昨日に引き続き、国語の後半の解説を。
今日の読解は、図解がなければ解説は難しいかと思います。
ちょっと手間ではありましたが、
どうぞ国語の読解法の事例をご覧ください。
では、参りましょう!
どーも、塾講師歴17年、37歳3児のパパで認定心理士、上位公立高校受験・国公立大学受験専門塾、じゅくちょー阿部です。
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大問3論説文、「細川英雄:対話をデザインするー伝わるとはどういうことか」
冒頭文は無しの、79行の文章。
(1)が、難敵でした。
「対話という活動の課題」とはどういうことか、最も適切なものを選ぶ問題。
冒頭部が全て同じなので、後半部分だけを。
- 〜、わかりやすく伝えることをどのように結びつけるかということ。
- 〜、すぐれたものを示すことをどのように結びつけるかということ。
- 〜、自分の思考を整理することをどのように結びつけるかとうこと。
- 〜、オリジナリティを追求することをどのように結びつけるかということ。
本文の内容を、図へと解釈し直したものが以下のものです。
この図のようなもの簡単にでも図示しなければ、私も選択肢を誤るかもしれません。
これから考えれば、①と④の文言である、
「わかりやすく伝えること」と「オリジナリティを追求すること」
の2択に絞られます。
前半部分の、
「自分しか語れないことを自分の言葉で語ることと、〜」
に繋げると考えると、図の黄色で囲まれた部分と
赤色で囲まれた部分を結びつけるということが分かります。
よって、答えは「①」だと結論づけられます。
非常にいい問題です。
(2)は、内容要約問題。
「(あ)インターアクション(相互作用)」、「(い)対話という活動の意味」、「(う)対話での最終的な課題」についてまとめたものを、本文の語句を使って要約する問題。
(あ)は、5〜10字以内。(25行目から)
(い)は、25〜30字以内。(38〜39行目から)
(う)は、10字で書き抜き。(49行目から)
それぞれのテーマを書いてある段落を見つけることからスタート。
そこからは、それほど難しくはありませんでした。
(3)から、またひと展開問題が加わります。
「人生において対話が有効である」との理由を話し合った対話文から新たに問題が出題されます。
対話文は、長めの20行の文章です。
(a)は、「対話によって自己の経験を可視化する作業」とあるが、対話の一部において、これまでの経験が具体的に可視化されている発言の組み合わせを選ぶ問題。
結構、新しい傾向の問題だと感じました。
あくまで、本文の内容が指し示す「対話によって自己の経験を可視化」であり、一般的な内容での経験の可視化ではないことが、難度をあげた要因かと思います。
本文の、64〜66行目には、「他者とのやりとりによって自分の考えをもう一度見直し、さらに自分の意見・主張にまとめていく。この過程で、自分と相手との関係を考え、それぞれの差異を知ることで相互理解が可能」とあります。
このことが展開されている対話は、2〜13行目の(a)(b)(c)の段落です。
よって、答えは「ア」となります。
特段複雑で難しい問題というわけではありませんが、文章を読まずに解くタイプの生徒を、完全に置いてきぼりにするような、新傾向問題でした。
(b)は、「話者の生きる目的としての将来のしたいこととはどういうものか」を、「自分の町」という言葉を用いて答える問題。
20〜25字以内で「こと」に続く形での要約問題です。
これは、結構騙された生徒も多いと思います。
なぜなら、話者が「〜したい」という言葉を発しているのが、前半の6行目の文末と後半の18行目の文末で、離れています。
おそらく、両方を含めなければならないでしょう。
部分点が発生するとすれば、後半部分だけ書けている生徒は半分ほどの点数になるでしょう。
これも難度が高いというより、文章全体を読んでいるかどうかが試される問題です。
結果的には、今年の国語の問題で難しいと呼べるのはこの大問3のみでした。
大問4は古文:「土佐日記」
古文の文章の横に、ルビとして現代仮名遣いが追加されている形式の問題です。
(1)は、「思ほえたけれど」を全て平仮名で現代仮名遣いにする問題。
簡単です。
(2)は、文章の発言の部分がどこまでかを答える、古文での文法用語の知識を問う問題。
「〜とて」の前で「発言=セリフ」を区切られたどうかです。
標準的な問題。
(3)の(a)は、和歌を歌った情景を答える問題。
5〜10字以内というのが大きなヒントになっています。
これも標準的な問題。
(3)の(b)は、和歌を聞いた中国人が感心した理由をまとめる問題。
5〜10字以内とあるが、和歌が歌った「故郷への想い」を掴みきれるかが大きなポイント。
文章に書かれていないことを抽出する必要があり、これは古文から文章読解を求める最近の難しい問題傾向で、例年出されているレベルの問題です。
やや難しい問題と言えるでしょう。
(4)は、内容正答選択問題。
- 〜、感謝の思いを込めて送別会を催し、〜
- 〜、〜、和歌を詠むときの心のありさまや和歌の形式について教えた。
- 〜、〜、自分が詠んだ和歌の意味を説明した。
- 〜、〜、中国の人が船の上で詠んでくれた漢詩の内容を賞賛した。
選択文が長いので、部分的に内容と一致しない部分だけをピックアップします。
そうすれば、自然と答えが浮かび上がってきます。
答えは『③』です。
古文は、例年通りの標準的な問題でした。
大問5は、石川啄木の和歌を鑑賞し、その感想を答える作文
不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸われし 十五の心
石川啄木
この和歌を読んでの話し合いを読んであとの設問へと続く問題。
14行の文章ですが、文章の内容はそれほど重要ではありませんでした。
(1)は、和歌の表現技法を問う問題。
ただし、最後の「十五の心」の部分と限定されています。
ここの設問を読み飛ばすと引っかかってしまうでしょう。
答えは、シンプル「体言止め」です。
(2)は、作文です。
条件としては、前段落に「短歌の中から心に残った言葉とその理由」。
後段落には、「前段落を踏まえての自分の考えを自身のことと結びつけて書く」。
ごくごく標準の問題でした。
全体的には、「例年並み〜やや易化」
意欲的な問題もありはしましたが、全体的には標準的なレベルでした。
難度の高い新傾向問題を解きまくった『つばさ』の生徒たちなら、解きやすいと感じたかもしれませんね。
ですが、時間を駆け過ぎることで後ろの時間を圧迫されることも予想はされます。
合格後の点数開示に行っていただき、
どれほど対応できたかを知ることも大切ですね。
ぜひ、情報をお待ちしております。
さて、明日は英語の問題解説をしていこうと思います!
「休めよ」、というツッコミはお控えくださいませ(笑)
ちゃん♪ちゃん♬
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