基礎学力テスト

令和6年度、第3回基礎学理科の問題部分解説(1)

じゅくちょー

激しい難易度であった理科。

その中でも特に正答率が低そうであった、

大問1と大問8の解説を2日に渡って

解説してみようと思います。

本日は、

大問1の中2の化学の分野の解説です。

では、いってみましょう!

今日は、そんなお話です。

大学入学共通テストまで、あと日!!

徳島県公立高校入試まで、あと47日!!

R6年度 中2・1基礎学力テストまで、あと27日!!

基礎学平均点情報ページは、コチラ

酸化銀の熱分解の実験!?

酸化銀を加熱する[実験]を行った、次の問いに答えなさい。

[実験]
① 黒色の酸化銀2.32gを乾いた試験管Xに入れ、図1のような装置を組み立てて加熱した。
② 発生した気体を水上置換法で集めた。
③ 発生した気体のうち、(a)はじめに出てくる気体は試験管1本分を捨てて、一定量の気体が集まったところで、火を消す前に(b)ある操作を行い、加熱をやめた。その際、加熱後の試験管X内の物質の質量を測定したところ、2.18gの物質が残っていた。
④ 操作③終了後、試験管X内に残っていた物質を操作①と同様に乾いた試験管Yに入れて再び加熱し、気体が発生しないようになるまで十分に加熱したところ、加熱後の試験管Y内の物質の質量は2.16gに変化していた。

(1)[実験]で、下線部(a)のようにする理由を「はじめに出てくる気体は、」に続けて簡潔に書け。

これはベタな問題ですね。

真空の中や宇宙空間での実験ではありません。

よって、試験管内には元々空気が含まれています。

その空気が発生する気体に押し出されて、

はじめは出てきてしまうわけです。

よって答えは、

「(はじめに出てくる気体は、)

試験管内に含まれる空気が大部分を占めるから」

で大丈夫でしょう。

(2)[実験]で、下線部(b)のある操作とはどのような操作か、簡潔に書け。

これもベタな問題ですね。

加熱し気体が発生している試験管内は、

高温状態になっています。

そして、その高温状態の気体は膨張し、

気圧が高い状態になっています。

加熱を止めることで、

金属は急激に温度が下がります。

同時に、気体の温度も低下し

収縮が始まり試験管内の気圧が下がります。

このことから、

加熱を止める前に、水槽内に入れて水上置換法で

期待を集めているガラス管を

水槽から出しておかなければ、

気圧の低下に伴って水槽内の水を吸い上げてしまいます。

吸い上げた水が、加熱部に触れると

その温度差からガラスは破損する恐れがあります。

単純な問題ではありますが、

このような物理学上の流れがあっての

解答につながっていくわけです。

単純に、「この記述問題にはこの解答」

という安易な丸暗記タイプの生徒は、

少し実験の条件が違っただけで

関係のない答えを書いてしまい間違います。

よって答えは、

「ガラス管を水槽から出しておく」

でOKですね。

(3)[実験]で、発生した気体と同じ気体が発生する方法を、次のア〜オから2つ選べ。

ア:過炭酸ナトリウムに約60℃のお湯を加える。
イ:マグネシウムリボンにうすい硫酸を加える。
ウ:二酸化マンガンにオキシドールを加える。
エ:炭酸カルシウムにうすい塩酸を加える。
オ:水酸化カルシウムと塩化アンモニウムを混合する。

いやらしい問題です。

まずは、酸素が発生するということが

分かっていなければ問題外となります。

上位層であっても、一般的な問題で問われる

気体の発生方法以外はあまり覚えていないものです。

よって、明らかに違うものを消去法で選び出す必要があります。

例えば、

「酸性の液体に金属を反応させると水素が発生する」

というのは必須の知識です。

ただし、金銀銅以外、という条件付きもセットですね。

よって、「イ」は除外されます。

また、「炭酸〇〇に塩酸」とくれば、

二酸化炭素も思い浮かぶでしょう。

加えて、アンモニウムという金属を見れば、

アンモニアも難しくないはずです。

よって答えは、

「ア・ウ」

となりますね。

ここでも、正答率は低いような気がします。

(4)[実験]で、酸化銀に起きた化学変化を化学反応式で表せ。ただし、酸化銀の化学式はAg2Oをする。

ここでもベタな問題が出ました。

しかし、酸化銀ということで、

もしかすると書き慣れない生徒は

ミスが出てしまったかもしれません。

答えは、

「2Ag2O → 4Ag + O2

となりますね。

(5)割合の高難易度問題!?

(5)操作③終了後、実験前に用意した2.32gの酸化銀のうち、何%の酸化銀が分解されずに残っていたと考えられるか。

おそらく、かなり多くの生徒が

「え?何について質問されてるの?」

状態だったと思われます。

解説が分かりやすくなるように、

以下のような挿入問題を条件として挟んでおきます。

4gの銅と1gの酸素が結びついている酸化銅5.0gがある。このとき、0.5gの酸素が失われると、何%の銅が分解されずに残っていると考えられるか。

このような見慣れて、

扱い慣れた物質の場合

「あ、1gの酸素が0.5gになってるってことは、

半分だから50%失われたんだな。

だから、化合する銅も50%還元されて、

50%は残って結びついてるんだな」

と分かります。

しかし、あまり見慣れもせず

反応する質量比も知らないような

酸化銀の場合は、

作図による情報の整理整頓が必要になります。

そもそも、酸素が何g結びついているか

問題の条件から導き出す必要もあり、

もともとの銀が何gあるかも

下準備として出しておく必要があります。

かつ、

1gから0.5gのような感覚的に50%と

わかるのなら簡単ですが、

全体0.16gから0.02gが何%かを導き出すには

よほど割合に親しんでいる必要があります。

中学受験時代に培ったものでなければ

一般公立中学生がこの問題をサクッと

立式することは非常に難しいものがあります。

あなたはいかがでしたか?

(6)思考力問題としてはすごくいい問題!?

(6)[実験]と同様にして、発生する気体を200㎤集めたい。このとき、必要な酸化銀は何gか。ただし、発生する気体の密度は0.0013g/㎤とする。

こっちの問題は、まだなんとかなった

という生徒もいたかもしれませんね。

先ほどの(5)と同様に、

図に直して情報を整理しておきます。

密度、という言葉を見て

「あ、1㎤あたりの質量のことだな」

という言い換えが頭の中できなければ

もうアウトとなるでしょう。

数学や理科において、

語句を知っているということは

定義を知っているということを指します。

もっと言えば、

定義を分かりやすいものに言い換えられる

ということでもあるでしょう。

得られた情報に対して、

「見たことがある」

「聞いたことがある」

「扱ったことがある」

というだけでは、

全く太刀打ちができないのが

高校からの学習です。

中学生に向けて、

「高校とはこういう世界なのだよ」

と伝えたいがための

難易度だったのかもしれませんね。

ちゃん♪ちゃん♫

たろー

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