第4回となる本日は、化学の分析です。
まるで中学受験の問題のような濃度の問題と
なかなか硬派な原理からの問いとなる
イオンの問題となっていました。
結構難しかったですよ〜!
大問2【中1化学】:液体の濃度
中学受験では面積図などを使って解く問題でした。
これはできないわけではないでしょうが、
かなり時間を持って行かれてしまう問題だと感じました。
上位勢でも苦しんだ生徒もいたかもしれませんね。
図1のビーカーAには、水100gに塩化ナトリウム30gが完全にとけた塩化ナトリウム水溶液が入っている。図1のビーカーBは水、ビーカーCには2.5%の塩化ナトリウム水溶液がそれぞれ100gずつ入っている。次の問いに答えなさい。 |
(1)塩化ナトリウム水溶液の溶質を化学式で答えよ。
これは簡単ですね。
溶質=溶けている物質。
答えは、「 NaCl=塩化ナトリウム」となりますね。
(2)ビーカーAに入っている塩化ナトリウム水溶液の性質について、正しく述べている文を次のア〜エから1つ選べ。
ア:放置しておくと、上の方が濃くなっていく。
イ:放置しておくと、下の方が濃くなっていく。
ウ:色がついているが、すき通っていて向こう側が見える。
エ:水と塩化ナトリウムの質量の合計は、水溶液にした場合の質量と等しい。
塩化ナトリウムは水に対して電離し、完全に溶解します。
混ざっているだけの物質は、沈殿ができたり濁っていたりします。
このことから考えると、答えは「エ」となりますね。
(3)ビーカーAに入っている塩化ナトリウム水溶液の質量パーセント濃度は何%か。少数第一位を四捨五入して、整数で答えよ。
問題文を図示して表してみます。
よって答えは、「24%」となりますね。
(4)(3)の水溶液の4/5を取り出してビーカーBの水の一部を注ぐと、15%の塩化ナトリウム水溶液ができた。このとき、注いだ水は何gか。
図示して考えると、わかりやすいでしょうかね。
(5)15%の塩化ナトリウム水溶液と、ビーカーCに入っている2.5%の塩化ナトリウム水溶液のそれぞれを、からのビーカーDに注いで混ぜると、10%の塩化ナトリウム水溶液を100gつくることができた。このとき、ビーカーDに注いだ2.5%の塩化ナトリウム水溶液は何gか。
良問だったと思います。
大問6【中3化学】:化学電池
この問題も、原理を深く問う非常に難しいでした。
会話形式の問題文の中の( )に用語を入れていく問題です。
図1のように、硫酸亜鉛水溶液を入れたビーカーに亜鉛板を入れた。また、セロハンの袋に入れた硫酸銅水溶液に銅板を入れ、その袋をビーカーに入れた。亜鉛板と銅板を導線でモーターにつなぐと、モーターは回転した。図2は、図1の電池のしくみを表したモデル図であり、ア〜オは陽イオン、原子のいずれかを、(-)は電子を表している。次の問いに答えなさい。 |
(1)図1の装置を長時間使用したとき、亜鉛板の質量は使用する前と比べてどうなるか。
この化学電池の実験では、亜鉛板のほうがイオン化傾向が強いので
亜鉛がイオンとなっていくことで、電子の動きが生まれます。
よって、亜鉛板がイオンとなって溶液内に溶け出し
亜鉛板の質量が減っていきます。
よって、「質量は減る」となりますね。
(2)図1の装置によって、化学変化を利用して( X )エネルギーを( Y )エネルギーに変換して取り出すことができた。( X )、( Y )のそれぞれに当てはまる語句を答えよ。
これは単純な用語知識問題です。
化学電池はそもそも、化学エネルギーから電気エネルギーを取り出す装置です。
よって、「X:化学」「Y:電気」となりますね。
(3)図1のモーターの代わりに電子オルゴールをつなぐと、オルゴールは鳴った。このとき、電子オルゴールの+極とつながっていた金属板で起きていた化学変化を、化学式とイオンの化学式を用いて表せ。ただし、電子をe–としてあらわすこと。
これはなかなかの難問でした。
問題には+極側がどちらかという言及はありません。
電子の動きから+極側がどちらかなのかを判断せねばなりません。
もちろん、電子の進んでいく先の方向が+極となるという知識があればOKです。
よって、銅板側が+極となり、銅板の表面に銅が付着していく変化が見られます。
答えは、「Cu2+ + 2e– → Cu」ですね。
(4)ア〜オのうち、同じイオンを表しているのはどれとどれか。また、そのイオン名を答えよ。
この化学電池で用いられている水溶液は、2種類。
硫酸亜鉛水溶液と硫酸銅水溶液です。
よって、硫酸イオンが共に含まれていることがわかります。
つまり答えは、「アとイ:硫酸イオン」ということになります。
(5)図2の電子は、導線を通って、どちらの金属板からどちらの金属板へ移動しているのか。
この問題は(3)の前になければならないような気がします。
(3)の+極側が分かれば、これは当たり前にわかるので、
あまり説明はいらないはずですね。
答えは、「亜鉛板から銅板」となります。
(6)図2のア〜オのうち、減り続けるイオンを1つ選べ。また、そのイオンをイオンの化学式で表せ。
(3)の解説のときに、+極側に銅が付着すると書きました。
ということは、銅イオンが銅原子となり赤褐色の付着物として
銅板に現れるということです。
よって答えは、「エ:Cu2+」となります。
化学講評:原理を問う、非常に良い問題!?
生徒にとっては、
やはり原理の理解をしないまま
作業的に丸暗記で理科を乗り越えようとしているものもいることでしょう。
しかしながら、それでは完全に跳ね除けられる
非常に練られた問題でだったと感じます。
簡単だと言えるのは、正直なところ生物だけです。
理科が暗記教科と言われた時代は今は昔。
学び方、解き方、考え方すべてをアップデートし、
時代が求める学力を高めていく必要がありそうですね。
て〜へんだ、て〜へんだ〜(汗)
ちゃん♪ちゃん♫
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