『2021年度 第一回基礎学「理科」の問題分析(3)』
さて本日は、「化学」の分析を行います。
珍しい構成として、化学が大問7と8に固められていました。
ページ紙面をA3用紙2枚に収めたいのでしょうね。
もう一枚増えるだけで、だいぶ量が増えますので。
苦手な生徒が多い、状態変化の融点と沸点の票を使った問題。
さて、どうなったことやら?
大問7 中1化学 物質の状態変化
これ系の問題は、ややこしい問題が多い印象です。
丁寧に情報を整理して、ある温度のときの状態を把握することが大切です。
(1)次の文は、融点・沸点について説明したものである。( ① )〜( ③ )にあてはまる適切な言葉を書け。
融点とは、物質が( ① )の状態から( ② )の状態に変化する温度のことである。また沸点とは、物質が( ② )の状態から( ③ )の状態に変化する温度のことである。
語句の知識の確認です。
もちろんのこと、「①:固体、②:液体、③:気体」となりますね。
(2)20℃のとき、液体の状態の物質を、A〜Fの記号ですべて選べ。
与えられている表を、以下のように捉えてみましょう。
実際に表に矢印を書くといいかもしれませんね。
20℃のときに、液体である物質ということなので、以下の図のように整理してみましょう。
一目瞭然となりましたね。
答えは、「BとCとF」ですね。
(3)90℃のとき、気体の状態の物質を、A〜Fの記号ですべて選べ。
上記と同じように考えてみましょう。
答えは明確ですね。
「BとE」となります。
(4)物質A〜Fのすべての温度を30℃にし、その後、物質A〜Fをそれぞれ1分間に1℃ずつ温度を上昇させたとき、最初に状態変化を起こすのはどの物質か。A〜Fの記号から1つ選べ。
なかなかいい問題です。
書かれていることの意味が分からず、解けなかった人もいるかもしれませんね。
『つばさ』では、問題を必ず『図示』することを求めます。
では、この問題も図示して考えてみることにしましょう。
書かれている設問を図示するとこのようになります。
この中で一番最初に状態変化をするということは、30℃から融点や沸点に変化するまでの間の温度差が小さいものが該当するという意味になります。
よって、答えは「A」ですね!
大問8 中2化学 物質の分解
かなり久しぶりの炭酸水素ナトリウムの分解の問題です。
第一回ではここ10年近くは出題されていません。
問題としては、ごくごく一般的な問題となっています。
(1)この実験で発生する気体を水上置換法で試験管Bに集めるときのようすを、解答用紙に書き入れよ。
ポイントとなる部分は、試験管の口にガラス管の先を入れておくこと。
試験管の中に、水が入っていること。
水槽に水が溜まっていること。
大丈夫だったでしょうか?
(2)この実験では、試験管Aの口を少し下に下げて加熱を行っている。このようにする理由を書け。
これも、ベタな問題となっています。
答えは、「発生した液体が加熱部に触れ、試験管が割れるのを防ぐため。」ですね。
注意点としては、何も考えることなく「逆流を防ぐため」と書くことですね。
それは、「加熱を止める前に、ガラス管の先を水槽から抜いておくのはなぜか?」の質問に対して答える問題です。
ちなみに、なぜガラスが割れるのかも答えられるようになっておくとかっこいいですかね!
(3)試験管Bに集めた気体の性質を調べるために、試験管B内に石灰水を入れると、石灰水が白く濁った。このことから、試験管B内の気体は何であると言えるか。名称で答えよ。
この問題は、ラストの「名称で答えよ」が一番重要ですね。
答えは簡単、「二酸化炭素」ですね。
(4)試験管Aの口付近に付着した液体が水であることを確認するために用いる試薬の名称を書け。また、その試薬は何色から何色に変化したか書け。
この問題は、「試薬」と書かれていることが気にかかります。
答えは当然、「塩化コバルト紙:青色から赤色(薄赤色or桃色)」。
ですが、試薬として塩化コバルト紙を書けばいいのかどうかは疑問の残るところです。
(5)加熱後の試験管A内には、炭酸ナトリウムが残っていた。次のア〜エは、炭酸ナトリウムについて説明したものであ。説明として正しいものを1つ選び、記号で答えよ。
ア 炭酸ナトリウムは、赤みを帯びた色をしている。
イ 炭酸ナトリウムは、炭酸水素ナトリウムより水に溶けやすい。
ウ 炭酸ナトリウムの水溶液は、炭酸水素ナトリウムの水溶液より強い酸性を示す。
エ 炭酸ナトリウムは、特有の刺激臭がある。
この問題は知っていれば瞬殺の問題です。
ですが、若干怪しい場合は消去法で考えるといいでしょう。
アは、赤い粉末の知識を掘り起こしてみるといいでしょう。
中学では銅粉か鉄サビくらいものですから、削ることができます。
イは、結構微妙なところではないでしょうか?
もちろん、知っておいて欲しい知識ではあります。
ですが、こう聞かれるとどっちか判断が難しい細かい知識です。
ウは、必須の知識ですので、これも違うと削ることができます。
エは、刺激臭の知識はそれほど多くないことから、これも違うと削れるでしょう。
よって、答えは「イ」となります。
消去法でもできないことはありませんが、覚えておいて損はない知識ですよ!
(6)次の式は、この実験でおこった化学変化を、化学反応式で表したものである。式中のア,イにあてはまる物質の化学式をそれぞれ書け。
2NaHCO3 → ( ア ) + ( イ )+H2O
(炭酸水素ナトリウム) (炭酸ナトリウム) (3の物質) (水)
これは、基本的な化学反応式の知識ですね。
ア:Na2CO3
イ:CO2
余裕ですかね。
次でラスト!
(7)この実験で起こった化学変化のように、1種類の物質が2種類以上の物質に分かれる化学変化を何というか?
ここにきて、かなり簡単な問題が登場しました。
基本語句中の基本語句です。
もちろん答えは、「(熱)分解」ですね!
化学の考察
化学は全体的に、基本語句の知識があれば解ける問題ばかりでした。
最後のページに2問がぎゅっと化学だけおさまった、コンパクトな問題。
ここで点数が稼げなければキツいかもしれません。
状態変化の問題の考え方は、上記の図で考えると楽に解けるようになります。
入試に備えてマスターしておくといいでしょう。
明日は、最後の分野「地学」の考察です!
問題分析はブログ化するのはめちゃくちゃ疲れますね。。。
学校