本日は大問4の論説文の解説です。
少し新しい形式の問題でではありましたが、
逆に簡単になっているような雰囲気でした。
内容をプレゼンテーション形式で、
パワーポイントにまとめているようなタイプの
問題でしたが、どこの何を読むべきかの
ガイドがあるような感じで解きやすかったです。
大問4雑感:苫野一徳『はじめての哲学的思考』より
現在の教育会では注目の若手ホープの先生の書籍からの出題です。
氏の書籍は学生でも非常に読みやすく、
哲学の入門や教育学の入門としてはおすすめの方です。
このような書籍もあり、
学生たちには是非とも目を通しておいて欲しい本です。
ぜひ、著者の名前を検索してみてください。
本の題で興味深いものが見つかるかもしれませんよ。
そのさいは、是非とも図書館を活用してみましょう!
難易度としては、この長文も簡単だったと感じましたね。
大問4-(1):品詞の判断問題
傍線部「あらゆる」と同じ品詞のものを、傍線部a~dから選び、記号で答えなさい。
a : 苦しい
b : ある
c : 小さな
d : かすかな
国語読解講座の第二回基礎学直前の授業で、
ちょうど説明をした品詞が出ました(笑)
「小さな」がなぜ連体詞となるのかの説明をしていたので
ちょっとズルいぐらいのタイミングでの出題でした。
「あらゆる」は名詞・体言を修飾します。
かつ、活用形はありません。
よって連体詞となります。
「苦しい」は、言い切りの形が「い」で終わりますから形容詞。
「ある」は、言い切りの形が「う」で終わりますから動詞。
「小さな」は、活用なしで名詞を修飾しますから連体詞。
「かすかな」は「な→だ」へ可能となり、形容動詞ですね。
よって答えは、「ウ」となります。
大問4-(2):抜き出し問題
傍線部①「自由に生きられない苦しみ」とあるが、現代人の苦しみとは何か。
本文中から十五字で探し、抜き出して答えなさい。
問われていることは、「現代人の苦しみ」です。
ということは、
「(現代人の)どのような【苦しみ】」
いう型で答えればいいということが分かります。
本文の中から、まずは「苦しみ」を探しにかかります。
手始めに傍線部付近から、なければ徐々に遠くへ。
そうすると、3段落に発見できます。
ご丁寧にも、その「苦しみ」付近には
「現代人」を言い換えた表現の「現代の僕たちは」までもあります。
答えは、「やりたいことがわからない苦しみ」ですね。
大問4-(3):抜き出し問題
傍線部②「何らかの仕方で欲望を見つけ出し、世界に彩りを与える」とあるが、これと対照的な考え方をしている部分を三十字で探し、初めの五字を抜き出して書きなさい。
これも、初めの五文字抜き出し問題です。
ただし、「対照的な考え方」という指示があります。
ということは、傍線部の内容と反対系の意味の文言を抜き出せばいいということになりますね。
設問を読み、何を答えるべきかを明確に!
これをしないのであれば、国語の問題を解くということをしていないのと同義です。
7段落に、「世界から彩を消し去り「空」の世界に生きる」
とあります。
明らかに「世界に彩を与える」の逆の言葉です。
上記の「生きる」から遡って30字を数え、初めの五字抜き出すだけです。
答えは、「過度の欲望」ですね。
大問4-(4)①:内容要約問題
傍線部③「僕は学生たちに、次の二つの方法をアドバイスすることがある。」とあるが、これについて近藤さんはスライドにまとめ、クラスで発表しようと考えた。スライドを見て、後の問いに答えなさい。
(1)スライド3の[ ]に当てはまる言葉を、本文中の言葉を用いて、十字以上十五字以内で書きなさい。
文章をパワーポイントでまとめ直した、要約問題です。
少し目新しい問題ではありますが、逆に解きやすくなっています。
わざわざスライド3という指示もあり、
そのスライドの中に「第一アドバイス〜気づき〜」や
・自分自身・やりたいこと・生き方がわかる。
・[ ]
・どんな人と共感し合えるかを知る。
というヒントが盛りだくさんだからです。
本文でどこを探しなさいよ、と言ってくれているに等しい問題でした。
上記の箇条書きの内容は、12段落に書いてくれています。
しかも、「わかる」「知る」という“know”という動詞を使う系であることも分かります。
その中で、箇条書きになっていない部分を書き抜くだけです。
答えは、「人とはちょっとちがう感受性に気づく」ですね。
大問4-(4)②:内容要約問題
スライド4の< >に第一アドバイスの効果についてまとめようとすると、どの段落を参考にすればよいか。最も適切な段落の番号を算用数字で書きなさい。
この問題では、第一アドバイスの効果のまとめ、を探す問題です。
まずは第一アドバイスがどの段落からどの段落まで書かれているかを調べましょう。
分かりやすく、「一つは〜」と書かれている10段落。
そして、「一方、〜」と書かれているのが14段落。
ということは、10〜13段落が第一アドバイスが書かれた内容です。
まとめは、最終段落と相場が決まっていますが、焦らず判断です。
12段落は11段落の内容説明。
そもそものアドバイスの内容が、
「価値観や感受性を刺激するものにたくさん触れること、そしてその経験を、人と交換し合うこと」
とあります。
この効果として、
「僕たちは自分の欲望を見つめ、これを育てていくことができるはずなのだ。」
と締めくくっています。
よってやはり、答えは「13段落」ですね。
大問4-(4)③:内容要約問題
スライド6の[ ]にあてはまる言葉を、本文中から二十字で探し、初めの五字を抜き出して書きなさい。
この問題にも「スライド6・第二のアドバイス〜気づき〜」
という第ヒントが与えられています。
前の問題から、第二アドバイスは14段落からとわかっています。
その中から、「[ ]に気づく」という答えのようなヒントがあり、
かつこのカッコの下には、
「自分の存在が、世界に意味を与えたことを知る」
という流れに沿うように答えを探すというルートまで用意されています。
普通に日本語が読むことができ、
流れというものを意識できる生徒であれば
これ以上に簡単な問題はなかったでしょう。
むしろサービス問題です!
答えは、「目に見えて」ですね。
大問4-(4)④:内容要約問題
スライド7の[ ]にあてはまる言葉を、「世界」・「欲望」という言葉を用いて、二十字以上三十字以内で書きなさい。
この問題を解くためには、
まずは、第二アドバイスの内容を押さえておく必要があります。
スライド5には、「キッチン掃除メソッド」を推奨していることが見て取れます。
では、このメソッドによる効果を以下の
「スライド7・第二のアドバイス〜効果〜:[ ]ことができる」
に当てはめて、答えを書けばいいということになりますね。
という第ヒントが与えられています。
前の問題から、第二アドバイスは14段落からとわかっています。
その中から、「[ ]に気づく」という答えのようなヒントがあり、
かつこのカッコの下には、
「自分の存在が、世界に意味を与えたことを知る」
という流れに沿うように答えを探すというルートまで用意されています。
「〜することができる」に「世界」と「欲望」を
はめ込むのですから、動詞の部分がポイントになるでしょう。
「世界をどうして、欲望をどうすることができる」という効果がある
という解答の型が見えてきます。
20・21段落にある「世界」と「欲望」という名詞が、
上記の型にハマるように抜き出せばオッケーです。
答えは、「[自分が世界とつながっていると実感でき、欲望を再び起動させる]ことができる」ですね。
論説文の考察
やはり、簡単でした。
むしろ、時間のない作文前の長文であることから、
解きやすくしてくれていることが伝わってくるような問題です。
第三回は、もう少し難しくしてくれることを期待しています。
簡単すぎると、また平均点が大幅に上がってしまい
学校でのボーダー調整がとんでもないことになってしまいます。
英語と国語が簡単で、数学が難しく社会理科は標準と言ったイメージです。
もうちょっと、中学校の平均点情報が集まってこなければ
全体像は見えてきませんね〜。
ちゃん♪ちゃん♫
いろんな質問にもここでお答えするよ!下のLINEからご質問どーぞ!
校
じゅくちょーの共著としての書籍第二弾、
『11人の敏腕塾長がこっそり教える 地方名門国公立大学 合格バイブル〜親子で読むと勉強にすぐ結果が出る!〜』
が発刊されました!
徳島という地方の受験生たちが、情報弱者として受験に対して後手に回らないためのお役立ち本間違いなし!
ぜひ、お近くの書店やAmazonにてご購入し、お手にとってお読みいただければ幸いです!(2022.8.20時点:勉強法のカテゴリーで現在17位!)
そして、第一弾となるKADOKAWAから出版された、
『自学力の育て方』も絶賛発売中です!