札幌医科大・奈良県立医科大・福島県立医科大あたりが50%前後です。

表を読み解く3つの注意点

① 「個別」に面接点が含まれる大学が多い。たとえば弘前大は個別900点のうち300点が面接です。学科試験だけで見れば共テ1050点:学科600点で、実質は徳島大に近い共テ偏重型。逆に徳島大は面接が点数化されないため、数字をそのまま読めます。

② 科目数とセットで見る。徳島大の個別は英語・数学の2科目のみ。佐賀大は個別1科目あたりの配点が薄い。共通テストで貯金を作り、少数科目で守り切る設計です。配点は「どんな受験生に向くか」の設計図でもあります。

③ 後期日程は別のゲーム。2026年度は旭川医科大・山形大・佐賀大が後期を廃止しました。残っている大学の後期は共テ比率が7〜9割と極端に高く(名古屋大の後期は個別の学科試験がなく実質共テ100%)、共テ高得点者の出願先として別枠で考えるのが定石です。

「英語で受かって、国語で落ちる」──配点表に出ない分かれ目

ここからは、配点表のどこにも書かれていないことを書きます。徳島の教室で20年、医学科を目指す生徒たちを見てきた塾長・阿部の言葉です。

「点数が届かなければ薬学部にします」——そう言う生徒は、最後に医学科へ届かないどころか、薬学部にも届かないことが多い。目標を下げた瞬間に、積み上げの質が変わってしまうからです。

「英語で受かって、国語で落ちる」
——そんな事例を、何度も見てきました。

深く言葉を解釈できる生徒は、問題も深く解釈できます。問われていることの解像度が高いから、正答率が上がる。逆に、共テの配点率が高いからと共テだけの対策をしてきた生徒は、最終的に届かないことがあります。そして、二次対策までしっかりやってきた生徒ほど、結果的に共テの得点率も高くなる——これが、教室で繰り返し見てきた傾向です。

共テ69%という数字を見て「共テ対策に全振りしよう」と読むのは、この表のいちばん危険な読み方です。配点は出願戦略の話であって、学力のつくり方の話ではありません。

合格はゴールではない──医学科スタッフの「留年率」の話

つばさのスタッフには、医学科で学ぶ現役の医大生がいます。彼らが口をそろえて言うのが、「医学科は、必修科目を一つ落としただけで留年になる大学が珍しくない」という進級の厳しさです。

実際、データがあります。文部科学省の公表資料(各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等)から計算された「実質留年率」(最低修業年限=6年で卒業できなかった人の割合。休学・退学等を含む)では、国立の平均は約12%。ところが大学差が大きく、山形大24.2%・島根大23.8%・琉球大18.9%・群馬大17.9%——およそ4〜5人に1人が6年で卒業できない大学もあります。逆に金沢大2.6%・鹿児島大3.0%という大学も。徳島大は15.8%です。

気づかれたでしょうか。留年率が高い側の大学は、上の「共テ重視」表の常連です。「配点的に入りやすい大学」と「進級しやすい大学」は、別の話。出願先を考えるときは、入試の配点と、入った後の6年間の両方を見る——これも、医学科の内側を知るスタッフがいる塾だからお伝えできることです。

共テ69%の入試は、「いつから」の勝負なのか

二次逆転の余地が小さい入試は、直前の追い込みではなく、積み上げの勝負です。そして共通テストは年々、全教科で問題文が長くなっています。数学でも理科でも、まず問われるのは「長い文章を正確に読み取る力」——教科の学力の土台にある読解力です。

つばさは医学部予備校ではありません。徳島で小中学生に国語と読解を教える塾です。だからこそ、この配点表を「高3になってから考える話」ではなく、「小学生のいま、何を鍛えておくかの話」としてご紹介しました。「英語で受かって、国語で落ちる」子を、これ以上増やさないために。読解の土台づくりは「つばさ式読解メソッドとは?」でお伝えしています。

よくあるご質問

Q. 配点は毎年同じですか?

A. 変わります。弘前大は2025年度に二次試験が総合問題から英語・数学へ変わり、比率が大きく動きました。出願の判断に使うときは、必ず各大学の最新の募集要項でご確認ください。

Q. 共テ重視の大学は、どんな受験生に向きますか?

A. 全科目をむらなく積み上げてきた、共テ型の得点力がある受験生です。ただし「共テだけの対策」で届く入試ではありません。二次までの学力を作ってきた生徒ほど、共テの得点率も高くなる傾向を教室では見てきました。

Q. 徳島大の面接は合否に関係ないのですか?

A. 点数化はされませんが、総合判定の資料になります。「点にならないから軽視してよい」という意味ではありません。

Q. 医学部は、入ってからも大変ですか?

A. 大学によります。6年で卒業できない人の割合(実質留年率)は国立平均で約12%ですが、2〜3%の大学から24%の大学まで差があります。志望校選びでは入試配点とあわせて確認することをおすすめします。

阿部 翼(あべ つばさ)/徳島国語英語専門塾つばさ 塾長。指導歴20年超・認定心理士・3児の父。著書『自学力の育て方』(KADOKAWA・共著)ほか。Google口コミ★4.8。

徳島の小4〜小6の保護者の方へ

高い目標ほど、勝負は早く静かに始まっています。お子さんの読解の「いま」——語彙か、視認か、設問の読み取りか——を、つばさの無料「語彙力診断・読解力診断(カウンセリング)」で一緒に確かめられます。診断だけで終えていただいてかまいません。

出典:各大学2026年度入学者選抜要項/国公立大医学部入試科目配点一覧表2026年度版(iDeal)/文部科学省「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」(実質留年率は令和元年度入学者の集計・休学退学等を含む)。数値は2026年7月9日時点の確認。出願の際は必ず最新の募集要項をご確認ください。

徳島市で「読解力」を育てる国語専門塾つばさ

この記事を読んだ保護者の方へ

徳島国語英語専門塾つばさは、徳島市で小学生(小4~小6)から「読解力」を育て、基礎学力テスト・上位公立高校受験を経て、大学受験まで一貫指導する専門塾です。