本日は、国語の考察を。
端的に申し上げて、
この問題を解く指導を学校はしているの?
と、眉をひそめてしまうような問題だったかと。
特に前半の大問1と2が難しかった印象です。
どーも、塾講師歴17年、37歳3児のパパで認定心理士、上位公立高校受験・国公立大学受験専門塾、じゅくちょー阿部です。
大問1:漢字の読み書き・文法・熟語と行書の知識
塾内でも、漢字と語句に関しては結構対策をした生徒もいます。
その生徒でも満点は難しかったとのことです。
見てみましょう。
(1)は、漢字の読み。
a: 既知の事実。 b: 会議に諮る。
c: 流行が廃れる。 d: 崇高な理想。
b以外は、標準的な難易度だと感じます。
(2)は、漢字の書き。
a: 立派なコウセキ。 b: 荒野をタガヤす。
c: 司会をツトめる。 d: 家業にセンネンする。
aの「セキ」を「のぎへん」にしてしまった生徒が多いようでした。
(3)は、傍線部と同じ品詞のものを選ぶ文法問題。
「海洋の汚染は大きな問題である。」
a: あらゆる国が集結する。 b: 静かな部屋で学習する。
c: 大いに話し合う予定だ。 d: 小さい服を無理に着る。
さて、皆さんはお分かりになりますか?
まず「大きな」は、活用がなく「問題」という体言を修飾しているので、『連体詞』です。
次に、a~dが活用できるかを考え、何を修飾しているか判断すれば答えは見えます。
(4)は、熟語と行書の知識問題。
(□心・解□・対□・□算)
この□に入る漢字を「行書」で答える問題。
クイズのような雰囲気ですが、それほど難しい訳ではありません。
と、国語が苦手な生徒はこの大問1で心がやられてしまっているかもしれませんね。
大問2:小説『駒音高く』より:佐川光晴
感覚的には新傾向です。
傍線部のすぐ近くに解答が見つかるようなものではありません。
設問の意図を読み取り、前後関係から相応しい内容に『要約』する。
このようなレベルが求められる問題でした。
(1)は、文章内の季節を答え、その根拠の最初の四文字を抜き出す問題。
これは、本文に「クリスマス」という文言があるので、特に問題なし。
(2)は、会話並べ替え問題。
ア:「挽回できそうか?」
イ:「そうか。それじゃあ、もう休もう。ずいぶん、苦しかったろう。」
ウ:「どうした?」
エ:「そうか。それでも最後まで最善を尽くしてきなさい。」
挿入する前後の応答や、「背中をさすられて」という『ねぎらいの表現』を読み取って並べ替える問題。
イとエの順番をかなり悩んだ生徒も多かったと思います。
(3)は、四字熟語の知識問題。
「千差□□」
これは簡単と思いましたが、思いの外このレベルの熟語も知らない生徒が多いことに驚きました。
(4)は、傍線部の心情抜き出し問題。
「将棋自体が嫌いになりそうで」この心情に最も相応しい言葉を本文中から、以下の空欄六字で抜き出す問題。
●対局でミスを繰り返し□□□□□□を重ねて、将棋への自信と愛情を失いそうになった。
これもお膳立てがあり、さほど難しくなかったと思います。
(5)は、理由を二十五語以上三十字以内で説明する問題。
「プロを目指すのは、もうやめにしないか。」この理由を「祐也」「将棋」という語句を用いて説明します。
これは難問でした。
それは、文章内に解答になるようなそのままの文章はなく、その会話や内容から相応しい文章を構築する必要があったからです。
(6)は、表現技法を問う問題。
「ずっと頭を覆っていたモヤが晴れていくのがわかった」
ア: 擬人法 イ: 直喩法 ウ: 隠喩法 エ: 省略法
これも簡単でした。
(7)は、内容要約問題。
本文を読んだ感想文の二箇所の空欄に、(①)は本文中から七字で抜き出し、(②)は「対局」という語句を用いて十字以上十五字以内で書く問題。
①も②も比較的難しい訳ではありませんが、本文全体を読まずに解き進めるタイプは、かなり時間がかかってしまったかもしれません。
テクニックなどが通用しない、新学力に相応しい問題だったと思います。
ですが、こういう問題へのアプローチを、果たして学校は取り組んでいるのでしょうか?
時間をかけ過ぎてしまった生徒もいることが予想されます。
半分の総括:読解力+要約力も試される良問か?
生徒たちにとっては酷な問題傾向だったかもしれません。
ですが、これからの論理国語という科目のことを考えると、文章を論理的にそして総括的に読む点においては評価できるかもしれません。
逆に、国語の対策を普段からしていない生徒にとっては、国語で大幅に点数が下がったかもしれない難易度です。
まだ最高点が80点台ですから、90点を超える生徒がいてほしいかなぁ〜(笑)
ちゃん♪ちゃん♫
2019年度『つばさ』の授業日程は、ここからご確認できます。