『2021年度 第一回基礎学「英語」の問題分析(3)』
さて、本日の分析は、大問5の長文問題です。
基礎学では基本的にA4の一枚に収まる程度の長文2問と
A4を2枚にまたがる本格的な長さの長文1問で構成されています。
最近の傾向としては、この初めの長文2問のいずれかが難しくなり、
時間がかかってしまう傾向があります。
さて、まず1つ目の長文は今年はどうだったのでしょうか?
早速見ていくことにしましょう!
大問5 長文問題
次の表は、みどり市の子ども防災イベントのポスターに書かれている案内の一部である。また、英文は、中学生のかおるさんと、留学生のノアさんがポスターを見ながら交わしている会話の一部である。これを読んで、(1)~(4)に答えなさい。
で始まる、ポスターという文章以外の情報も読み取って解き進めるタイプの長文です。
(1)会話が成り立つように( ① )に3語の英語を補って、正しい語順で英文を完成させなさい。
Noah : A special event?
Kaoru : Yes. It’s an event for children. Children can learn about “bosai.”
Noah : Oh, ( ① )about it before. “Bosai” is disaster prevention, right?
まぁまぁ、難しいですね。
解答に対して一切のヒントはなく、話の流れから完全に英作しなければなりません。
「前にそれ、聞いたことある!」
という日本語が思い浮かべば、
“I have heard(/learned)” が出てくるでしょう。
(2)会話が成り立つように( ① )に最も適切な英語を、ア〜エから1つ選びなさい。
Kaoru : Of course. We can experience the fear of natural disasters.
Noah : But I’m not sure I can understand Japanese.
Kaoru : ( ② )I’ll ask my brother to come. He can speak English well.
Noah : Thank you, Kaoru.ア:Yes, let’s.
イ:Take care.
ウ:Don’t worry.
エ:Here you are.
これは分かりやすい簡単な問題でした。
明らかに、「ウ」となりますね。
ですが、昔の問題の作りとはやはり少し違っており、
文脈を把握せねば答えが導けない問題にはなっています。
(3)かおるさんとノアさんの会話の内容と合うものをア〜エから1つ選びなさい。
ア:Kaoru and her brother are interested in the city’s event.
イ:Noah asked Kaoru to go to the event together.
ウ:Kaoru has had emergency food with her brother before.
エ:Noah will call Kaoru after talking with her brother.
アは、二人ともが興味を持っているわけではなく、かおるさんがノアさんにイベントを紹介していることから会話が始まっていることで、×。
イは、かおるさんがノアさんにイベント紹介しているのですが、実際に一緒に行こうと誘ったのはノアさんなので、◯。
ウは、かおるさんのお兄さん絡みで非常食うんぬんは一切書かれていないので、×。
エは、かおるさんのお兄さんとノアさんの絡みは全くないので、×。
よって、答えは「イ」となります。
(4)表に書かれていることのうち、かおるさんとノアさんの会話でふれられていない情報がいくつかあった。ふれられていない情報を1つ選び、あなたがノアさんなら、その情報を知るために、かおるさんに何と尋ねるか、英文1文で書きなさい。
これは案外、新傾向です。
表でふれられていること以外のことを尋ねる英作文ですので、
内容のチェックを挟むというクッション作業が入ります。
これ、やられると途端にできない子っているんですよね。
決して難しくはないのですが、
「めんどい」んです。
この要素が入るだけで正答率は下がりますから
不思議なものですよね。。。
表には、
- 日時(開始時間だけふれていた)
- 場所(これはふれている)
- 参加対象者(子ども対象だと冒頭に触れている)
- 持ち物(これには触れていない)
- 体験内容(防災鞄に入れるべきもの以外はふれている)
この中で、簡単に質問できる英作文としては、
“How long is the event?”
“What can I bring there?”
などが考えられますね。
この問題は、なかなかやるなと感じましたね。
大問5 考察
端的には、ラストの問題外は簡単です。
ですが、全文に目を通すということが習慣化されている生徒にとっては
楽勝だったかもしれません。
こう考えると、英語の問題が生徒たちに求めていることは
『早く正確に全文を読めるように!』
という共通テストと同じことだと分かります。
本当に時代は様変わりしてきましたね。
従来型のテクニックで対応できる時代とは
ガラリと音を立てて変わってきているのだと感じます。
さぁ、明日はもう一つの短めの長文分析です。
腰を労りながら頑張ります!
学校