2026年度の国公立大学入試は、
変動の真っ只中となっています。
新課程入試が2年目を迎え、
「共通テストに『情報』が追加される」
といった話はよく耳にします。
しかしその裏で、大学が求める学生像や
教育のあり方そのものを示す、
より本質的な変化が静かに、
そして着実に進行しています。
今日は、そんなお話です。
理工系で急増する「女子枠」 ― 多様性への大きな一歩!?
2026年度入試で最も象徴的な変化の一つが、
学校推薦型・総合型選抜における
「女子枠」の新設・拡大です。
特に、理工系や情報科学系での動き
が活発化しています。
具体的には、
京都大学(理学部)
大阪大学(基礎工学部)
広島大学(工学部)
といったトップ大学に加え、
公立小松大学なども相次いで
女子枠の新設に踏み切りました。
この動きから
一部のトップ校に留まらず、
広範なトレンドであることが分かります。
これは単に入試制度が変わる、
という話ではありません。
背景には、
日本の理系分野における人材の多様性を確保し、
国際的な競争力を高めようとする文部科学省の
「理系人材育成強化支援政策」
があります。
大学側が国の大きな方針と連動し、
より多様な視点を持つ人材を積極的に
求め始めたことの表れと言えるでしょうね。
共通テスト「情報Ⅰ」、もはや”おまけ”ではない必須科目に!?
新課程入試2年目を迎え
共通テスト「情報Ⅰ」
の扱いは様子見の段階を終え、
本格的な評価対象へと移行しています。
これまで
「配点しない」「同点者の判定に使う」
としていた大学が、
続々と配点化や必須化に動いています。
この変化は、主に以下の3パターンで見られます。
- 必須化: 北見工業大学では、これまで選択科目だった「情報」を必須化。
これにより、共通テストの科目数は7科目から8科目に増加します。 - 科目追加: 富山県立大学は、全3学部の前期・後期日程で「情報」を追加。
共通テストの科目数が5科目から6科目に増加します。 - 配点化: 北海道大学は全学で「情報」を本格的に配点化へ移行(25年入試では同点者の順位決定にのみ活用)。
高知大学も一部学部で、これまでの合否境界上の判定材料から、明確な「配点化」へと変更します。
「情報」はもはや”おまけ”科目
ではなくなったと言えるでしょう。
選択や学習計画に直接影響を与えるため、
志望校の動向を正確に把握することが不可欠です。
多学科から「1学科」への大統合トレンド!?
近年、既存の学部内で
複数の学科を大胆に整理・統合し、
「1学科制」などへ移行する動き
が加速しています。
これは、
専門分野を早期に絞らせるのではなく、
入学後に幅広い学問分野に触れてから、
じっくりと専門を決めていくという
大学教育の新しい方向性の表れです。
このトレンドは非常に大規模で、
以下のような大学で実施が予定されています。
- 信州大学 工学部 (5学科 → 1学科へ)
- 九州工業大学 工学部 (6学科 → 1学科へ)
- 九州工業大学 情報工学部 (5学科 → 1学科へ)
- 熊本大学 文学部 (4学科 → 1学科へ)
- 山口大学 工学部 (6学科 → 2学科へ)
受験生にとっては、
これまで学科単位で見ていた募集が
学部一括になるなど、
出願の考え方にも影響を与える
大きな変更点となりますね。
募集人員が「一般選抜」から「推薦・総合型」へ!?
2026年度入試の全体を貫く大きなトレンドとして、
「募集人員が一般選抜から学校推薦型・総合型選抜へ移行」
している点が挙げられます。
このシフトの影響を受け、
学力試験が中心の一般選抜、
特に前期日程の募集人員を削減する大学が目立ちます。
例えば、
山形大学(教育学部)
京都大学(理学部)
大阪大学(基礎工学部)
などで前期日程の定員が減少しています。
特に注目すべきは、
京都大学や大阪大学の定員削減です。
これは、
理工系での「女子枠」新設の直接的な影響
であり、大学が入試全体のパイを切り分け、
評価軸の多様化を加速させていることの表れです。
ペーパーテストの得点だけでは測れない、
高校時代の探究活動や主体性などを
多角的に評価する入試形態への移行が、
着実に進んでいると考えられるでしょう。
学費値上げと、まさかの受験料値下げ!?
そして、受験生の家庭に直接関わる費用に関する、
対照的な2つの動きがあります。
まず、学費の値上げです。
埼玉大学は、確定というわけではありませんが
授業料を年額535,800円から642,960円へと、
10万円以上増額することを検討しています。
国立大学の学費は一律というイメージがありますが、
今後は各大学が独自の判断で学費を設定する
ケースが増える可能性も考えられます。
その一方で、
意外な値下げの動きもあります。
高知工科大学は、
後期日程の受験料を1万5千円から5千円へと、
3分の1に大幅減額することを発表しました。
学費や受験料は、
大学選びの際に無視できない重要な判断材料です。
必ず志望校のウェブサイトなどで
最新の公式情報を確認するようにしてください。
2026年度の入試は、
さまざまな機関による総合的な分析から
「共通テストの平均点ダウン」
が予想されています。
結果的に、より慎重な出願姿勢が重要となるでしょう。
だからこそ、表面的なデータだけでは見えにくい
「新潮流」を理解し的確な情報を集めることが、
これまで以上に重要になります。
これらの変化の中で、
あなたは大学に何を求め、自分をどうアピールしますか?
ちゃん♪ちゃん♫
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校
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