本日は、大問2の随筆文の問題分析をします。
端的に、簡単でした。
では、簡単と感じるためにはどのような解き方が
求められるのでしょうか?
つばさ式の国語読解チックに今回も解説してみましょう!
大問2雑感:随筆『なにを食べたか』より:馬場あき子
ちょっと珍しく感じる光村図書出版からの出題でした。
内容としては、戦前と戦後の「新年の食事」事情を考察したもの。
それほど複雑なものではなく、
難易度としては簡単めで解きやすいものだったと感じます。
品詞や慣用句の知識を問うような4択問題はありませんでした。
ただ、例の如く
設問を正確に解釈し
問われていることを明確にし
解答すべき答えの型を考えた上で
本文を読むということをしなければ
若干難しくなる問題もあるように感じられました。
大問2-(1):口語文法の活用の種類・活用形を問う問題
傍線部「戻せ」の活用の種類と活用形をそれぞれ書きなさい。
本文の傍線部では、「戻せ(ば)」となっていました。
本文を確かめず、ここだけを見てしまうと答えが違ってきます。
「(〜すれ)ば」につながる活用形は、
もちろん「仮定形」です。
では、活用形を元に戻すと、
「戻せ→戻す」となります。
活用の種類を判断するためには、
うしろに「ない」をつければ分かります。
「戻す+ない」→「戻さない」
「ウ段」から「ア段」に変化しました。
よって、「五段活用」であることがわかりますね。
ごくごく標準的な問題と言えるでしょう。
大問2-(2):抜き出し問題
傍線部①「年明けの新年の食べ物」の記憶について、友人が比喩を用いて表現している一文を探し、初めの五文字を抜き出して書きなさい。
まずポイントは、
「友人が比喩を用いて表現している」
という部分です。
本文の中で友人が語っている段落を探し、
「新年の食べ物」を「比喩で表現している」一文を探すだけです。
筆者の友人のことに関する内容となるのは、七段落からです。
そこから「新年の食べ物」について言及している段落は
八段落の内容です。
「ゆで卵」を新年に食べたことを語っています。
そして、「黄身がぱっと明るく太陽のように光って見えた」
という一文が比喩の部分です。
よってその文章の最初の五字である
「一口がぶっ」
が解答ですね。
大問2-(3):抜き出し問題
傍線部②「大晦日もまずは南瓜を食べていたことだけはたしかである。」とあるが、なぜ「私」はそう思うのか。理由を説明している一文を探し、初めの五文字を抜き出して書きなさい。
今回も、初めの五文字抜き出し問題です。
まずは、傍線部の内容を解釈しておきましょう。
「まずは〜」とあり「〜たしかである。」で終わっています。
この表現から考えると、
「南瓜がどうあっても必ず存在した」
ということだけは分かります。
なぜなら、こんな表現はあまり考えられないからです。
「おせちでは、まずはフォアグラを食べていたことは確かだ。」
という表現はないでしょう。
なぜなら、一般的なおせちには入っていないものだからです。
「まずは」=「絶対入っているもの」と解釈する。
では、なぜ絶対南瓜が入っていたのか、という部分を本文から探すだけでOKです。
そうすると、南瓜という言葉が記載されるのは四・五段落ですから、
上記の理由となる表現を探すだけ。
五段落二行目:「十数個の南瓜が物置部屋にごろごろしていたからだ」が見つかります。
この文章の最初の五文字となる、
「収穫は意外」
が答えとなりますね。
大問2-(4):抜き出し問題
傍線部③「きっとこれらのうちの何かで年越しをし、新年を迎えていたに違いない。」とあるが、そう思う理由を次のようにまとめた。( Ⅰ )・( Ⅱ )に当てはまる言葉を、本文中から探し、それぞれ二字で抜き出して書きなさい。
釣り好きの父が、釣果として鮒や鯉、雷魚などの( Ⅰ )を持ち帰った。「私」が腸を抜き、母が焼いたものをからからになるまで干して( Ⅱ )していたため、大晦日のような特別な日には、から揚げや煮付けにしたのではないかと考えた。
非常にミスが多かった問題でした。
そもそもの原因として、設問を読み前後の言葉の関係性から
妥当な言葉を推測していないことが挙げられるでしょう。
嬉しくなって傍線部のすぐ近くにある
「釣果」を答えにした生徒が多かったです。
カッコのまえにわざわざ「釣果として〜」と書いてあります。
明らかに代入してみればおかしいとわかるはずなのですが、
それをしていないということなのでしょうね。。。
読解講座を受講したせいともこのミスをしたので悔しいです。
「釣果」以外の鮒・鯉・雷魚の共通項を探すと、
長文の最終段落付近に「川魚」が登場します。
傍線部の前後に答えがあると思い込んでいる呪いを
早く拭い去りましょう。
もう一つは、探さずとも妥当な言葉が浮かび上がります。
「〜からからになるまで干して〇〇していた〜」
明らかに「保存」でいいでしょう。
逆に、本文に「保存」を根拠として探しに行くぐらいとなりますね。
実に簡単な問題でした。
大問2-(5):抜き出し問題
波線部「大晦日の夜に何を食べたか。」について、中野さんは次のようにノートにまとめた。これを見て、あとの問いに答えなさい。
時期 食べたもの 昭和二十年の大晦日 南瓜・鮒・鯉・鯰・雷魚などの料理 去年の大晦日 ( a )のような定番の料理 今年の大晦日 ( b ) (1) ( a )・( b )に当てはまる言葉を、本文中から探し、それぞれ八字以内で抜き出して書きなさい。
(2)「私」が昭和二十年の大晦日に何を食べたかを思い出せなかったことについて、中野さんは次のように考えた。[ ]に当てはまる言葉を、「不安」・「飢え」の二語を用いて、三十字以上三十五字以内で書きなさい。
戦後の食糧事情は厳しく、[ ]日々を過ごした「私」にとっては、その日その日の食べ物を確保することで精一杯で、何を食べたかという記憶がなかったから。
(1)に関しては、特に解説の必要がないほどの簡単な問題です。
本文中から、去年の大晦日と今年の大晦日の言葉を探し出すだけで見つかります。
しかしながら( a )の「年越しそば」はいいのですが、
( b )の「手作りならぬ料理」は、言葉の意味が理解できず書き抜けなかった生徒も僅かながらいたようですが。。。
(2)に関しても用語の指示があることで、非常に解きやすくなっています。
「不安」→「どんな不安なのか?」
「飢え」→「どのような飢えなのか?」
本文から探してくっつければ良いわけです。
しかも、「〇〇日々を過ごした」に繋げるように文章の形態の型も決めてくれています。
「どんな不安やどんな飢えを経験した日々」
というフォーマットが用意されているわけです。
11段落に「不安」と「飢え」という言葉が書かれています。
「何か食べるものはあるのかという不安の中、飢えそのものを生きていた(日々)」
これで十分ですね。
解答の作りやすい問題でした。
大問2-(6):内容選択問題
A・Bの短歌に描かれている「私」の心情として、最も適切なものをア〜エから選び、記号で答えなさい。
A:つぎつぎに 魚裂きゆけば かなしさの 極まりて立つ 血潮のにほひ
B:一尺の 雷魚を裂きて 冷冷と 夜のくりやに 水流すなりア:ようやく戦争が終わり、安堵している気持ち。
イ:食糧難の中で家族の栄養を考える父への感謝。
ウ:久しぶりに家族のために魚を調理できる喜び。
エ:粛々と魚を裂くかなしみと切実な食への思い。
めちゃくちゃ簡単ですね。
まず、A・B共に含まれている心情を表す共通項を探さします。
なぜなら、それが問われているからです。
自分の感じたことなど、国語では1ミリたりとも問われません。
書かれていることを解釈することが全てです。
そうすると「A:かなしさの」という言葉と「B:冷冷と」という言葉が心情表現として合致します。
よって答えは明らかに、「エ」となりますね。
めちゃめちゃ簡単です。
随筆は明らかに簡単!?
大問2全体を通しても明らかに簡単でした。
どうしたのかと思うほどです。
まぁいつも通りに、問われていることに正確に答えること。
設問を徹底的に解釈しておくこと。
国語読解はまずはここからです。
明日は、古典の解説をしてみます。
大学受験も大忙しですので、アップが遅れそうですね。。。
頑張ります!
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