まず、読書と読解の違いは、
- 読書…「個人的な趣味や楽しみのもの」
- 読解…『学力をはかるためのもの』
この2つの違いを理解しないまま
国語学習を進めてしまうと
成績には反映されなくなってしまいます。
よく、親御さまからご質問があるのですが、
「国語を伸ばすには、読書量が必要ですよね?
本を読ませているのですが、どうも伸びなくて。」
その通りです。ただの読書では、全くと言っていいほど
成績には反映されないことが往々にしてあります。
では、より具体的に2つの違いを述べてみましょう。
- 読書… ・登場人物の気持ちになって、読むことも可能
・主人公の気持ちを「想像」しながら、読むことも可能
どう読むかは読者の自由で構わない - 読解… ・「どう思うか」は無視。「どう書いてあるか」を分析
・登場人物に、感情移入しては決してならない
主観を排除し、客観的に読み解く
では、「何を」「どう」読み解けばいいのでしょうか?
- 心情把握
- 因果関係
- 心情の変化
- 情景描写
基本的には、以上の4項目を読み解くことが
小説の読解には求められます。
人物の心情が、「なぜ」そのような気持ちになったのか
「原因」と「根拠」を探す因果関係を探る作業。
人物の心情の変化が、「何を」「どのような」きっかけで
移り変わったのかを、情景の変化から結びつける作業。
読解は、センスなどではありません。
あくまで、スキルの極みなのです。
テクニックで読み解くことができるのです。
もちろん、文章で書かれた内容を読み解くわけです。
語彙力は少なくとも必要になるでしょう。
しかしながら、文章を読むことができる語彙力が
備わっているならば、あとはテクニックを習得するための
演習量をこなせば身につくスキルなのです。
単に本を読んでおけばいいという訳ではありません。
本の「何に」注目し、「どのように」読み、
探偵のように根拠や証拠、論証をしていくかが
大切なのです。
もし、読み方に主観を入れて読む癖がついているならば
一人では修正や矯正は難しくなります。
大人であっても、自分の習慣や癖を直すことは
容易ではないのですから。
できれば早いうちに、
論理を使って読む訓練をしていきませんか?