じゅくちょーの雑談

R6年度 第1回基礎学力テスト、理科の問題分析(2)

じゅくちょー

本日は、理科の問題分析2回目です。

今回の分析は「地学」分野を行います。

地学単体では「普通」レベルでしたが、

かなり巧妙な引っかけもあり、

難易度に反して点数は低い気がします。

皆さんはどうだったでしょうか?

今日は、そんなお話です。

大学入学共通テストまで、あと105日!!

徳島県公立高校入試まで、あと132日!!

R6年度 第二回基礎学力テストまで、あと39日!!

基礎学平均点情報ページは、コチラ

大問3【中2地学】:気象観測

「吹き流し」と乾湿計を用いた気象観測問題でした。

序盤は引っかけが目立ち、後半は原理を問う作り。

ここは点数を落とした生徒も多そうです。

では、見ていきましょう!

(1)図1のような装置を使うと、軽い紐のなびく方向で風向を知ることができる。図2は図1の装置を上から見た図である。このときの風向を16方位で答えよ。

風向は、その地点に対して

「どちらから風が吹いてくるか」

を表したものです。

驚くほどに勘違いが多いのは、

「風が吹いていく方向=風向」

と思い込んでいることです。

図2を見ると、ひもは「北東」

流れています。

ということは、答えは「南西」ですね。

(2)風向:南東、風力:3、天気:くもりを天気図記号で表せ。

これはとてもベタな問題でした。

天気図記号を覚えていない生徒もいたかもしれませんね。

答えは、以下のようになります。

(3)図3は乾湿計と示度を拡大したものである。湿球温度計の示度は隠されている。しかし、このときの湿度は69%であることがわかっている。また、表1は湿度表で、表2は、各温度での飽和水蒸気量を示している。これについて、次の①〜③に答えよ。

これは、湿度が何であるか、

どのような原理で求められるものなのか、

意味が理解できていなければ解けなくなっている

問題でした。

① 観測の際、乾湿計を置く場所としてもっとも適切なものを次のア〜エから1つ選べ。

ア:地上0.5mくらいの風通しのよい日かげ
イ:地上0.5mくらいの風通しのよい日なた
ウ:地上1.5mくらいの風通しのよい日かげ
エ:地上1.5mくらいの風通しのよい日なた

観測の目的と理由、その条件を問う問題ですね。

乾湿計の測定においては、

正確な温度と湿度を測定するために、

外部の影響を懸念する必要があります。

日が当たり過ぎると、気温が上昇し

湿度が正確に測れません。

自然の空気を正確に測定するため、

風通しの良い場所が理想です。

低過ぎる場所では、

地面の温度の影響を受ける可能性があります。

このことから、答えは「ウ」だとわかりますね。

② このときの湿球温度計の示度はどのようになっているか。乾球温度計にならって解答欄に示せ。

問題文と図3の情報をまとめておきましょう。

湿度:69%
気温:16℃

表1の湿度表から、16℃で69%の示度の差を見ると、

「3.0」とあります。

問題は、湿球温度計の示す温度を作図せよとあります。

湿球温度計は、先端についている水を湿らせた綿が

蒸発するときの気化熱によって、

乾球温度計よりも温度が下がって示されます。

よって、気温は16℃ですから、

「13℃」を示すところに作図をすればOKですね!

③ このときの露点として、もっとも近い温度を表2にある温度から選べ。

問題文と図3、表2の情報をまとめておきましょう。

このように考えると、

表2から10℃のときの飽和水蒸気量が「9.4g/㎥」だと分かるので、

答えは、「10℃」となりますね。

原理をしっかりと理解できていなければ解けない

良問でした。

大問4【中1地学】:柱状図

柱状図の問題は、とにかく解くための絶対のルールがあります。

それが以下のような情報をまとめ方です。

このように情報をまとめずして、

柱状図の問題は解けないものと考える方が

良いかもしれませんね。

問題を見てすぐにこのように情報をまとめておくなら、

非常に簡単に問題を解くことができたでしょう。

(1)次の文は、柱状図Ⅰのa~cの地層が堆積した期間の、この地域の環境の変化について説明したものである。( ① )、( ② )にあてはまる語の組み合わせとして正しいものを次のアエから選べ

柱状図Ⅰのa~cを比較すると、上の層ほど地層をつくる岩石の粒の大きさが( ① )なっている。このことから、この地域は河口からの距離がしだいに( ② )なったと考えられる。

ア:① 大きく ② 近く
イ:① 大きく ② 遠く
ウ:① 小さく ② 近く
エ:① 小さく ② 遠く

体積した岩石の粒は、大きい順から

・れき岩:2mm以上
・砂岩:2~0.06mm程度
・泥岩:0.06mm未満

ということは、砂岩の大きさだけを

しっかりと覚えていれば、

れき岩と泥岩は区別できますね。

そして、粒の大きさはそのまま

質量の大きさに比例します。

質量が大きければ、

水中でもその重さゆえに早く沈みます。

よって、れき岩は「早く沈む=浅い地点」、

泥岩は「遅く沈む=深い地点」であることが

理解できるでしょう。

よって、答えは「ア」ですね。

(2)この地域の地層からサンゴの化石が見られた。これに①、②の問いに答えよ。

① サンゴの化石から、この地域の海はどのような環境であったと考えられるか。
② サンゴの化石のように、堆積した当時の環境を知る手がかりとなる化石を何というか。

この問題は、旧来の一問一答系の問題です。

答えは、「①:暖かく浅い海」「②:示相化石」です。

一昔前は、「綺麗な暖かく浅い海」とありましたが、

化石ができるような時代の海は、

どこでも綺麗なのでなくなりました(笑)

(3)柱状図Ⅰ〜Ⅲは、それぞれ地点A、B、Dのどの地点のものと考えられるか。それぞれ記号で答えよ。

これは、冒頭で示した図を作成するためには、

設問の頭に書いてある、

「柱状図ⅣはC地点のものである。」

「北に向かって、一定の割合で低くなるように傾いている。」

という条件から導き出せます。

図を見れば、そのまま答えとなりますね。

答えは、「Ⅰ:B Ⅱ:A Ⅲ:D」となります。

(4)図1の地点Xは地点A、Cの中間地点であり、標高が75mである。地点Xにおいて、凝灰岩の層は、地表からの深さが何mから何mの位置に見られると考えられるか。

いい問題です。

とにかく引っかけがすごい!

この問題の1番のキーワードは、

「地表からの深さ」

なのです!

「標高何mから何m」

ではないのです!

もう一度冒頭の情報をまとめた図をご覧ください。

この図で分かることは、

「X地点の標高何mから何mに鍵層があるか」

です。

ここから、もうワンステップ作業をし、

「X地点の地表からの深さ」

に変換しなければならないのです。

あっぱれですね。

『つばさ』の生徒も、ここでやられました。

答えは、「20m〜25mの位置」となりますね!

地学講評:やや難!?

ぱっと見は、

一問一答系の知識偏重問題と思いきや

しっかりと付随する知識を総動員させて

解答する思考力問題が多くなっていました。

生徒たちが、「合っている!」と思って

ボコボコに間違えて返されるタイプの問題です。

全体的には、

ごく普通の問題ではありましたが

おそらく平均点的には低くなっていると予想し

「やや難」と判定しました。

みなさんはいかがでしたか?

ちゃん♪ちゃん♫

たろー

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