心理学用語では、『高原現象』と言います。
実際は、プラトー(高原現象)という状態とスランプとは異なります。
ですが、学習においてはほぼ同等として今日はお話ししようと思います。
どーも、塾講師歴17年、37歳3児のパパで認定心理士、じゅくちょー阿部です。
はじめのうちは、知識と技術は同時に伸びていく!
以下の図をご覧ください。
学習の初期段階では、知識と技術は同程度伸びていきます。
小学生の入りたての頃の学習とお考えください。
漢字に関しても、知っている身の回りの言葉を漢字化したものがほとんです。
算数に関しても、数が増える減るという身の回りで実感できるものばかりでした。
ですが、小3ショックと呼ばれる言葉が示す通り、小3からの学習内容は少し抽象的になります。
数も普段使っているお金の金額からはかけ離れた桁数になります。
国語に関しても、抽象語や概念語などが増え始めます。
「知識」を『抽象化』、すなわち自分の分かる範囲の領域に変換する必要が出てきます。
そうです、『意味』を考えなければならない学習に入っていくのです。
丸暗記が得意な脳の成長段階は、9歳ごろまで!
はじめの頃の学習法は、得た知識をそのまま丸暗記することから始まります。
初歩的な知識や技術には、あまり複雑なものはなく、自然と練習するだけで同様に伸びていきます。
ですが、この時期からあまり過度に詰め込み演習によって、『暗記=学習』という習慣ができることは、非常に危険です。
もちろん、教材次第にはなりますが、単純に問題を読んで知っている知識をそのまま答えることで丸が入り、丸が入ることが学習した気になるようなシステムはお勧めできません。
以下の図をご覧ください。
暗記による知識の増加は、努力に比例して伸びていきます。
ですが、その得た知識を他の知識と関連させ、結びつける技術的なものは、ある時期に横ばいになります。
この特徴のことを、スランプ(ここでは、プラトー[高原現象])と言います。
脳科学の研究においても、脳は学習のための効率化を測るために、丸暗記から意味記憶にシフトすることが分かっています。
逆にいうと、より高い成長のために、脳はスランプを通して「やり方を替えなはれよ〜!」と教えてくれているのです。
それでも、スランプ中に学習方法を替えないと!?
ですが人間は、慣れ親しんだものを変えることに、非常に大きな抵抗を感じます。
ここで大きな弊害になるのが、幼少期よりガチガチの詰め込み型の勉強の習慣化です。
子どもたちは柔軟ですから、「あっ、これでダメならこうかな?」と自分を変えていくことに抵抗は感じずに済みます。
反面、習慣化されてしまっている子どもたちは、ある程度の結果が伴っていることで、拒んでしまうことが多々あります。
この場合の結果とは、丸がつくことと100点を取ることで褒められることを指します。
そして、落差が大きくなると、やる気もモチベーションも一気に下降します。
その結果、「自分なんて」という勘違いの自己否定が生まれ、勉強へのコンプレックスとなるのです。
丸付けをしたときや、テスト結果が返ってきたときこそが、次への成長のデータとなります。
ここで、間違いの部分やミスした部分、理解できていない部分、丸暗記になってしまっている部分を修正していく作業が、塾講師として大きな役割の1つだと思うのです。
まぁ、何度修正を促しても変わってくれない生徒も一定層はいますがね(笑)
ちゃん♪ちゃん♫