読解のポイントは以下の3つ。
- 設問で「何が問われているのか」「どのように答えなければならないか」正しく把握する
- 傍線部の文章の中の「あるとないとでは意味が変わる語句」を別の表現に言い換え解釈する
- 選択肢を細かく区切り、本文と照らし合わせて根拠をもとに誤りを判断する
今回は、2つめのポイントについて説明することにしましょう!
文章の中の「あるとないとでは意味が変わる語句」とは?
今回も小学生の中学受験用の国語読解の設問文を例にしてみましょう。
選択肢の選び方は次回に続きます。
(2)傍線部②「顔をしかめて、身をひいたが、ぱっと頬が熱くなると、きみ子はまごついて、素直に受け取った。」とありますが、このときのきみ子の気持ちを表しているものをア〜エから選んで記号を書きましょう。
さて、なかなか長い設問です。
「顔をしかめて、身をひいたが、ぱっと頬が熱くなると、きみ子はまごついて、素直に受け取った。」
まずは主語と述語、
つまり「だれが」「どうした」の部分だけを
シンプルに抜き出してみましょう。
「きみ子は、受け取った。」
この文に、「かおをしかめて」を加えると
文章の意味は変わりますか?
そうですね、変わります。
では、どんな意味が付け加えられるでしょうか?
「かおをしかめて、きみ子は、受け取った。」
- 不快感で(顔をゆがめて)、〜
- 嫌な感情で(渋い顔になり)、〜
- 不機嫌で(眉をひそめて)、〜
と、このような意味が付け加わることが分かります。
生徒たちが読解テクニック以上に語彙力が求められるのは、
まさにこの部分です。
語句の言い換えができること。
これが求められる語彙力となります。
言い換えて解釈を深めるとは?
他の「あるとないとでは意味が変わる語句」の
言い換え・解釈を進めていきましょう。
「かおをしかめて」
- 嫌な気持ちで
「身をひいた」
- 自分の意思で(その場や行いから)離れる
「ぱっと頬が熱くなる」
- 恥ずかしさなどで顔が熱い感じを持つ
「まごついて」
- (困った様子で)もじもじして
「素直に」
- 抵抗することなく、いやがらず
つまり、
「顔をしかめて、身をひいたが、ぱっと頬が熱くなると、きみ子はまごついて、素直に受け取った。」
=「嫌な気持ちでそっぽを向いたが、(何かに気づき)恥ずかしさなどで顔が熱くなり、きみ子はもじもじしながら、抵抗せずに受け取った。」
と、このように傍線部の内容を解釈することができました。
解釈が深めるとは?
そしてこの設問は、
「このときのきみ子の気持ちを表しているもの」
を選択肢の中から探す問題です。
もう、ほとんど本文を読まずとも、
この傍線部のきみ子の気持ちが
浮かび上がってきていませんか?
この「あるとないとでは意味が変わる語句」を
言い換えることで、傍線部の内容が
より深く解釈できるようになります。
そして傍線部の解釈を深めれば深めるほど、
その問題で問われていることが何なのかが
明確になっていくのです。
2つ目の読解ポイントは、この
傍線部の言い換えが読解の難しさの要因
だとも言えるでしょう。
ですがこれをせずして、
読解は何もしていないのと同じです。
傍線部を解釈してからが、
ようやく解答を探し始める初段階となるのです!
必ず、絶対に、何があっても傍線部の解釈はしてくださいね。
2つ目の読解ポイントのまとめ
2つ目の読解ポイントを実行して問題を解くためには、
- 傍線部の「だれが(主語)」「どうする(述語)」を抜き出す
- その他の語句のなかで、「あるとないとでは意味が変わる語句」をあぶり出す
- その言葉を、別の表現やその言葉の持つ意味で言い換え解釈を深める
- 解釈を深めてから、設問に答えにふさわしいものを選び出す
ということになります。
国語読解は地味な作業です。
日本語で書かれているからこそ、
面倒なことを避けて通りたいのが人間というもの。
ですが、その面倒なワンクッションを挟むことこそが
読解の最も重要な部分となるのです。
さぁ、残りはあと1つ!
3つのルールを守って、
読解力を向上させ
他教科の学習にも役立てていきましょう!
(つづく)
ちゃん♪ちゃん♫
学校