じゅくちょーの雑談

R6年度 第1回基礎学力テスト、理科の問題分析(1)

じゅくちょー

本日から、4回に渡り

R6年度第1回基礎学力テストの

理科の問題分析を始めていきます。

初回の分析は「生物」分野から。

全体の難易度は、「やや難」レベル。

生物単体では「普通」レベルでした。

生徒はできたと言うでしょうが、

実際返却されたら結構低いというタイプの試験です。

選択問題に工夫がかなりみられましたね。

どのような問題で点数を落としてしまったのか。

見ていくことにしましょう!

今日は、そんなお話です。

大学入学共通テストまで、あと106日!!

徳島県公立高校入試まで、あと133日!!

R6年度 第二回基礎学力テストまで、あと40日!!

基礎学平均点情報ページは、コチラ

大問1【中1生物】:顕微鏡を使った、生物の観察

大問1の生物のスタートは、

驚くほど簡単な問題からでした。

わかる子であれば、数分で解き終わったでしょう。

(1)顕微鏡にレンズを取り付けるとき、AのレンズとBのレンズは、どちらを先につけなければならないか。その記号とレンズの名称を書け。

図1に示されたのは双眼実体顕微鏡ではない顕微鏡です。

「A」のレンズは、上方にある「接眼レンズ」

「B」のレンズは、下方にある「対物レンズ」

取り付けるのは、鏡筒にホコリやチリが入らないように、

上からレンズをはめ込みます。

よって答えは、「A:接眼レンズ」ですね。

(2)図2の生物の名称を書け。

図2の生物は、「繊毛」で全身を覆われたあの生物です。

よって答えは、「ゾウリムシ」ですね。

(3)図2の生物のように、1つの細胞からなる生物を何というか。

とても簡単な問題が続きますね。

答えは、「単細胞生物」ですね。

不吉さを感じてしまうほど簡単な問題からの立ち上がりです。

(4)図2の生物をさらに詳しく観察するために、より高い倍率で観察を行った。このとき、顕微鏡の視野の明るさと視野の広さはどのように変化するか。それぞれ簡潔に書け。

顕微鏡の倍率を高くすること。

これは、観察の対象物に接近することと同じような意味となります。

自分の手のシワを、普通に眺めてから

目を近づけてそのシワを見たときの変化と同じことが起こるわけです。

よって答えは、「視野の明るさ:暗くなる 視野の広さ:狭くなる」でOKです。

問題としては、令和4年度の第二回基礎学の生物の問題と

ほぼ同じような問題でした。

使い回し的なことも基礎学では行われるのでしょうかね。

大問7【中2生物】:血液の循環(会話形式)

「お!」と感じるの問題としては、(6)くらいでた。

用語問題としても、名称を知っているだけではダメで、

その名称に対して付随する知識もセットで覚えておく必要が

ある問題となっていました。

作業暗記型の暗記では、すこし難しく感じる問題かもしれませんね。

(1)下線部①について、血管a~hの中で、酸素が最も少ない血液が流れている血管はどれか。また、その血管の名称を書け。

ベタといえばベタな問題ですね。

酸素が最も少ないということは、

全身を巡ってきた血液が流れる血管ということです。

ということは、血液は酸素を供給するために

肺へと向かうはずです。

心臓から、送り出される血液が流れる血管は、

「動脈」という名称を持ちます。

そして、酸素をもらうために「肺」

向かうわけですね。

よって、答えは「a:肺動脈」となりますね。

このように「意味で理解すること」

どの教科のどの単元にも必要になってきます。

このような学習の仕方ができなければ、

高校からは「やってもやっても逆に下がる」

ような学習となってしまいますよ!

(2)下線部①について、血管a~hの中で、尿素が最も少ない血液が流れている血管はどれか。

尿素が最も少ない。

ということは、

「尿素を濾し取る臓器を経た血液」

ということになりますね。

すなわち、「腎臓」を通った後の血液です。

よって答えは、「h」ですね。

(3)下線部②について、( ア )( イ )にあてはまる語を書け。また、イが酸素を全身の細胞に届けることができるのは、イにどのような性質があるからか、簡潔に書け。


太郎:ところで、酸素はどのようにして全身の細胞に届けられるのかな。
先生:酸素は血液中の成分である( ア )の中にある( イ )という赤い物質を結びついて運ばれ、全身の細胞に届けられます。

これもなかなかにベタな問題です。

血液の中の成分の問題です。

1)赤血球
2)白血球
3)血小板
4)血しょう

中学校で学ぶ成分は、基本的には以上の4つです。

もちろん、それぞれに役割がありますが、

この問題の解答となるのは

「ア:赤血球」「イ:ヘモグロビン」

「性質:酸素の多いところでは酸素と結びつき、

酸素の少ないところでは酸素を放す性質」

で大丈夫でしょう。

(4)[会話文]の( ウ )、( エ )に当てはまる語を書け。


太郎:栄養分は血液の( ウ )という成分に溶け込んで運ばれますよね。
先生:はい。そして、( ウ )の一部が毛細血管からしみ出し、細胞の周りを満たし、毛細血管と細胞との間で物質のやり取りをしてくれます。細胞の間を満たしている液の名称は( エ )ですよ。

先ほどの問題と同傾向の問題ですね。

この問題の解答となるのは

「ウ:血しょう」「エ:組織液」

です。

これもかなりベタな問題でしたね。

(5)図2はヒトの心臓を正面から見た模式図である。肺へ向けて血液を送り出している部屋をP~Sから記号で選び、その部屋の名称を書け。

これも、ただ単純に用語だけを暗記している生徒を

蹴散らすような問題となっています。

心臓のスケッチを見たときに、

1)右心房
2)右心室
3)左心房
4)左心室

がどこを示しているかわからなければなりません。

そして各部位が、どのような働きをしているかも同様です。

肺に向かって血液を送り出すのですから、

(1)の肺動脈とつながる箇所を示せばいいわけですね。

答えはもちろん、「Q:右心室」ですね。

(6)下線部③について、あるヒトの体内の全血液量が4000mLで、平常時の拍動数を計算すると、1分間につき75回だった。1回の拍動数により、右心室と左心室からそれぞれ80mLの血液が送り出されるものとするならば、体循環により、4000mLの血液が心臓から送り出されるまでに何秒かかるか。

問題の難易度としては、小学校5年生の算数レベルです。

しかし、このような切り口で問題を出されてしまうと、

「理科でこんな問題解いたことない!」

と思考停止してしまう人もいるのでしょうね。

情報をしっかりとまとめてから考えていくことにしましょう。

1)拍動は、1分間(60秒)に75回
2)拍動1回につき、80mLの血液が送り出される
3)全血液量は、4000mL

問われていることは、
「4000mLの血液が心臓から送り出されるまでに何秒か。」

まずは、4000mLの血液が送り出されるのは、

拍動何回分かを求めることにしましょう。

拍動1回で80mLですから、

4000mLの血液を80mLの器ですくって何杯分か

と置き換えて考えてみると、

4000mL ÷ 80mL/回 = 50回

ということになります。

次に、60秒で75回の拍動をしているということは、

60秒(20秒+20秒+20秒)で、75回(25回+25回+25回)

考えると、50回分は「40秒」ということがわかります。

よって答えは、「40秒」ですね。

生物講評:普通!?

大問1は簡単すぎました。

しかし、大問7は

生徒によっては難しいと感じるものだったでしょう。

出題形式としても会話文となっており、

読まなければならない文量が少し多めでした。

なおかつ、従来の一問一答系の問題傾向ではなく

知識の紐付けを求めるものとなっていました。

従来型の一問一答系の問題が大問1ですから、

それと比べると一目瞭然ですね。

「理科は暗記科目」

という、言葉の呪いを受けて

作業暗記だけを理科でしてしまっている生徒さんは

他の分野においても今回は

点数を落としてしまっていることでしょう。

本当に学習の仕方が求められる時代となりましたね。

ちゃん♪ちゃん♫

たろー

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