本日は、理科の問題分析3回目です。
今回の分析は「物理」分野を行います。
出題単元は、「電力(発熱)」と「音」でした。
どちらの問題も、原理を問う
すこし捻った問題であったと思います。
難易度的には「普通」レベルです。
解ける問題は解ける。
解けないのは解けない。
そのような問題の作りでしたね。
今日は、そんなお話です。
大問2【中2物理】:電力(発熱)
発熱の単元は、
意外と苦手な生徒が多い印象です。
オームの法則や左手の法則が
目立つからなのでしょうかね。
あまり練習をしていないイメージです。
定期考査も、中3の最後の単元ということもあり
テスト範囲で全て入らないことも原因かもしれません。
図1のように、ドライヤーと電気スタンドを同じテーブルタップにつないで、家庭用の100Vのコンセントにつないだ。図2は、それぞれの電気器具についている消費電力の表示を示したものである。次の問いに答えなさい。ただし、ドライヤーと電気スタンド以外の抵抗は考えないものとする。 【図2の資料から】 ・ドライヤー:100[V] – 1200[w] ・電気スタンド:100[V] – 40[w] |
このような問題ではほとんどの場合、
「 100[V] – 〇〇[w]」
という表記があります。
これは、100[V]の電圧をかけたときに
〇〇[w]になりますよ、ということを表しています。
このことから、電力の公式とオームの法則より、
電流と抵抗が導き出せるようになっています。
まずは、これをしておくことが
問題をスムーズに解いていく下準備と言えます。
あなたはこれを癖づけてやっていますか?
ドライヤーは、
1200[w] = 100[V] × X[A]
電流X[A] = 12[A]
抵抗[Ω] = 100[V] ÷ 12[A]
抵抗[Ω] = 25/3[Ω]
電気スタンドは、
40[w] = 100[V] × X[A]
電流X[A] = 0.4[A]
抵抗[Ω] = 100[V] ÷ 0.4[A]
抵抗[Ω] = 25[Ω]
ここまでサクッとやってから、
問題を解いていくとよいでしょう。
(1)電流が流れたとき、電流が流れる向きと反対の向きに動線の中を移動する、−の電気をもった粒子の名称を書け。
これは簡単ですが、解い方が原理からくるものですね。
この問い方であれば答えが浮かばないという人もいたかもしれません。
答えはもちろん、「電子」ですね。
(2)電気抵抗が大きいのは、ドライヤーと電気スタンドのどちらか。
はい、さきほどしておいた計算が役に立ちました。
常識的にも分かる問題といえば分かるのですが、
数値でしっかりと出せるようになることも大切です。
答えは、「電気スタンド」ですね。
(3)次の文中の( ① )、( ② )にあてはまる語や式の組み合わせとして正しいものを、次のア〜エから1つ選べ。
図1のテーブルタップにつながれたドライヤーと電気スタンドは、( ① )になるように配置されている。したがって、同時に使用したとき、図1の点P、ドライヤー、電気スタンドに流れる電流の大きさをそれぞれ I1, I2, I3 とすると、その間には( ② )という関係が成り立つ。
ア:① 直列繋ぎ ② I1 = I2 = I3
イ:① 直列繋ぎ ② I1 = I2 + I3
ウ:① 並列繋ぎ ② I1 = I2 = I3
エ:① 並列繋ぎ ② I1 = I2 + I3
いい問題ですね。
こう問われるとパニックになる生徒もいるでしょう。
しかし、それほど難しいわけでもありません。
家庭用のコンセントは、例外がない限りは
「並列」でつながれています。
それは、繋いだ機器に対して同じ電圧を
かけられるようにするためですね。
だとするなら、「並列回路」の電流電圧のルール通り
解答を選べば良いことになります。
よって答えは、「エ」ですね。
(4)ドライヤーを4分間使用した時の電力量は何kJか。
純粋な電力量を求める問題ですね。
電力[w]という単位は、
電流と電圧をかけた『1秒間』のエネルギーです。
4分間ということは、240秒間となります。
1200[w] × 240[秒] = 288000[J]
これを、[kJ]の単位に直すと、
答えは、288[kJ]となりますね。
単位をちゃんと直しましたか!?
(5)ドライヤーを4分間使用したときと同じ電力量で、電気スタンドは何分間使用できるか?
(4)ができていなければ解けない問題です。
電気スタンドは、1[秒]で40[w]の電力を使います。
288000[J]の中に、40[w]が何秒分あるかを考えればいいわけです。
288000[J] ÷ 40[w] = 7200[秒]
7200[秒] ÷ 60[秒] = 120[分]
答えは、「120分」となりますね。
案外、(3)で間違う生徒もいたかもしれません。
苦手な子は(4)(5)は全滅だったでしょう。
残りの基礎学第二回第三回では、
電気回路・磁界・静電気を練習しておきましょうね!
大問6【中1物理】:音
この音の単元は、
非常に簡単でした。
満点を取ってもらいたい問題でしたね。
(1)[実験1]で図1のときよりも、強く弦をはじいたときのオシロスコープのようすを表したものはどれか。次のア〜エから選べ。
音の大きさは、「振幅」の大きさで決まります。
「振動数」が同じで、「振幅」だけ大きくなっているものを
探せば答えというわけですね。
つまり、答えは「ア」となります。
瞬殺だったでしょうかね?
(2)次の文は、音の大きさについて説明したものである。( ① )、( ② )にあてはまる語の組み合わせとして正しいものを、表1のア〜カから選べ。
ア:① 振動数 ② Ⅰ
イ:① 振動数 ② Ⅱ
ウ:① 振動数 ② Ⅲ
エ:① 振幅 ② Ⅰ
オ:① 振幅 ② Ⅱ
カ:① 振幅 ② Ⅲ
とてもいい問題でした。
特に振幅の大きさが、
波形の中のどこを指すかというところで
ミスが出ているような気がしますね。
答えは、「エ」となります!
(3)[実験1]で、図2の音のときの振動数は何Hzか。
振動数(周波数)は、
「1秒間であれば何回振動するか」
を表したものです。
公式だけ覚えていればできると勘違いしている人もいませんか?
この問題では、自分で1振動に対して何秒かかっているかを
資料から導き出さなければなりません。
安易な作業暗記学習で学習しているつもりとなり、
意味を理解しながら学習しないことで楽な方を選び
結果が出ないことは自業自得となりますよ!
1振動は、0.004[秒]となっていました。
1[秒] ÷ 0.004[秒] = 250[Hz]
となり、答えは「250[Hz]」となりますね。
(4)[実験2]で、[実験1]より高い音を出すためには、ことじはa、bどちらの方向に動かすとよいか。また[実験1]より高い音を出したときの、オシロスコープの波形の様子は次のア〜ウのどれか。
弦を短くすることで、振動数が増えます。
「振動数が増える」=「音が高くなる」
これらのことから、
答えは、「方向:b、波形:イ」となりますね。
非常に簡単な問題でした。
物理講評:普通!?
「生物」「地学」「物理」と
解説を書いてきました。
ここまでのところの感想として、
「これはどうなる」
という一問一答の知識は当然なのですが、
「なぜそうなる」
の理由や根拠、原理原則などの知識が
必要不可欠な問題形式となっています。
これは理科だけではなく、
全教科に言えることとなります。
「なぜを考えること」
これは今後の学習の大きなテーマとなりそうです。
丸暗記と対極になる考えかもしれませんね。
このブログで警鐘を鳴らし続けててきたことが
本当に大事なこととなってきたわけですね。
明日はラストの化学の解説です!
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