生徒によくする話です。
「買ったばっかりのポケモンを始めた時に、ポケモン全種・全技・全アイテム・最高レベル・無限のお金が揃ってたら楽しいかな?」
生徒たちは口を揃えて、「興味はあるけど楽しくはない」と。
「ほな、なんで楽しくないの?」
「ほなって、やることないでぇ(笑)」
ゲームの楽しさの本質は、「成長」にあります。
テトリスであれ、パズドラであれ、モンストであれ、ドラクエであれ、「上手くなる=成長する」ことがゲームの楽しさの本質であるように、私は考えます。
であるならば、子どもたちは「成長に餓えている」ことになりますね。だからこそ、部活にも熱中できるのかもしれませんし、ゲームにも没頭できるのでしょうね。
特にゲームの場合、「成長ストーリー」の分かりやすさが「楽しさ」の決め手になります。サクサク自分の力を発揮でき、少し強い敵と出会い負けを知る。攻略のために修練を重ね、今日の敵である強敵を、過去の敵として確定させる連続。
強く成長するためには、敵と遭遇することが必須となり、行動し続けます。そして、蓄えたお金を最大限に使い、その時々の最強の武器を装備し、その装備で倒せる敵を倒す。
武器が強くなるほどに、倒せる敵も多くなり、得られる経験値もお金も多くなる。強くなる、経験値を貯める、目標を達成するルーティーンがゲームには明確にあります。
では、現実社会にこれを当てはめるとどうなるでしょうか?
- 生まれる
- 困難に出会う
- 強くなる
- できることが増えていく
- 学ぶ
- できないことに出会う
- 乗り越える
- 成長する
- お金を使ってスキルを身につける
- そのスキルでできることを増やす
- そのスキルで役立ち、報酬を得る
- そのスキルでもできないことに出会う
- もっとお金を使って別のスキルを習得する
- そのスキルで広く世のお役に立つ
- そのスキルに見合った報酬を得る
そうです、世の中も一緒なのです。
仮にお金が欲しくて世を生きるなら、お金を出してでもスキルを高めなければ、それに見合った報酬は得られません。
しかし、ゲームはもうちょっと現実社会に似て作られています。
『最強の武器は、最強の敵や、最高の困難からでなければ得られない!』
お金さえ払えば得られる武器では、戦い抜けないのです。
即ち、最高最強の困難に立ち向かうという『覚悟』が最高最強の武器となり、この『覚悟』こそが最高最強の『成長』への決め手になるのです。
安全安心で指一本でそれに取り組める疑似体験ができるもの、それがゲームです。
そりゃ、楽しくないはずがないですよね?
現実社会の中においても、このRPGゲームを『楽しむ』ためには、「人生の成長ストーリー」が、分かりやすく子どもたちに伝わっていなければなりません。
このようなことも生徒たちと一緒に考え伝えていく仕事も、塾は担っているのかもしれませんね。