本日から、4回に渡り
R5年度第二回基礎学力テストの
理科の問題分析を始めていきます。
初回の分析は「生物」分野から。
第一回の平均点から考えると、
-13点ほど下がりましたが
過去の基礎学のレベルから判断すると
難易度は「普通〜やや難しい」レベル。
第一回が簡単すぎました。
本日は、こんなお話です。
大問1【中1生物】:種子を作らない生物・植物の分類
今回、問題の全体に感じたのは
「そうきたか!?」
という切り口での出題の仕方です。
難しいというほどではありませんが、
頭を悩ませる選択肢や問い方が多かったです。
(1)各カードのA.Bには,それぞれの植物の特徴が書かれている。カードに入るA.Bの語について,正しい組み合わせを次のア~エから1つ選べ。
ア: A 根・茎・葉・花 B 胞子
イ: A 根・茎・葉・花 B 種子
ウ: A 根・茎・葉 B 胞子
エ: A 根・茎・葉 B 種子
与えられた題材は、スギゴケとイヌワラビです。
コケ植物の特徴とシダ植物の特徴を理解していれば答えは自ずと分かります。
両方とも「胞子」で仲間を増やすというBの解答はすぐに分かったはずです。
よって、アかウかの2択の問題となるでしょう。
もちろん答えは、「ウ」ですね。
(2)スギゴケについて,XとYの各部分の名称をそれぞれ書け。
Xはスギゴケの雌株の先にあるものを指しています。
Yはスギゴケの雄株の根のような部分を指しています。
コケ植物は、雌株の方に「胞子のう」が付いています。
花粉のように雄の方にあると勘違いしている人もいるでしょうか。
そして、コケ植物は体全体で水分を吸収するため、
植物のような根の働きは体全体で行います。
よって、根のような部分は根ではなく「仮根」となります。
答えは、「X:胞子のう」「Y:仮根」となりますね。
ここは簡単でした。
(3)Xの役割をする器官は,イヌワラビのどこにあるか。次のア~エから1つ選べ。
ア 葉の役割
イ 葉の裏側
ウ 茎
エ 根
(2)が分からなければ、セットで間違う問題です。
Xは「胞子のう」です。
シダ植物の場合は、「胞子のう」は「葉の裏側」にあります。
よって答えは、「イ」ですね。
(4)Yのはたらきについて,簡単に説明せよ。
(3)に引き続いて、(2)が分からなければ
解答できない問題となっています。
このような連続的に問題が連なる出題傾向は
理科では少し珍しいですね。
「仮根」の働きですから、もちろん
「体を支える働き」
でオッケーでしょう。
少し問題の出題の仕方にひねりが加えられていますね。
(5)イヌワラビのカードにある特徴と異なる植物を,次のア~エから全て選べ。
ア スギナ
イ ソテツ
ウ ベニシダ
エ ゼニゴケ
カードに与えられられた特徴は、
- 根・茎・葉の区別がある
- 胞子で仲間を増やす
- 葉の色は緑色である
となっています。
上記の特徴は、シダ植物の特徴です。
よって、シダ植物以外を選べばいいわけです。
答えは、「イ」と「エ」ですね。
スギナは、俗にいうツクシのことで、シダ植物ですよ〜。
大問8【中3生物】:生物のふえ方(会話形式)
【会話文】は赤色のマツバボタンと白色のマツバボタンの遺伝について、太郎さんと花子さんで交わされた内容である。次の問いに答えなさい。
太郎:赤色の花と赤色の花をかけあわせてできた子に、白色の花ができることがあるんだって。
花子:おもしろいよね。それには染色体にある遺伝子の存在が深く関わっているんだよね。
太郎:先生が、a対になっている遺伝子が分かれてそれぞれ別々の生殖細胞に入ると言っていたよね。
花子:この細胞分裂をしたときに1つの細胞に含まれる染色体の数は、もとの細胞の[ Y ]倍になるということを授業で習ったね。
太郎:図1のように親が、赤色の花①と赤色の花②で、子に白色の花ができることがあるっていうことは、親の遺伝子の組み合わせは、どうなるのだろう。
花子:純系の個体を図2のように表すと、図1の親の赤色の花①と親の赤色の花②の遺伝子の組み合わせは、[ Z ] のようになるね。
太郎:なるほど。こう考えると、この世代のそれぞれの花の色を咲かせる個体数も予想することができるね。
(1)下線部aについて,この法則を何というか。
「法則」という二文字を見て、
何も考えずに「優性の法則」と
書いてしまう人もいたでしょう。
「対になっている遺伝子が分かれる」
とあります。
もちろん答えは、「分離の法則」ですね。
(2)生殖細胞がつくられるときに行われる細胞分裂を何というか。また,Yにあてはまる数字を答えよ。
まず、「生殖細胞」とあります。
生物が子孫を残すために必要となる
生殖の際に用いる細胞のことです。
「有性生殖」の場合、読んで字の如く
「性別が有る」と書いていますから
オスとメスそれぞれの性別で生殖細胞があります。
そのオスとメスの生殖細胞の染色体の半分が
生殖細胞に受け継がれる細胞分裂のありかたを、
「減数分裂」と言います。
半分になるわけですから、
「0.5倍・1/2倍」となりますね。
よって答えは、「減数分裂:0.5倍・1/2倍」です。
(3)親の赤色の花①と親の赤色の花②の遺伝子の組み合わせについてZにあてはまる組み合わせを以下のア~エから1つ選べ。
これはなかなかいい問題でした。
両方とも赤色で、かつその子孫から白が生まれる
組み合わせを考える必要があります。
①に「顕性+潜性」と②に「顕性+潜性」
の組み合わせがこれに該当しますね。
よって答えは、「ア」ですね。
(4)[会話文]から,赤色の花と白色の花のどちらが顕性性質と考えられるか,答えよ。
これは瞬間で答えられる知識問題でした。
答えは「赤色」ですね。
(5)この後太郎さんと花子さんは,図1のように子の花の個体数調査を行った。白色の花の個体数が10個あったとき,赤色の花の個体数は何個になるか。適切なものを次のア~エから1つ選べ。
ア 10
イ 20
ウ 30
エ 40
(3)の解答に関わる問題です。
①「顕性+潜性」と②「顕性+潜性」
の組み合わせからは、
顕性(赤):潜性(白)=3:1
で発生します。
白が10個であれば、その3倍の30個。
答えは、「ウ」となりますね。
生物講評:捻った問題もある!?
どちらかと言えば、
問い方が捻っていたのは
大問1の植物の方でした。
その聞き方をされると、
ちょっと分からなくなる
という雰囲気の問題傾向でした。
生物はまだマシでしたが、
明日の分野はどうでしょうか?
楽しみですね〜。
ちゃん♪ちゃん♫
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