まず、大きく分けて国語の読解では、
- 評論文…「筆者の主張とその根拠」
- 小説文…『登場人物の心情』
が、問われることになるということを
しっかりと頭に入れておきましょう!
では、その心情の表現方法には2つあります。
- 直接描写…「悲しい・嬉しい・悔しい」など
- 間接描写…『行動・表情、セリフ、風景描写』など
もちろん、比較的読み取りやすい問題は
①の直接描写になります。
ですが、大学入試における心情表現で
①を読み取ることはほとんどありません。
②の間接描写を文脈から『適切に』読み取ることが
小説の読解には求められます。
例えば、以下のような表現があったとしましょう。
正にその瞬間、マサヤの目から涙がこぼれ落ちたのだった。
上記の傍線部に、マサヤの感情が現れています。
しかし、その涙がどのような意味で流されたのかは、
この文脈だけからは判断ができません。
国語の読解が苦手という生徒の中には、
この傍線部だけから『妄想』をして
回答を選ぶこともあります。
読解力以前に、分かるはずのない心情表現に対して
その根拠すら探すこともせず
勝手に思い込んでいるだけで、
「自分は読解力がないんだ〜!」という
これも根拠のない妄想で国語から
遠ざかっていくこともあるのではないでしょうか?
もしくは、『涙がこぼれ落ちた』という表現から
「悲しい」「悔しい」という
ネガティブな感情しか受け取れないものもいます。
涙を流すということは、
「嬉しい」「可笑しい」だってあるはずです。
このように、日本語の『語彙』には
多種多様な意味が込められています。
それらの意味を『知識』として習得できているか、
『体験』を通して『想像』できるか。
語彙力とは、ここまでできて本物でなのです。
個人の主観で、様々な解釈が可能な表現を
いかに文章の中から根拠を見つけて1つだけに決定するか。
これが小説読解で最も求められている力なのです!
主観を排除し、客観的に理解することができる力。
これこそが、国語における得点力アップの決め手となります。
思考習慣は歯並びに似ています。
正しい読み方を知らないことは、
問題のある歯並びのまま成長するようなもの。
正く治療し矯正されなければ、
食べ方や姿勢、体調にまで影響を及ぼし
力を発揮することも困難になる場合もあります。
できることなら、
早目に矯正をしておくことを
お勧めいたします!