『最先端の入試とは!?(2)』
大学入試共通テストまで、あと296日!
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昨日に引き続き、
劇作家の平田オリザ氏の講演の内容をシェアしようと思います。
本日は、名門と名高いお茶の水女子大学附属中学校での
入試方式に関することをお伝えいたしましょう。
お茶の水女子大附属中学の受験は、
他に例を見ない受験方式が魅力となっています。
同校は、「非認知スキル」を見るために
工夫を凝らした入試を実施しています。
まず本日は、そもそもの「非認知スキル」を定義しておくために
お茶の水女子大学の浜野隆教授の研究チームが発表した
「平成29年度全国学力・学習状況調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」
をご紹介しておこうと思います。
この調査は、全国学力テストの際に行われる学習状況調査の追加調査として、
保護者に対する調査を実施、分析し、家庭状況と学力の相関性を分析しているものです。
小中学生の保護者それぞれ七万人前後を対象とした大規模調査となっています。
これから記す内容は、すでに公表されている資料とともに、
平田オリザ氏が浜野先生から伺って補足した内容を含んでいるものです。
この調査において、2つの重要な言葉ができます。
それが、
・「SES」(家庭の社会経済的背景=Socio-Economic Status)」
「家庭所得」「父親学歴」「母親学歴」の三変数による合成指標を用いる。
・「非認知スキル」
IQや学力テストで計れる「認知できる能力」に対して、
測定が難しいが知識や思考力を獲得するために必要だと思われる能力全般を指す。
具体的には、集中力、忍耐心、やり遂げる力、協調性などなど、とにかく広範囲にわたる。
です。
OECD(※編集部注:経済協力開発機構)ではこれを、三つに分類しています。
- 目標を達成する力
(忍耐力、意欲、自己制御、自己効力感) - 他者と協働する力
(社会的スキル、協調性、共感性、信頼) - 情動を制御する力
(自尊心、自信、問題行動のリスクの低さ)
では、調査の内容を端的にまとめてみると
- SESが高ければ高いほど、学力テストの正答率が高い
- SESが高いと、学力テストの正答率のばらつきが小さい
- SESが低いと、学力テストの正答率のばらつきが大きい
- 中3よりも小6の方が、ばらつきが大きい
などが分かったのですが、注目すべきデータとしては
結論として、理論上は、
「SESが低くても高い成績を示している一群」に関して、
その理由を探れば、教育格差やそこから生じる負の連鎖を
断ち切るヒントが得られるかもしれないということになる。
浜野氏が着目したのが、「非認知スキル」だった。本調査では、
・「非認知スキル」は、
子供の学力にゆるやかな相関があり、小六の方が中三よりも学力との相関がやや強い。
・一方、「非認知スキル」とSESの間には、あまり相関が見られない。
・こうしたことから、SESの高低にかかわらず(SESが相対的に低い場合でも)、「非認知スキル」を高めることができれば、学力を一定程度押し上げる可能性がある(ただし、今回の分析では両者の間にゆるやかな相関があることが確認できたにすぎないため、この可能性がどの程度確かなのかはさらなる検討を必要とすることに留意)。
ということです。
さて、長くなったので本日はここまで。
次回は、お茶の水女子大学附属中学が
どのようにして「非認知スキル」を測る入試を
実践しているかをご紹介いたします。
ちゃん♪ちゃん♫
<続く>
学校