本日は、論説文の分析を。
大問1、2、3は比較的簡単でした。
待ち構える、論説文はどうでしょうか?
そして、最後の作文はいかに?
基礎学の底力を味わいたいですね!
大問4:論説文『大人のための偉人伝』より:木原 武
小説のときと同様に、文章から読まずに
まずは設問から読み、徹底的に問われていることと
問われている内容を分析解釈してから
本文の中で解答を探しに行く方式で解いてもらいたいと思います。
冒頭の2段落だけご紹介し、あとは設問を読み解くことにしましょう。
報われない努力を一つ一つ嘆いていたら、エジソンはとうてい発明王にはなれなかったことだろう。報われない努力にどう対処するかというところにこそ、その人間の素顔が現れるものなのである。
発明家に限らず、誰もが一番心がけ、願っているのは、みずからの努力が報われるということであって、有能な人間というのは、たくさん努力をする人というよりも、むしろ、報われる努力をするコツを心得た人だと言っていい。発明家としてスタートしたばかりのエジソンが早々に学んだこともこのことだった。
「大人のための偉人伝」より
グッと来る冒頭ですね。
生徒たちに本当に伝えたいことが書かれているように感じます。
(1)は、接続語選択問題。
( a ) ( b ) に入る最も適切な言葉を、次のア〜オから選び、それぞれ一つずつ記号で答えなさい。
ア:ところで
イ:それとも
ウ:ところが
エ:また
オ:たとえば
( a ) では、エジソンが「社会的発明家」と呼ばれた説明が前にあり、その後ろにはその例示がしめされています。
( b )では、「改良的発明」の説明が前にあり、その後ろには、それと対比関係にある「創造的発明」の説明があり逆説となっています。
よって、答えは「a:オ(たとえば)」、「b:ウ(ところが)」です。
(2)は、傍線部の意味を答える問題。
傍線部「興味深いエピソード」とあるが、どのような点が「興味深い」のか。最もふさわしいおmのを、次のア〜エから選び、記号で答えなさい
ア:エジソンが便利で能率的なものを目指して作ったので、社会から高い評価を受けたということ。
イ:エジソンが便利で能率的なものを目指して作ったため、時間の短縮が可能になったということ。
ウ:エジソンが便利で能率的なものを目指して作ったはずが、その機械の性能が悪すぎたということ。
エ:エジソンが便利で能率的なものを目指して作ったものが、全く受け入れられなかったということ。
まずは設問の解釈と問われていることの確認から。
答える必要がある内容は、どのような点が「興味深い」のか、ということ。
ではそもそもの、「興味深い」という言葉を言い換えて解釈してみましょう。
人はどのようなときに、「興味深い」という気持ちとなるのでしょうか?
そうですね、「自分の知っていることに対して」は興味を持てませんよね。
つまり、「自分の頭の中にはないことや、実際とは逆」のことですね。
冒頭文で、エジソンは発明王というイメージに反して苦労をして来たような内容が書かれています。
このことから考えても、興味深いこととなるのはマイナスのイメージの内容です。
選択肢としてはウかエの可能性が高くなります。
5段落を読めば、答えはおのずと「エ」であることが分かりますね。
(3)は、指示語を指し示す問題。
傍線部「これがエジソン伝の『定説』となっている」とあるが、「これ」が指す部分を本文中から探し、初めの五字を抜き出して書きなさい。
これこそ、前後から内容を見つける問題です。
この問題のやっかいなところは、「一文」抜き出しではないところです。
「これ」に該当する内容部分だけを抜き出します。
よって、余分な内容は入れないようにする必要があるのです。
算数や数学でいう「検算」のように、
実際に「これ」の部分に入れてみて違和感がない文章になれば
答えとなるでしょう。
6段落の1行目、「報われぬ努」ですね。
(4)は、内容要約問題。
傍線部の③・④について下の表のようにまとめるとき、あとの問いに答えなさい。
① 次のア〜エの発明品を、「改良的発明」か「創造的発明」のどちらかに分類し、記号で答えなさい。
ア:白熱電球
イ:活動写真
ウ:蓄音機
エ:多重電信機② 表の( )にあてはまる言葉を本文中から七字で探し、抜き出して書きなさい。
改良的発明 | 創造的発明 | |
発明品 | ||
あてはまる言葉 | 必要は発明の母 | 発明こそは必要の母 |
発明のきっかけ | 人々の必要から生まれる | ( )から生まれる |
少し変わった形式の問題ではありますが、
それでもとても簡単です。
大問1のbの問題を解くときに、この発明の内容は目にしています。
9段落を読めば、綺麗に書いてくれています。
改良的発明:ア、エ
創造的発明:イ、ウ
で終わりです。
②の問題も、( )から生まれるとあるので、
本文中から「〜から生まれる」という言葉を探しましょう。
同じ9段落の10行目に、分かりやすく書いてくれています。
「発明家の遊び心」から生まれる、ですね。
ここも楽勝です。
(5)も、内容要約の記述問題。
傍線部「新しい必要を創造した」について、次のように説明するとき、「 」にあてはまる言葉を、「…ことで、…」という形で、25字以上30字以内で書きなさい。
エジソンは人々を「オモチャ」に「 」ということ。
この最後の問題だけは、少し難しかったのではないでしょうか。
なぜなら、「内容を問われていることに合わせて編集させる問題」
だったからです。
9段落11〜13行目:「人々はその「オモチャ」に親しむうちに、それがなくては生活できないようになる。こうして、電話や映画、蓄音機などは役に立つものとなり、人々は初めからそれを必要としていたかのように思い込む。」
とあります。
設問は、
「新しい必要を創造した」=
エジソンは人々を「オモチャ」に「 」ということ
となるように、「」に語句を当てはめることです。
「エジソンは」が主語です。
よって、「人々に「オモチャ」に『〜させる』」が
ふさわしい形となるでしょう。
となると、「『オモチャ』に親しませる」はまず含まれます。
次に、「創造する」を言い換えると、
「なかったものを生み出す、ゼロからイチを生み出す」
という意味となります。
この言い換え表現とイコールになる内容としては、
13行目の部分ですね。
よって、
「新しい必要を創造した」=
エジソンは人々を「オモチャ」に「親しませ、初めからそれを必要なものであったと思い込ませた(28字)」ということ
で、オッケーでしょう。
いい問題です。
大問5:作文
非常にテーマが面白い作文でした。
「会社の入社時に重視したことと現在重視していること(30歳未満)」
という内容をテーマにしたアンケート結果が題材として与えられています。
- 自分のやりたい仕事ができること
- 人間関係がよいこと
- 会社の将来性
- 会社の規模や知名度
- 自分の能力を高めることができること
このようなことが、アンケート内容となっています。
なかなか、尖った題材ではないでしょうか?(笑)
書き方の手順が示されており、
二段落構成の前段には、グラフから読み取ったこと。
後段では、前段を踏まえて、進路を選ぶ上で大切にしたいと考えること。
ここまでお膳立てがあるのですから、
徳島の作文は非常に簡単であると言えますね。
ということで、4回にわたって分析を続けて来ましたが、
全体的には「非常に簡単」だったと言えると思います。
ちゃん♪ちゃん♫
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