さて、読解講座は本日で終了です。
最後の今日も、適文選択の読解テクニック!
また別に機会には、
記述のテクニックに関しても
書いてみようと思います。
【設問】
本文の表現の仕方や文章の特徴について述べたものとして適切ではないものを、次のア〜エの中から1つ選び、その記号を答えなさい。
ア)「カーン、と厨房から鍋をお玉で叩く音が聞こえた」など厨房の音に関する表現で、場の雰囲気の切り替わりが印象付けられている。
イ)「僕」の観察者的な視点からジュン先生やマミコの様子を細かく描写することで、登場人物の性格が読者に伝わりやすくなっている。
ウ)「先生はマミコに語りかけているのに、僕の胸がドキドキする」など「僕」の心情が入ることで、読者が共感しやすくなっている。
エ)先生の厳しさが描かれていることで、先生と「僕」たちとの関係が明確になり、先生への信頼が強まっていく様子を段階的に表現している。
この表現の仕方や文章の特徴を問う系の問題は、
正直なところハイレベル問題です。
なぜなら、『全部正しそうに見えるから』です(笑)
これ系の問題を正確に、かつ確実に解くためにには
『ある呪い』を解かなければなりません。
それは、何か?
『印象や感想を問われていると
思い込むこと』です。
この問題が苦手な生徒の多くは、
読んだ上での感想を聞かれていると思い込み、
自由に『自分の気持ち=主観的』に
自分の感じたままの意見を持とうとしてしまいます。
これ系の問題での鉄則は、
『主観と客観を区別する』ことです!
例えば、
・生き生きと描写している
・テンポ良いリズムになっている
・淡々と描いている
などは、主観です。
見ないことにし、線で消してしまいます。
逆に、客観的に分かる部分=その証拠を指し示すことができる部分
だけで 判断します。
・擬音語が使われている
・心情の変化を描写している
・短文を重ねている
などだけを残して、本文と照らし合わせるのです。
この手の選択文は、主観と客観で構成されています。
ですので、主観は潰して客観部分だけを残し
解答として相応しいかを判断すればいいのです。
早速やってみましょう!
ア)「カーン、と厨房から鍋をお玉で叩く音が聞こえた」など厨房の音に関する表現で、場の雰囲気の切り替わりが印象付けられている。
「」は引用ですので、書かれている事実です。
最後の<印象付けられている>が主観部です。
ということは、「」内の語句を使って
<厨房の音に関する表現で、場の雰囲気の切り替わり>
があるかどうかを本文で照らし合わせて判断します。
イ)「僕」の観察者的な視点からジュン先生やマミコの様子を細かく描写することで、登場人物の性格が読者に伝わりやすくなっている。
<登場人物の性格が読者に伝わりやすくなっている>は
受け取り手によりますよね?ですから主観です。
ということは、
<ジュン先生やマミコの様子を細かく描写>
されているかどうかを
本文で照らし合わせて判断します。
ウ)「先生はマミコに語りかけているのに、僕の胸がドキドキする」など「僕」の心情が入ることで、読者が共感しやすくなっている。
<読者が共感しやすくなっている>
共感できるかどうかは読み手によります。よって主観です。
「」の言葉が本当にあるかどうかと、
「」の心情表現が、本当に「僕」の心情
であるかどうかを判断することになります。
エ)先生の厳しさが描かれていることで、先生と「僕」たちとの関係が明確になり、先生への信頼が強まっていく様子を段階的に表現している。
<先生の厳しさが描かれていること>
本文に「厳しさ」が描かれているか判断する。
<先生と「僕」たちとの関係が明確になり>
ちょっと抽象的な表現ですから、
どのような関係であるか明確にされている
表現があるかどうかを判断する必要がありますね。
<先生への信頼が強まっていく様子を段階的に表現>
本当に強まっている表現があるか、(主観表現?)
そして段階的に描かれているか
判断する必要がありますね。
さて、こう考えてみると
何やら明らかに抽象的で
判断が難しい選択肢があることに気づきますね?
そうです、4)です。
このように、主観と客観に別けて判断すると
自ずと本文を読む前の段階から
答えが浮かび上がってくることは多いのです。
でも、しっかりと本文と照らし合わせる作業は
怠らないようにしましょうね!
さぁ、あとは実践あるのみ!
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