『2021年度、第一回基礎学力テスト国語の分析(1)』
大学入試共通テストまで、あと85日!
公立高校入試まで、あと138日!
第二回基礎学力テストまで、あと27日!
中学校別:基礎学平均点情報ページは、コチラ!
情報解禁!じゅくちょー共著の書籍は、コチラからご予約できます!
第一回の基礎学が終了し、
だいぶのこと時間が経ちましたが
いよいよ国語の問題分析を始めていきます。
今日は漢字などの語句の知識問題の大問1と、
小説の長文問題である大問2の分析を行うことにいたしましょう。
今回の小説の題材と内容が本当に良くて、
親御さんたちにもぜひ目を通していただきたい文章でした!
大問1:漢字の読み書き・文法・熟語と行書の知識
今回、漢字のミスが目立ちました。
決して難しい訳ではありませんでしたが、
問題を見てみることにしましょう。
(1)は、漢字の読み。
a: 国が繁栄する。 b: 唯一無二の存在。
c: 道を譲る。 d: 恩恵を被る。
dで間違った子がやたら多くいました。
「こおむる」と書いた子も多かったようですが
「こうむる」が正しい解答ですね。
(2)は、漢字の書き。
a: 災害からのフッコウを支援する。b: 文学にカンシンがある。
c: 友人に本をカす。 d: 先祖をオガむ。
うーむ、何も難しいところはありませぬ。
(3)は、行書の書き順変化の知識を問う問題。
設問文がイヤらしかったので、示してみます。
行書で書かれたア〜エの漢字のうち、楷書で書いた場合の画数が「最」と同じものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア: 税 イ: 訓 ウ: 魚 エ: 料
ブログの表記では行書にできませんでした(笑)
行書から楷書に書き直したときの画数という指示を読み飛ばしている子も多かったのではないでしょうか?
答えは、「ア」ですね。
(4)は、簡単な国文法の問題。
次の分の主語を抜き出して書きなさい。
「夕方になり、海も赤く染まった。」
主語の発見は、まずは述語動詞を見つけることから。
「染まった」→「何が?」→この部分が主語となります。
よって答えは、「海も」ですね。
と、ここは満点をとって欲しいところですね。
大問2:小説『105度』より:佐藤まどか
人がどのように生きていくかということを、
デザインをする側とそれを形にする側の
2者の立場から考える良問でした。
策問者の選定の意図が非常に伝わってきて、
問題を読みながらほくそ笑んでしまいましたね(笑)
(1)は、語句の適語選択問題。
( a )に入る言葉として最も適切なものを、ア〜エから選び、記号で答えなさい。
ア ふらふら イ すごすご
ウ どやどや エ ずんずん
案外、「すごすご」の意味がわからなかった生徒が多かったようです。
「気落ちして、元気がなくなりしょんぼりしている様」
という意味です。
前後から、主人公の真くんとの口論の末、怒って帰ってしまう梨々。
この様子から、「イ」であることが読み取れますね。
(2)は、短文の適文選択問題。
( b )( c )に入る言葉として最も適切なものを、ア〜エから選び、記号で答えなさい。
ア なんで知ってるの?
イ どういう意味?
ウ そりゃ、できないよ。
エ そんなの、わからないよ。
( b )の前後関係は、
「〜できんのか?」
「( b )」
「だろ?〜」
この流れから、答えは「ウ」であることは容易に判断できます。
( c )の前後関係は、
「〜するのも、よくねぇ。」
「( c )」
「つまり、〜。」
「つまり」で受けているということは、前の内容を詳しく説明してくれている、補足的な内容となっています。
相応しいの流れとなるのは、「イ」となりますね。
(3)は、登場人物の説明を選ぶ、適文選択。
ア:真と梨々との考え方の違いからイス制作の意欲を失いつつある。
イ:じいちゃんは、真のイス制作に取り組む姿勢に満足し安心している。
ウ:真と梨々は互いに意見を言い合ってイス制作に取り組んでいる。
エ:じいちゃんは、真と梨々との関係にいつも口を出して指導している。
これは簡単に誤りの部分を指摘できますね。
答えは、「ウ」です。
(4)は、傍線部の理由の13文字での抜き出し問題。
「あやまりたいような、あやまりたくないような。」
梨々を( )という後ろめたさはあるが、自分の言い分も聞かず梨々が勝手に帰ったことには腹が立つという気持ち。
ポイントとなる言葉は、「( )という後ろめたさ」の部分ですね。
( )に入るのは、後ろめたさとイコールの関係となるという意味です。
「梨々に( )してしまった後ろめたさ」、と考えればおそらく
「傷つけてしまった」系の内容が簡単に予想できます。
答えは、42行目の
「傷つけるようなことを言った」でいいでしょう。
(5)は、対話文形式の内容要約問題。
先生 : イス制作について、梨々と真の姿勢を比べてみましょう。
佐藤 : 時間がないと焦る梨々に対して、真が集中してデザインを進められなかった様子は、彼の「( A )」という行動からわかります。
先生 : すれ違った二人の様子を見て、「じいちゃん」は真を諭してくれたのですね。「じいちゃん」は( B )をイスの背もたれの角度に例えて、105度がいい角度だと言っていますが、それは何を伝えたかったのでしょうか。
佐藤 : 人と人は( C )のがよいということを伝えたかったのではないでしょうか。
先生 : 真は、( D )に気づいたのでしょうね。
①( A )に入る最も適切な一文を本文中から抜き出し、初めの三字を書きなさい。
集中してデザインを進められなかった理由が行動となって現れている部分を探せばいい訳ですね。
集中できていない生徒の行動は、じゅくちょーはよく知っています(笑)
ペンを回したり、爪をいじってみたり、頬杖をついて明後日の方向を見たり。
真くんも同様に、6行目から似たような行動をしています。
答えは、「手だけ」となりますね。
②( B )に入る最も適切な言葉を、本文中から四字を抜き出して書きなさい。
ここは簡単でした。
「Bをイスの背もたれの角度に例えて」とあります。
本文中から探すまでもなく、答えは66行目の「人間関係」となりますね。
③( C )に入る言葉を、本文中かの言葉を使って五以上十字以内で書きなさい。
「人と人は( C )のがよい」とあります。
本文中の後半では、「寄りかかりきってしまうこと」に対しての指摘をしています。
このことから、「寄りかかりきる」ことが問題であることが分かります。
では、どのように「寄りかかる」ことが大切かと述べているでしょうか。
66行目の言葉を引用して、少し付け加えると
「互いに軽く寄りかかる<十字>」で大丈夫でしょうね。
④( D )に入る言葉として最も適切なものを、ア〜エから選び、記号で答えなさい。
ア:梨々がストレスを発散したことに、大人気なく腹を立ててしまったこと。
イ:梨々の制作に対する想いを理解せず、自分の役目を果たせなかったこと。
ウ:梨々に頼らなくても、自分だけの力で作品を完成させられるということ。
エ:梨々のモデラーとしての実力を認めず、素直に頼ろうとしなかったこと。
84行目に、「突然、全てを理解できた気がした。」とあります。
気づいた内容は、ここからスタートします。
自分が寄りかかりきってしまっていたことに気づいた真くん。
その内容に該当するのは、「エ」となりますね。
半分の総括:大問1が少し難しい?
決して難しいとは言えない問題です。
大問1の語句の知識の問題が少しだけ捻っていたかな、という印象です。
小説は非常に簡単で、選びやすい問題でした。
ですが、『つばさ』でも大問1でかなりの生徒がミスをしていました。
特に「被る」ですね(笑)
後半は、論説と古文です。
お楽しみに〜!
ちゃん♪ちゃん♫
学校