『最先端の入試とは!?(1)』
大学入試共通テストまで、あと297日!
中学校別:基礎学平均点情報ページは、コチラ!
劇作家の平田オリザ氏の講演を聞く機会がありました。
平田さんは、さまざまな学校と連携し
新しい教育の開発や、入試方式の提案などもなさっています。
国際観光芸術専門職大学という
公立の芸術大学の学長就任も決まっており、
大学入試改革にも携わっておいでです。
平田さんは大学入試改革に携わる中で、
さまざまな大学入試の問題点なども指摘されています。
例えば、「東工大の8・7・6問題」です。
現在文科省は、大学におけるすべての授業を
アクティブラーニング化するように求めています。
ですが、大きな問題が立ちはだかっているとのことでした。
東工大は特に大学一年生のいわゆる「初年次教育」に力を入れいます。
入学直後の4月〜6月に「立志プロジェクト」という授業を展開しています。
平田さんも毎年呼ばれ、講義をしています。
内容としては、
- 各分野の専門家から90分の特別講義を受講
- クラスに持ち帰り、4、5人のグループでディスカッション
- まとめて、プレゼンテーション方式で発表
このようなアクティブラーニングとなっています。
そして、この中のグループディスカッションにて
独自の悩みを抱えることとなりました。
それが「東工大の8・7・ 6問題」です。
- 8割以上が男子
- 7割以上が関東圏の出身
- 6割が中高一貫校出身
という、学年を構成する学生の構成の偏りを指します。
このような偏りが大きいクラス編成では、
授業をアクティブ化しディスカッションを導入したとしても
結局は同じような意見ばかりが出てしまうという問題が表面化しました。
文科省が掲げる新しい学力観の中の
「主体性・多様性・協働性」における多様性は、
個々の生徒・学生の側だけの問題ではありません。
大学側にも学生たちの多様性を積極的に取り入れようとする
入試制度の工夫が必要になってきているのです。
もうすでに世界の大学では、
従来型のペーパー試験における「公平性」とは違う尺度を導入しつつあります。
日本では、「学力試験は努力した人間が報われる最も公平な制度だ」
という意見が多くの割合を占めているでしょう。
ですが、努力は人間の能力の一つの側面に過ぎないのではないでしょうか?
このような尺度のみで大学を構成する学生たちに偏りを生み出すことで、
「問題解決」が求められる現在の人材像を育てられなくなってきているのです。
一つの尺度で一つの能力を測る試験から、
多様な尺度で多様な能力を見る試験へ、
さらには共同体の構成員を決めていく選抜へ、
大学入試改革の本質は実はここにあるのです!
ちゃん♪ちゃん♫
<続く>
学校