昨日に引き続き、令和2年度の第一回基礎学力テスト国語の
問題分析と考察の後半戦です!
日曜セミナーの第一回目で、
日曜も元気に出勤しております!
果たして、次はいつ休めるのか(笑)
いってみましょう!
- 本年度の入塾生は、あと3名とさせていただきます。
- 来年度の春期講習会からのご入塾のご予約は10名(仮)の予定です。
- 日曜セミナー『国公立大学:二次対策化学・物理・生物』は、10月4日(日)から全8回で開講します。
大問3:論説文『イルカの不思議』より:村山 司
この問題も、例年の論説文よりも簡単でした。
特に、解答を本文から見つけ出す作業がそれほど必要でなく、
設問の中から解答を見つけ出す作業が容易だったように思います。
(1)は、漢字の書き順。
「脳」の八画目をなぞりなさい。
ミスが出るのは「メ」の部分でしょうね。
にしても、簡単です。
(2)は、接続詞の適語選択。
ア:「また」…追加情報
イ:「とこで」…話の転換
ウ:「しかし」…逆説
エ:「つまり」…まとめ・要約
『しかし、もしイルカの脳半球が左右で別々にはたらいているとしたら、右眼でみた物と左眼で見たもののずれを脳の中でまとめて一つの像として作り上げることができないことになります。[ a ]、物が立体的に見えないことになるわけです。』
もちろん、前後の関係が、前のより詳しい説明となっています。
答えは「エ」ですね。
(3)は、大問2の最終問題のような形式の内容要約問題。
本文からヒトとイルカの脳について整理したものの3箇所の空欄に、(A)は二字で、(B)は三字で抜き出す問題でした。
最後の(C)は、「ずれ」という語句を用いて十五字以上二十字以内で書く問題。
『左右の脳の間では多くの( A )が行き来している。』
これは問題をそれほど読まずとも、『情報』と一般的な常識から推測できます。
Bも同様でした。
『両眼で物を見ると、( B )がわかる。』
これも、『遠近感』という予想は、中2の生物の知識から推測できます。
Cに関しては、先ほどの(2)の問題を解く際の文章の中に「ずれ」という語句が登場していることもあり、その前後をまとめてあげればOKです。
「左右の眼で見た物の(ずれを脳内で一つの像にまとめられない)。(18字)」
(4)は、段落選択問題。
「右脳が起きているときは左脳が寝ていて、逆に左脳が起きはじめると右脳が起きる」ことの具体例となる段落を選ぶ問題でした。
片方ずつの脳が寝ることの具体例ですので、ポイントは「寝ていること」です。
寝ていることの具体例は、「5段落」となります。
(5)は、傍線部の理由を答える問題。
「なぜ、イルカの脳はそんな起き方(眠り方)をしているのでしょうか。」
この理由を「呼吸」「敵」の二語を用いて「〜から」に続く形で三十字以上三十五字以内で要約します。
もしかすると、今回のテストでは一番時間のかかる問題だったかもしれませんが、「呼吸」と「敵」というヒントを与えてくれていることで、最終段落を要約すれば大丈夫だったでしょう。
『水面へ浮き呼吸せねばならず常に敵から襲われないか気をつけねばならない(から)(三十五文字)』
こんな感じでしょうかね。
(6)は、内容適文選択。
ア:イルカの脳は、左右に分かれていて完全に独立しているので、情報はそれぞれの脳で十分に処理され、海の中でも十分に眠ることができる。
イ:イルカの脳は、左右に分かれていてその間で情報の行き来が少ないため、命を守るために泳ぎながら睡眠を取ることができると考えられる。
ウ:イルカの脳は、左右に分かれて働いているという点で人間よりも優れているが、半球睡眠をしているために視力が弱く疲れやすいと言える。
エ:イルカの脳は、左右に分かれていないという点では人間よりも劣っており、さらに半球睡眠をするために疲労をため込みやすいと考えられる。
このような問題では、まずは同じ内容を見つけ、それ以外の部分で比較することが大切です。
前半の文章が全く同じですが、「エ」に関しては「左右に分かれていない」と内容からかして明らかに間違い。
(3)の問題で、人間とイルカの脳の情報を整理してくれている表から、「ア」も違うことは瞬時にわかります。
残すは、「イ」と「ウ」ですが、「ウ」で「人間よりも優れている」という文言は違和感がありますし、本文でもそのような記述はありません。
ということで、答えは「イ」ということになりますね!
大問4:古典「堤中納言物語(蝶めづる姫君)」
古典も、極々標準的な内容でした。
特段解説が必要かと思うほどです(笑)
注意すべき点があるとすると、問題をよく読むということぐらいですね!
(1)は、古典文法「〜の」の識別。
a:「蝶めづる姫君の住みたまふ〜」
b:「この姫君ののたまふこと〜」
c:「人々の、花、蝶や〜」
d:「よろづの虫の、〜」
「の」は、主格の「が・は」の働きがあ利ます。
a, b, c は主語として使うものです。
答えは、「d」。
(2)は、現代仮名遣いに直す問題。
「成らむ」
直してひらがなで全て書く指示があります。
「ならん」ですね!
(3)は、主語を指摘問題。
「いれさせたまふ」
これが誰がした行動かを判断します。
ア:「蝶めづる姫君」
イ:「按察使の大納言の御むすめ」
ウ:「親たち」
エ:「人々」
この問題は、今まで多くあったものではありません。
高校の古典読解では、最も重要なことの一つになります。
「この姫君の〜」の「この」が「どの姫君」であるかを明確にすれば、主語が見つかります。
答えは、「イ」ですね!
(4)の(1)は、古典文法問題。
「こそ」
この古典の特徴的な表現技法の名前を問われています。
古典文法の代表中の代表ですね。
答えは、「係り結び」。
ちなみに、
(1)文中の「ぞ・なむ」→文末は「連体形」・意味は強調
(2)文中の「や・か」→文末は「連体形」・意味は疑問(反語)
(3)文中の「こそ」→文末は「已然形(いぜんけい)」・意味は強調
この知識だけは、中学の古典では必須事項として覚えておきましょう!
(4)の(2)は、現代語訳選択問題。
先ほどの係り結びの「こそ」は強調の意味を持っています。
『心深きさましたるこそここにくけれ』
この文の意味を選択します。
ア:「思慮深そうな様子をしているのが奥ゆかしいのだ。」
イ:「思慮深そうな様子が奥ゆかしいのだろうか、いやそうではない。」
ウ:「思慮深そうな様子をしているのが奥ゆかしいのだろうか。」
エ:「思慮深そうな様子をしているのが奥ゆかしいのではない。」
強調の意味は「ア」ですね!
こうやって、この問題は判断すればいいのです。
(5)は、会話表現を見つける問題。
「 」をつけるべき箇所を見つける問題です。
「〜とて」は「と言って」という意味。
「とて」を見つけると、答えは簡単ですね。
初めの三文字は『これが』、終わりの三文字は『を見む』。
(6)は、内容正誤選択問題。
「物の正体を突きとめる」ために姫がしたこととして正しいものを、すべて選ぶ問題。
すべてという言葉を読み飛ばして、1つしか答えていない生徒もいたようです(笑)
ア:「たくさんの虫たちを籠箱の中で戦わせた。」
イ:「怖そうな虫を集めて様々な籠箱に入れた。」
ウ:「虫が殺されないよう手のひらでかばった。」
エ:「毛虫を手のひらに乗せて様子を見守った。」
これは、本文と照らし合わせて解答を選ばねばなりません。
解答は、「イ」「エ」ですね!
しっかりと古典対策をしている生徒たちなら
自信を持って答えを選ぶことができたかもしれませんね。
このレベルの古典であれば、
1週間のテキスト対策で十分対応可能ですよ!
大問5:作文(徳島新聞の動物の「多頭崩壊」のコラムから)
配点は15点。
いつも通りの条件です。
特段変わったことはありません。
第一回基礎学の傾向と同じです。
ふぅ、結構気合を入れて分析をしました。
疲れましたね(笑)
明日、返却される中学校も多いでしょう。
『つばさ』の生徒たちもどんな顔で塾に来てくれるやら〜。
ちゃん♪ちゃん♫
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