『国語の記述問題の鉄則とは!?(3)』
大学入試共通テストまで、あと120日!
公立高校入試まで、あと173日!
第一回基礎学力テストまで、あと20日!
さて本日は3回目。
国語記述問題の鉄則をご紹介しようと思います。
今までの2回は以下の通り。
- 二つ以上並んでいるものは、全て書く
- 或いはそれをまとめた言葉を書く
- 記述文解答の中には「指示語」「代名詞」「例」「たとえ」を入れないこと!
- ただし、指示語が記述の中の言葉を指している場合のみ使用はOK
今回は実践的な問題を使った鉄則をご紹介しましょう。
この問題は、2020年度の北海道の公立高校入試の
国語小説問題の1部となります。
(2)「のんびり歩いてなんかいられない気分だった。」とありますが、「ぼく」がこのような気分になったのは、美駒ちゃんに対するどのような思いによって、このとき何をしたくなったからですか、三十五字程度で書きなさい。
<2020年度・北海道公立高校入試小説(2)>
東北の国語の記述問題は、かなり硬派な作りになっています。
徳島のそれとは異なり、簡単に抜き出すことだけでは
解答にたどり着けない問題の構成です。
ですが、設問文を分析して自分が何を答えなければならないか、
「問いに対して正確に答える」ことさえできれば、
案外楽に解けるようにもなっています。
ですが、生徒たちはこの問題がやはりというべきか苦手なのですね。
では、鉄則を!
- 何に対して答えを書くのか、その部分にチェックを入れる
- 傍線部内の言葉の「あるとないとでは、意味が異なる部分」にチェックをいれ、『言い換え』をして掘り下げる
具体的に見てみましょう。
(2)「のんびり歩いてなんかいられない気分だった。」とありますが、「ぼく」がこのような気分になったのは、美駒ちゃんに対するどのような思いによって、このとき何をしたくなったからですか、三十五字程度で書きなさい。
まずは、「何に対して答えを書くのか」の部分にチェックを入れてみましょう。
(2)「のんびり歩いてなんかいられない気分だった。」とありますが、「ぼく」がこのような気分になったのは、美駒ちゃんに対するどのような思いによって、このとき何をしたくなったからですか、三十五字程度で書きなさい。
案外、この時点で「何をしたくなったからですか」の部分しか見ておらず、
本文中の近くにあるそれっぽい言葉を抜き出し、
「写真を撮りたい欲求が急速に膨れ上がり手ぶらできた自分に腹が立ったから。<三十五字>」
と書いてしまう生徒が多くいます。
この問題のポイントは、
美駒ちゃんに対するどのような思いによって、
と向けられた感情の対象を指定していることです。
上記の解答では、美駒ちゃんに対する思いへの言及が一つもありません。
条件を無視しているので、内容としては半分正解とはなりますが
点数としては0点の解答となります。
解答のビジョンとしては、
「美駒ちゃんへの〇〇な思いから、△△をしたくなったから」
と目星を立ててから、本文を読みつつ
◯と△に当てはまる語句を「探し出す」ように解けばいいのです。
そして、その「探し出す」ための手がかりとなるのが、
『言い換え』、この鉄則です。
(2)「のんびり歩いてなんかいられない気分だった。」
あるとないとでは、意味が大きく変わる言葉を探してみましょう。
(2)「歩いていられない気分だった。」
だいぶ印象が変わってしまいますね。
「のんびり」「なんか」=「じっとしていられず」
なぜ?→『時間を無駄にしたくない思いで、何かに駆り立てられる様子』
ここまで書き換えられば、
文章の中から、美駒ちゃんに対してどのような思いがあって、
時間を無駄にしていられないと思ったのかを探しだし、
何をすることに駆り立てられているのかを見つけ出せば
必然的に答えとなります。
と、このように国語読解の解法には
感覚的なものではなく、具体的な手順と手法が存在しています。
小学生からこのように文章を捉え、読み解く習慣が身につけば
それほど学習塾に頼らずとも
自学で大学受験まではやっていけると考えています。
おそらく、学校に一定数存在している
塾なしで学年トップ層にいる子たちのほとんどが、
文章読解をこのような論理性を持って
無意識で解釈していると思っています。
生まれ持って賢さを持っているのではなく、
論理的に物事を捉え考え分析し、
読み解く思考を育ちの中で培ったのだと思うのです。
1番の要因は、おそらく『論理的な会話』。
そして、『具体物の操作を通した試行錯誤』だと考えています。
ということは、「賢さ」は作れる!ということですかね〜!
あとは、実践あるのみです!
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