基礎学力テスト

令和元年度:第三回基礎学力テスト、英語の考察(2)

 

昨日に引き続き、英語の考察を。

残りは長文3つです。

端的に申し上げると、

従来型の英語学習法では解けない

と断言できるかもしれません。

ですが、難しいわけでもないのです。

 

じゅくちょー
じゅくちょー

どーも、塾講師歴17年、37歳3児のパパで認定心理士、上位公立高校受験・国公立大学受験専門塾、じゅくちょー阿部です。

 

大問5:留学生と日本人学生との対話文(106語)

 

長文といっても、106語しかありません。

内容も難しくはありません。

ですが、関係代名詞を使った文章を正確に訳すことができるがポイントでしょうか。

 

(1)の、下線部の内容を日本語で答える問題。

“Maki: Do you know that each typhoon also has its own name?”
“Judy: Really?  I didn’t know that.”

“each” “also” “its own” を正確に訳せるかどうかがポイントです。

 

(2)は、適文補充問題。

“Judy: That’s interesting.  (  a  )
“Maki: Yes.  We have ten Japanese ones like Koguma, Yagi or Yamaneko.  They come from constellations.”

ア: Do you remember the first typhoon? 
イ: Do you know any Cambodian names? 
ウ: Are there ten typhoons this year? 
エ: Are there any Japanese names? 

ポイントは、”ones” がア〜エの設問の何を指して、何を例としてあげているか。

Koguma” は明らかに日本名と気づけば、楽勝ですね。

 

(3)は、設問文が特徴的な英問英答問題。

「次の質問に4語の英文1文で答えなさい。」

“What does “Damrey” mean in Cambodian?”

本文には、“The first typhoon in 2000 was named Damrey which means an elephant in Cambodian.”という文章があります。

そこで、“An elephant in Cambodian.”と答えると間違いになります。

英文1文ということは、「主語+動詞」を含む英文にせなばなりません。

“It means an elephant.” と書いて正解となるのです。

英会話なら、全く問題ないと感じますが、ダメなのでしょうね。

 

(4)は、内容正誤選択問題。

ア: Maki knows when we have a lot of typhoons in Japan. 
イ: Maki knows that we have about fifteen typhoons in one year
ウ: Judy doesn’t know that each typhoon has a number in Japan
エ: Judy likes Japanese typhoon names that come from constellations.

内容を細かく区切り、○(確実に正解)△(本文で照らし合わせ)×(確実に間違い)をつけていけば、特段難しい問題ではありません。

国語でもそうですが、「印象」と「記憶」でこの手の問題を解こうとする生徒がいますが、絶対にやってはいけない解き方ですからこの瞬間から止めましょう。

と、簡単なテクニックだけで解けてしまう、昔の英語の長文を解いて演習しているだけでは対応できなかったかもしれません。

新学力に見合った英語長文を選定し、選ぶ必要がありますね。

 

大問6:電子メール(187語)

 

メール文は、誰から誰宛てなのかを明確にしておくことが大切です。

文中の”I” “you” が誰を指すのかを明らかにしておくことで、あとあと問題が解きやすくなります。

 

(1)は、語数指定の英問英答問題。

“Who showed pictures taken in Japan to Kevin?”

疑問詞が主語の疑問文では、答え方が重要です。

「主語+”do/does/did” or “be動詞” or “助動詞”」で解答。

動詞が “showed” と一般動詞の過去形なので、「主語+”did”」で。

 

(2)は、内容正誤選択問題。

ア: Kevin wrote this e-mail to answer Kota’s questions. 
イ: Kevin doesn’t remember that he enjoyed Japanese food.
ウ: Kevin wants to go to Japan to see the Tokyo Olympics and Paralympics.
エ: Kevin learned about Japan through reading the articles.

上記のように、内容と照らし合わせて、どこが間違っているかをチェックする。

記憶を頼りに「これかな?」で選ぶと、「イ」を選びそうになる問題でした。

 

(3)は、条件英作文(どちらかというと、和文英訳のような雰囲気)

プランA(春)かB(秋)かを選んで、4文を英作する問題。

どちらも形式は以下の通り。

  1. 春(秋)に日本に来るべきだとすすめる文
  2. 春は暖かい(秋は涼しい)ことを伝える文
  3. 桜(紅葉)を見ることができると伝える文
  4. あなたが春(秋)に訪れることをすすめる文

非常に簡単です。

英文全体的には、内容が少し難しい印象でしたが、設問が簡単でした。

特に、この条件英作は過去数年間で最も簡単です。

 

大問7:Food Loss(食品ロス)に関するスピーチ原稿(487語)

 

最後は本格的な長さの長文です。

内容もさることながら、問題前後だけ探すタイプの解き方では歯がたちません。

全文をさっとでも目をお通し、内容をざっくりとでも把握しておかなければ正解は難しいかもしれません。

 

(1)は、文章挿入問題。

“Seventeen people die from hunger every minute.”

上記の文を指定されたア〜エのどこに挿入するのが相応しいかを問う問題です。

この問題が出題された時点で、ある程度全文の内容を把握する必要性があります。

今後の問題解答に向けて、良問だと感じました。

難易度は簡単目です。

 

(2)の(a)(b)は、Yes/No解答と英文解答での英問英答問題。

(a) Did Kana and Becky go to a supermarket on Christmas day?
(b) What do people in some countries have for sharing food with their neighbors?

(a)は、Yes/Noなので、内容をキーワードで探せば問題なく見つかります。

(b)も、キーワードが本文では”to share food with their neighbors” に変わっている点だけに気をつければ、問題なかったと思います。

 

(3)は、変則的な内容正誤選択問題。

以下の文章に続く文章を、本文の内容に合うように選ぶ形式。

“Kana and Becky had a party because (     ).”

ア: they wanted to talk about Food Loss and share their ideas.
イ: they wanted to make a Christmas cake and enjoy eating it.
ウ: they wanted to use food in their houses and enjoy eating and cooking
エ: they wanted to buy short-dated at the supermarket.

“they wanted to” で全文始まっていますから、その後ろの内容を本文と精査すればいいだけ。

ですが、ここでも「なんとなく」や「それっぽい」や「正しそう」で選ぶと、間違うように意図的に作られています。

 

(4)の(a)(b)は、内容要約問題。

スピーチを聞いた生徒のコメントを完成させる問題です。

ですが、(a)も(b)も純粋な文法問題で、拍子抜けしました。

(a) You have a big dream and you ( a ) trying small things in your life.

ア: start       イ: have already started  
ウ: will be started  エ: were started

もちろん、「もうすでにやり始めている」ことを伝えるので答えは明確です。

(b)  ( b ) don’t we talk about this problem in our class?

“(  ) don’ we ~?” とくれば、あれしかありませんね?

両方とも、特に難しい問題ではありませんでした。

(5)は、内容正誤問題。

正しいものを2つ選ぶ問題です。

ア: Many people in the world suffer from hunger because we can’t produce a lot of food every year.
イ: Kana’s great-grandfather talked about his dream.
ウ: Becky told Kana about food banks on Christmas day.
エ: Kana and Becky try to check what we have for choosing what to buy.
オ: Kana and Becky bought short-dated food at the supermarket for the party.
カ: Becky wants to study about Food Loss at a university in the future.

ここは、間違いを潰していく作業が比較的大変でした。

明らかにおかしいことばかりを書いているわけではありません。

この辺りが一昔前の英語の問題とは違っている点ですね。

 

総括:難しくはない、でも簡単に点数には結びつかない

 

当たり前のことを、当たり前にやれば点数が取れます。

ですが、楽なことを追い求める解き方では蹴散らされてしまう印象でした。

前後だけ判断して解くという、化石のような解き方を卒業しましょう。

 

入試本番では、やっと難しいレベルに出会う可能性があります。

これが英語の基本的なレベルだと思うことがないように!

もちろん、このレベルが出題されることも考えられるのですが。

 

果たして、塾生たちはどれだけの点数を取ってくれたでしょうかねぇ(笑)

ちゃん♪ちゃん♫

 

じゅくちょー
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それでは、今日はこのあたりで。失礼しま〜す!

2019年度『つばさ』の授業日程は、ここからご確認できます。

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