自分の、またはお子さんの性格のタイプは分かりますか?
積極的、引っ込み思案、楽観的、悲観的。
これら4つのかけ合わせで、本番に強い子になるための関わり方が見えてきますよ。
前回の投稿で、本番に力が発揮できない子の傾向をお伝えしました。
「初めてのことをするときに、人は緊張するもの」
「いつも反復して「慣れる」状態であれば、緊張は和らぐ」
「本番では大なり小なり人は誰しも『緊張』してしまう」
「常に本番のように臨み、本番を想定し、『緊張すること』も見越して備える」
そして、
『緊張していても、実力が発揮できるかできないか』
が大きなポイントとなるとお伝えさせていただきました。
本日は、具体的な手立てをお伝えしてみようと思います。
まずは、自分(お子さん)の性格面と考え方のタイプを分析しましょう!
性格面: 『積極的』 か 『引っ込み思案』 か
そして
考え方: 『楽観的』 か 『悲観的』 か
と、ざっくりと判断してみましょう!
そして、これらを組み合わせると
- 積極的×楽観的タイプ
- 積極的×悲観的タイプ
- 引っ込み思案×楽観的タイプ
- 引っ込み思案×悲観的タイプ
このように分けることができます。
この中で、もっとも本番に強いのは①のタイプ。
そして、もっとも本番に弱いのが④のタイプです。
②と③のタイプは、その時の空気や本番に求められる技量などによって変わってきます。
『積極的』な子は、好奇心が強く自分で何かを変えていく意欲がある子
そして
『楽観的』な子は、不確定なことは、まずはやってみてから考える子
この2つが掛け合わされると、本番では
「おっ!?この問題は難しいぞ!どうやったらできるんだろうなぁ?」
と、具体的な手立てを解きながら楽しめるようになります。
このタイプは、試験中に「自分はできないとダメな子だ」という思考は全くもって発生しません。
その場その場で、最善の策を講じることができるタイプです。
逆に、④のタイプはどうでしょうか?
そして、
と、言い換えることができるでしょう。
これが掛け合わされルト、本番では
「うわっ!この問題難しそう。。。絶対解けんし。。。もう終わった。。。」
と、解いてもない問題に対してできないと想定し、
その想定したまだ起こってもない出来事に頭が支配されます。
その想定を信じて確信している『自信』の方が不思議ですよね(笑)
「性格」は生まれつき、「考え方」は生まれてから!
性格と考え方は似ているようで、全く違います。
性格は遺伝要素が高いのに対し、
考え方は環境要素も大きく関わることが知られています。
「それなら、もともと引っ込み思案なら、何の手立てがないのでは?」
という気がしますよね?でも、そうではないのです。
引っ込み思案な子は、本番を想定した反復演習を繰り返しましょう!
そうすれば、本番でも同じようにこなせる自信をつけることができます。
要は、前回の内容に触れた「場慣れ」を起こしてしまうのが、一番の策です。
特に、③の「引っ込み思案×楽観的タイプ」には、
この方法が有効だと考えます。
④の「引っ込み思案×悲観的タイプ」には、このアプローチに加え、
考え方を具体的にポジティブに変換させるような訓練も大切です。
応援のつもりが、逆にプレッシャーに?
人は、「ことば」で思考し、「ことば」が心を形づくります。
ですから、親から受けた「ことば」や学校生活の中で触れている「ことば」が、自分の考え方のクセに大きな影響を及ぼします。
ポジティブな言葉を受けて育つと、ポジティブな考え方を会得しやすくなる。
逆に、ネガティブな言葉にさらされると、ネガティブな考え方が強化される
ということです。
周囲や環境の中で接する言葉の質が、
自分自身の考え方の形成のカギになっているのです。
人は9歳ほどで、丸暗記の方が優位な記憶方法が終了します。
そして、理由や根拠を元に記憶する脳へと切り替わるのです。
その年代までに獲得した考え方を通じて、物事を考えるようになっていきます。
事実は一つ、でも感じ方はそれぞれ!
このように、考え方が楽観的か悲観的かどうかで、感じ方は違ってきます。
キメの細かいフィルターでコーヒーを淹れた違いのようかもしれませんね。
同じ豆でも、使うフィルターが違えば、抽出されたコーヒーの味は違います。
みんな同じ難易度の問題を解いているはずなのですが、
楽観視する者もいれば、悲観視する者もいるのですね。
つまり、同じ言葉かけをしても、
楽観的な子と悲観的な子では受け取り方、感じ方が違ってくるのです。
「がんばってね」「いつも通りね」「本来の力を出すだけだよ。」
楽観的な子は楽観的に、「ボクなら大丈夫、きっとできる!」と反応します。
ですが、悲観的な子は、「絶対にうまくやらなくては!失敗したら大変だ!」と
捉える傾向があるため、逆に、頭が真っ白の状態を作りかねません。
悲観視にも色々な種類があるのですが、本番の強さは
状況に応じた『選択肢』を広く持っているかどうか。
よって、具体的な色々な対策や方法を教えてあげる声かけの方が、
悲観視タイプの子には心地よく響き、本番での成功率を高めてくれるのです。
悲観視タイプの子へは、こう声かけしよう!
「落ち着く」ということばの感じに注目してみましょう!
『落ち』て『着く』。えっ?どこに?ですよね。
私は、『底』だと考えています。
自分の奥底に落ち、そしてそこに立てば、
それがどんなに深い場所でも
人は「見上げる」ことしかしなくなるのではないでしょうか?
自分の弱さや最悪な状況の心の奥底に、
自分の足で着地し、踏み締め、日本の足で自立するからこそ
『落ち着き』という風格が生まれるのだと思うのです。
②「積極的×悲観的タイプ」と④「引っ込み思案×悲観的タイプ」の子たちは、
「絶対に〇〇しなくちゃいけない」「失敗は許されない」と
落ちた奥底が地獄か何かだと勘違いしています。
それは、普段から誰かに失敗を攻め続けられいるのかもしれません。
もしかすると、自分という存在をテストの結果だけで評価されているのかもしれません。
こんなに不幸なことはありませんね?
より高いものを目指す完璧主義者といえば聞こえがいいですが、
実際には、「絶対に成功しなくちゃ」と思えば思うほど、
「もしも失敗したら」のことが気になり、
自分で本番へのプレッシャーを高めてしまうことになります。
ですから、悲観視タイプには
「うまくいけばラッキー♪」
「失敗したってたいしたことにはならんし!」
という「ダメだった時の着地点」
を準備しておいてあげると、余計なプレッシャーを感じずに済むでしょう。
普段から、様々なことに対して色々な想定をすることは決して無駄にはなりません。
ですが、その想定が『ネガティブなものだけ』になることが問題となります。
ダメだった時の着地点が、素敵な考えであればあるほど
本番でも挑戦者として楽しめるものになるのでしょうね。
そのほうが、本番から得る経験も大きくなります。
正に、
死ぬこと以外、かすり傷
の心の状態になれるのでしょう!