『2021年度 第一回基礎学「理科」の問題分析(2)』
今回は、前回の残りの「物理分野」と「生物分野」の分析を行います。
大問3 中2生物 消化と吸収
会話文形式ではなく、単純な語句の知識を問う問題形式でした。
ここはできて欲しいところです。
非常に簡単でした。
(1)図2の突起の名称を書け。また、この突起は図1のア〜オのどの器官で見られるか。
図2は、「柔毛」の断面図となっており、リンパ菅と毛細血管も描かれたイラストです。
よって答えは、「柔毛」:小腸の「イ」となりますね。
(2)図2のような突起があることにより、栄養分を吸収するうえで、どのような都合が良いかを書け。
これはベタな、ひねりもない記述問題です。
答えは、「表面積が増え、栄養分を吸収するためのが効率よくなる」で大丈夫です。
(3)次の文は、消化のしくみについて述べたものである。文中の( ① )にあてはまる言葉を書きなさい。
多くの消化液には( ① )が含まれている。( ① )は食物を分解して吸収されやすい物質に変える働きがある。
はい、もちろん答えは「消化酵素」ですね。
本当にひねりがありません。
(4)デンプンは最終的に何という物質に分解されるか書け。また、それは図2の(あ)、(い)のどちらの菅に入るか書け。
「最終的」に、と条件が書かれているのがポイントと言えるでしょう。
麦芽糖ではダメということですね。
そして、糖質・糖類は柔毛内の毛細血管の方に吸収されます。
ちなみに、リンパ管に吸収されるのはモノグリセリド・脂肪酸ですね。
よって答えは、「ブドウ糖」:(あ)となりますね。
(5)脂肪の消化を助ける胆汁はどこでつくられるか。適切なものを図1のア〜オから1つ選べ。
これはひっかけ問題のオードソックス問題。
ですが、ひっかけ先の回答となる「胆嚢」はすでに図1に表記されています。
胆嚢を図1に残しておけば、一定数のミスを誘発できるにもかかわらず、非常に親切です。
よって答えは、肝臓のアとなりますね。
ちなみに、肝臓には3つの働きがあると中学では教わります。
- 胆汁をつくる
- 栄養分を蓄える
- 有害なアンモニアを、無害な尿素につくりかえる
となり、絶対暗記項目の1つとなっています。
大問1 中1物理 光と屈折
中1物理範囲は「光」となりました。
凸レンズの問題ではなく、屈折がメインの問題です。
後半では少しひねった問題になってはいますが、それでも高難易度ではありません。
(1)図1のように、円筒形の容器を用意し、その底にコインを置きコインの左上をA点とした。この容器の斜め上の位置X点から容器の底を観察したが、このとき、コイン左上のA点は見えなかった。次に、容器内に静かに水を注ぎ入れ、X点から容器の底を観察すると、コインの左上が容器内のB点にあるように見えた。次の①、②に答えなさい。
①初めに見えなかったコインが、水を入れることによって見えるようになったのは、光の何という現象が関係しているか答えよ。
これは、親切すぎますね。
「光の何」まで書いてくれていますから。
答えは、「(光の)屈折」ですね。
②図1において、A点からでた光がX点の観察者まで届く光の道筋のようすを、解答用紙の図内に作図せよ。ただし、光の道すじは実線の矢印で表し、作図に必要な線は点線で表すものとする。
誰への配慮なのかは分かりませんが、問題文の中に間違いやすい矢印のことや点線の指示まで書かれています。
回答は下記の通り。
(2)図2のように「P」の文字を書いた紙の上に直方体の透明なアクリル水槽を置き、水を入れない状態で観察すると、「P」の文字が見えた。図3はそのときの水槽と目の位置Y点を横から見たようすを模式的に示したものである。次に、図4のように、この水槽に水を入れるとY点からは「P」の文字が見えなくなった。①、②に答えなさい。
①図4で、「P」の文字の中央からの光が進んだ道すじとして、最も適切なものを図4のア〜エから1つ選べ。
問題の条件として、「見えなくなった」という表記があります。
これは、光がアクリル板の表面で屈折せずに空気中に出なかった、という意味になります。
このような、文章中の言葉と知っている言葉の結び付けが非常に重要です。
よって、答えは、「ア」となります。
② ①で「P」の文字が見えなくなったことについて、このときにおこった光の現象を答えよ。
①で、光がアクリル板から屈折しなかったということは、「反射した」ということになります。
答えは、もちろん「全反射」ですね。
大問5 中2物理 電流が生み出す磁界
この問題は会話文形式となっていました。
再び令子さんと和夫さんの登場です。
最近流行りの、ミステリーボックスを使った問題で、思考力を問う問題となっています。
昨年の第二回にも出題されたような問題です。
比較的、全体の中では難易度は高めになっていました。
(1)下線部①のとき、A点の方位磁針のようすとして適切なものを図2のア〜エから1つ選べ。
①B点の方位磁針はさっきと向きが変わっていませんが、A点の方位磁針だけ向きが変わりました。
この言葉の意味は、右ねじの法則にしたがって北向きになっていたB点が同じく上向きの力を受けて、導線の上から下へと電流が流れたことを意味しています。
よって時計回りに磁界がかかることになり、答えは「エ」となりますね。
まずまずの良問です。
(2)下線部②について説明したものとして、適切なものを1つ選べ。
ア 電流の向きが上から下であり、上が+極側である。
イ 電流の向きが下から上であり、上が+極側である。
ウ 電流の向きが上から下であり、上がー極側である。
エ 電流の向きが下から上であり、上がー極側である。
先程の(1)の解説の通りです。
答えは、「ア」になりますね。
(3)図1の実験装置で、抵抗器の電気抵抗を大きいものに変えたとき、まっすぐな導線に流れる電流の大きさと周囲にできる磁界について説明したものとして適切なものをア〜エから1つ選べ。
ア 電流は大きくなり、磁界は強くなる。
イ 電流は小さくなり、磁界は弱くなる。
ウ 電流は大きくなり、磁界は弱くなる。
エ 電流は小さくなり、磁界は強くなる。
抵抗が大きくなれば、回路に流れる電流は小さくなります。
そのことで、発生する磁界は小さくなります。
よって、答えは「イ」ですね。
(4)( ③ )の会話部分では、図1のコイルの周りの包囲自身の様子について話し合っている。このときのX点の方位磁針が図3のようであった。Y点とZ点の方位磁針のようすとして適切なものを図2のア〜エからそれぞれ選べ。
図3の方位自身が右を向いていることから、右ねじの第二法則から電流と磁界の向きが分かります。
よって、Y:「エ」で、Z:「ウ」であることが分かります。
一見すると分かりづらいような問題ですが、条件だけに目を向けるといつも通りの問題です。
というよりも、いつもより簡単な問題となっています。
文章が多くて読みたくない、という生徒は正解しないかもしれません。
ただただ単純に、書かれていることから情報を抜き出す視点があれば問題はありませんね。
(5)下線部④について、ミステリーボックス内で接続されている端子の組み合わせとして正しくなるように、解答用紙の( )内に端子の記号ア〜エを書け。
(1)〜(4)までの問題で、左の導線には上から下へと電流が。
そして右のコイルには右から左へと電流が流れていることが分かります。
以上のことから考えると、
「アとイ」が繋がり、「ウとエ」が繋がっていることが分かります。
コイルの回転方向に気をつけて右ねじの第二法則を使わなければならないので、私自身も間違ってしまった厄介な問題ですね。
うー、情けなし。。。
生物と物理の考察
電流は少しひねりが効いていたかな、
というぐらいで難易度は高くなく。
中1中2の生物にしても、非常に簡単でした。
会話形式がもう少しひねってくれていたら面白いですが
第一回としては生徒たちも難しすぎない方が気持ち的に楽かもしれませんね。
上位勢では、ここまでではゼロミスが理想的。
ミスしても2問まででなければ、城東を目指す人にとっては厳しい結果となると思いますね〜。
明日は、化学の解説をしてみようと思います!
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